がじぇっとりっぷでは格安高機能ルーターとして2018年5月にUbiquiti Networks「EdgeRouter X」、MikroTik「RB750Gr3」を続けて紹介しましたが、その翌月、2018年6月にMikroTikの新ルーターボード「RB450Gx4」が発表されていました(完全に見落としていました)。
スペック
※比較のため、「RB750Gr3」「EdgeRouter X」のスペックを併記しています。
model | RB450Gx4 | BR750Gr3 | EdgeRouter X |
メーカー | MikroTik | Ubiquiti | |
発売日 | 2018/06 | 2016/10 | 2015 |
価格 | 99ドル | 59.95ドル | 49ドル |
価格(日本円) | 11,456円 | 9999円 | |
CPU | Qualcomm IPQ4019(4コア) (0.7GHz A7 x 4) | Mediatek MT7621AT(2コア) (880MHz MIPS1004Kc) | |
GPU | – | ||
メモリー | 1GB DDR3L | 256MB | 256MB DDR3 |
サポートOS | RouterOS OpenWrt | EdgeOS UNMS OpenWrt | |
有線LAN | 1GbE x 5 | ||
Wi-fi | – | ||
Bluetooth | – | ||
チップ | M2401IG AR8327 | ||
ストレージ | 512MB microSD | 16MB microSD | 256MB |
USB | – | 2.0 x 1 | – |
GPIO | – | ||
映像 | – | ||
カメラ | – | ||
オーディオジャック | – | ||
その他インターフェース | RS232 | – | |
消費電力 | 5W 16W(PoE込) | 5W | 5W |
電源 | DC 10-57V PoE 12-57V | DC 8-30V PoE 8-30V | DC 9-26V PoE 9-26V |
幅 | 90mm | 113mm | 110mm |
奥行き | 115mm | 89mm | 75mm |
高さ | 28mm | 22mm | |
その他 | 175g ケース込 |
特徴
「RB450Gx4」は「EdgeRouter X」「RB750Gr3」と同様に、5ポートのルーターとなっています(但しケースは別売)。
SoCにはQualcommの「IPQ4019」を使用しています。
「IPQ4019」はルーター系デバイス界隈では結構メジャーで、有名どころだと「Google Wifi」にも使われています。
「IPQ4019」のスペック表とブロックダイアグラムは以下となっています。
なお、スペック表の項目順序は公式サイトのままとしています。
Wi-Fi | Wi-Fi Standards: 802.11ac Wave 2, 802.11ac, 802.11p, 802.11n Wi-Fi Spectral Bands: 2.4 GHz, 5 GHz Peak speed: 1.733 Gbps Channel Utilization: 20/40/80 MHz, 5/10/20/40 MHz MIMO Configuration: 2×2 (2-stream) Wi-Fi Features: MU-MIMO, TxBF, Wi-Fi SON |
RF | Ethernet: 5-port ethernet |
CPU | CPU Clock Speed: 717MHz CPU Cores: Quad-core CPU, 4x ARM Cortex A7 |
製造プロセス | Process Technology: 40 nm |
DSP | DSP Technology: SIMD DSP |
セキュリティ | Security Features: Qualcomm® Trusted Execution Environment, Crypto Engine, Secure Boot Wi-Fi Security: 802.11i security, AES-CCMP, AES-GCMP, PRNG, TKIP, WAPI, WEP, WPA, WPA2, WPS |
メモリー | Memory Type: DDR3L RAM: 1 GB RAM |
インターフェース | Supported Interfaces: I²S, I²C, Ethernet, JTAG, LCD, PCIe 2.0, PCM, RGMII, SD/eMMC, SPDIF, SPI, UART, USB 2.0, USB 3.0 |
パッケージ | Package Type: BGA Package Size: 18 x 18 mm |
一番上にWi-fiがきていることから分かるように、Wi-fiに強みを持ったSoCです。802.11ac wave2に対応し、最大1733Mbps(正確には866+866Mbps)をサポートしています。
しかしながら「RB450Gx4」はWi-fi非搭載なので、実のところSoCの実力を活かしきれていません。
WI-fiだけでなく、USB2.0/3.0やPCIeも持っているのに、「RB450Gx4」にはなんにも搭載されていません。
どれだけないかというと、下のブロックダイアグラムを見れば一目瞭然です。
ストイックなまでにルーター機能に特化しています。
せめてUSBだけでもあれば…
もったいないSoCの使い方をしている「RB450Gx4」ですが、それでも「EdgeRouter X」「RB750Gr3」と比べると高スペックになっています。
「RB450Gx4」はメモリを1GB、ストレージを512MB積んでいます。「EdgeRouter X」がメモリ256MB、ストレージ256MBであることを考えると、メモリは4倍です。
ただこれも、前述のUSBやPCIeの処理も考慮した容量のはずなので、やっぱり宝の持ち腐れというか、多分ルーティング処理だけだとこんなになくても大丈夫な気が…
インターフェースは5ポートのLANポート、シリアルポート(RS232)、microSDとなっています。
シリアルポートで入れるところが「EdgeRouter X」「RB750Gr3」と大きく違うところですね。
LANポートはEth0がPoE入力対応、Eth4がPoE出力対応となっています。
対応規格はPassive PoEおよびIEEE802.3af/atです。IEEE802.3afは44〜57Vで15.4Wまで、IEEE802.3atは50〜57Vで30Wまでとなっています。
「EdgeRouter X」のように、PoEスプリッタで24Vを出力するような手間も必要ありません。
PoE出力は500mVまでとなっており、PoEまで含めた最大消費電力は16W、本体のみだと5Wとなります。
OSはMikroTikが開発しているRouterOSとなっています。ライセンスレベルはL5です。
RouterOS ライセンス ※英語
記事執筆時の最新バージョンは6.44.3でした。
英語ではありますが、マニュアルも充実しています。
RouterOSマニュアル ※英語
最初の方に書きましたが、「RB450Gx4」はケース(CA150)が別売です。
このケースは「RB450G」「RB450」「RB850Gx2」(すべて終売)と共通となっています。
もしかして、ケースの流用のためにインターフェースが削られたんだろうか…?
まとめ
なんだかすごくもったいないスペックの使い方をしている「RB450Gx4」ですが、価格は99ドル(約10,600円)と、100ドルを切っています。
実売価格だともっと安くて、80ドル前後です。
ケースは定価19ドル、実売12ドル前後です。
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