更新は続くよどこまでも。 超小型SBCのXunlong「Orange Pi Zero」がLTS版にアップデート

シングルボード

2019年7月19日、SBC(シングルボードコンピューター)メーカーの一つであるShenzhen Xunlong Softwareは超小型SBC「Orange Pi Zero」のバージョンを1.4から1.5にアップデートし、LTS(Long Time Support)版としました。

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スペック

modelOrange Pi Zero LTS
メーカーXunlong
発売日2019/08
価格8.49ドル(256MB)
10.49ドル(512MB)
価格(日本円)
CPUAllWinner H2+(4コア)
(1.2GHz A7 x 4)
GPUMali-400 MP2
NPU
メモリー256MB/512MB DDR3-1866
サポートOSAndroid
Lubuntu
Debian
有線LAN100MbE x 1
Wi-fi802.11b/g/n
Bluetooth
チップXR819
ストレージmicroSD
USB2.0 x 1
2.0 x 1(micro)
GPIO26pin x 1
13pin x 1
映像
カメラ
オーディオジャック
その他インターフェースUART
消費電力
電源microUSB DC 5V
48mm
奥行き46mm
高さ
その他専用拡張ボード(約2ドル)あり
重量:26g

特徴

SBC界隈において40mm角〜50mm角くらいのサイズというのは激戦区の一つとなっていて、がじぇっとりっぷでも何度か取り上げています。

安価だけど好性能。 Radxa「Rock Pi S」は38mm角で9.9ドルからの超小型SBC
これはZeroでいいのか…? Sinovoip「Banana Pi BPI-P2 Zero」はPoE対応LANポートとオンボードストレージ付き

このクラスは、1GHz程度のエントリークラスのSoC、多くても512MBのメモリ、100MbE、Wi-fiはあっても802.11b/g/n、10ドル前後の低価格、あたりを共通の特徴として持っています。

「Orange Pi Zero」もこの特徴を踏襲していて、SoCには1.2GHzクアッドコアのAllWinner H2+、メモリは256MBか512MB、100MbE、となっています。

クアッドコアと聞くと結構処理能力が高そうに感じますが、アーキテクチャは2011年に発表されたARM Cortex-A7で、2011年当時の100ドルスマホがターゲットという点でも処理能力はお察しというところです。
その代わりにCPUコアのサイズは極端に小さく(SoCの大部分はGPUと思われる)、消費電力も低いため、エントリー向けSoCでは8年経った現在でもよく採用されています。

ヒートシンクのたぐいはなく、裸で運用もできますが、高負荷をかけると70度くらいでクロックが落ちるようです。
心配なら小さなヒートシンクでも安定するようになるみたいです。

インターフェースはこのようになっています。

初代「Raspberry Pi B+」互換の26ピンGPIOを持っていますが、ピンホールなので自分でピンヘッダをつける必要があります。

あまり見かけない仕様としては、Wi-fiチップに Xradio Technologという聞き慣れないメーカーのチップ「XR819」が使われていること、GPIOとは別に13pinの拡張ピンが有ることでしょうか。

「XR819」は5mm角という小さなチップです。
上の画像で言うと、SoCの左下にあるチップがそれです。SoCと比較すると小ささがよく分かります。
対応するのは802.11b/g/n(Wi-fi 4)までで、802.11ac(Wi-fi 5)には対応しません。
まぁ、このサイズでそんなに高速な通信は必要ないし、802.11ac対応は消費電力増に直結しますしね。

SBC界隈ではWi-fiチップにAMPAKというメーカーのものが使われることが多いのですが、12mm角くらいの大きさになるので、サイズ的なメリットを考えた結果なのだと思います。

電源は付属しませんが、microUSB給電なので電源に困ることはないでしょう。
デフォルトでは機能OFFとなっていますが、ちょっとした改造(2箇所はんだでショートさせる)でPoE(Power over Ethernet)も使えるようなので、場合によってはLANケーブル一本で動かすこともできます。

OSは公式にはAndroid4.4、Lubuntu、Debianとなっていますが、ArmbianやOpenWrtも対応しているようです。

また、「Orange Pi Zero」には専用の拡張ボードが用意されています。
13pinの拡張ピンを使って接続するのですが、綺麗にすっぽり収まっていますね。

拡張ボード単体のインターフェースはこうなっています。
個人的には表裏が逆だとすっぽり収まり良くキューブ状になったんじゃないかなぁと思わなくもないのですが。

USBはともかく、IR receiver(赤外線レシーバー)やVideo outは、使う人は使うんじゃないかと思います。

まとめ

「Orange Pi Zero」は、がじぇっとりっぷがブログを始める前の2016年11月に発売されています。
3年経っても更新され、なおかつ長期サポートされるというのは、この製品が長く人気であるということの証であるといえます。
国内でもこの手のSBCにしては珍しく、レビュー記事が多めです(Raspberry Piを除く)。
当時の価格は256MBが6.99ドル、512MBが8.99ドルでした。

LTS版となって少し値段が上がりましたが、それでも256MBで8.49ドル、512MBで10.3ドルです。
拡張ボードを付属した場合は256MBで10.03ドル、512MBで12.38ドルとなります。

国内での販売サイトはなく、Amazonでの取り扱いがある程度。公式での販売はAliExpressとなっています。

ちなみにOrange Piには同価格帯でサイズが1.5倍(69mm×48mm)、HDMI端子のついた「Orange Pi One」というものがあります。
画面表示が必要ならこちらのほうが利便性が良さそうですが、USB給電不可でバレルジャック(DC 5V/2A)での給電となるため、実質的なコストとしては高くなります。

関連リンク


Orange Pi Zero

Orange Pi Zero – 公式サイト
Orange Pi Zero(256MB) – AliExpress
Orange Pi Zero(512MB) – AliExpress

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