2019年9月10日、SBCのデータベースを作っているhackerboards.comに、cherrytrail世代のAtom x5-Z8300を搭載した、radxaのSBC「Rock Pi X」が掲載されました。
スペック
model | ROCK Pi X Model A | ROCK Pi X Model B |
メーカー | radxa | |
発売日 | ||
価格 | 39ドル(1GB) 49ドル(2GB) 65ドル(4GB) | 49ドル(1GB) 59ドル(2GB) 75ドル(4GB) |
価格(日本円) | ||
CPU | Intel Atom x5-Z8300(4コア) (1.44Ghz(turbo 1.84GHz) x 4) | |
GPU | HD Graphics 500 | |
NPU | – | |
メモリー | 1〜4GB LPDDR3-1866 | |
サポートOS | Linux Windows 10 | |
有線LAN | 1GbE x 1 | |
Wi-fi | × | 802.11 ac |
Bluetooth | × | 4.2 |
チップ | AXP288C APC256 RTL8111F | |
ストレージ | microSD eMMC | |
USB | 3.0 x 1 2.0 x 3 | |
GPIO | 40pin x 1 | |
映像 | HDMI(1.4 4K/30Hz) eDP MIPI-DSI x 1 | |
カメラ | MIPI-CSI x 1 | |
オーディオジャック | ○ | |
その他インターフェース | ||
消費電力 | ||
電源 | DC5V(Type-C) | |
幅 | 85mm | |
奥行き | 52mm | |
高さ | 18mm | |
その他 | PD/QC対応 |
特徴
タイトルにもあるように、「Rock Pi X」のCPUはいつものArm系ではなく、Intel Atom x5-Z8300です。
なので、「Rock Pi X」はSBCであるにもかかわらず、Windowsが動作します。
実のところ、Intel CPU(SoC)搭載SBC自体は珍しくなく、これまでにがじぇっとりっぷでも何度か取り上げています。
ただ、どれも性能とサイズ、そして価格が比例しており、一番小さい「LattePanda」でも115×79mmです。
その点、「Rock Pi X」は性能は低めながら85×52mmとラズパイサイズに収まっています。
性能面ではベンチマークのAntutuで7万点弱になるようです。
ZenFone 4のSnapdragon 630がだいたい同じくらいになります。
RK3399で10万点前後なので、ワンランク下になります。
「Rock Pi X」にはmodel Aとmodel Bがあり、その違いはWi-fi/BTの搭載の有無だけです。
これはRaspberry Piの(ある意味)伝統的なスタイルで、radxaも「Rock Pi 4」で踏襲しています。
現在明らかになっている画像は表と裏の2枚だけです。
この画像も正式ではなく”準備稿”とされています。
インターフェースはUSB3.0 x1、USB2.0 x3となっていますが、上からだとよくわからないです。
LANポートの後ろには蟹さんマークのチップが付いています。ぼやけているのではっきりとは分かりませんが多分RTL8111Fです。
HDMIは1.4です。2012年のCPUなので仕方ないですね。
給電は、端子の丸みから考えてType-C端子になるようです。対応電圧は5〜20Vで、USB PDやQuick Charge対応となっています。
仕様表にはMIPI-DSIとMIPI-CSIがあるとなっていますが、MIPI-CSIらしきものは右のパターンの部分でしょうか?
裏面にはCPUとメモリ、eMMCソケットとmicroSDスロットがあります。
個人的にはせっかくのIntel CPUなのだからSATAポートの一つもあったらよかったんじゃないかなぁと思います。
2012年のCPUなのでM.2規格には対応できないとしても(ちなみに上で紹介した3機種はすべてM.2スロットを持っています)、ストレージの選択肢がmicroSDとeMMCのみなのはちょっと残念です。
まとめ
「Rock Pi X」の比較対象はArm系SBCではなく、一時期流行したスティックPCなのでは?というのがトータルとしての感想です。
スティックPCはcherrytrail世代が中心ですし、SATAがないのも同じ、サイズはちょっと負けていますがインターフェースでは「Rock Pi X」が勝っています。
そんな「Rock Pi X」ですが、価格については文句のつけようが無かったりします。
Model A:39ドル(1GB)、49ドル(2GB)、65ドル(4GB)
Model B:49ドル(1GB)、59ドル(2GB)、75ドル(4GB)
ストレージが別料金ではありますが、十分破格と言える値段だと思います。
4GBあればWindowsだって快適とまではいかなくとも最低限は動きますし、GPIOを使うような開発をWindows環境で行うような場合には重宝しそうです。
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