2019年10月29日、イタリアの組み込み向けメーカーのSECOは、組み込み向けRyzenオンボードな3.5インチHDDサイズのSBC「SBC-C90」を発表しました。
当製品はドイツ・ニュルンベルクで開催されたembedded world 2020(期間:2020年02月25日~2月27日)でも展示されたようです。
スペック
モデル名 | SBC-C90 |
---|---|
メーカー | SECO |
発売日 | 2019/10 |
価格 | |
価格(日本円) | |
CPU | Ryzen Embedded V1000シリーズ Ryzen Embedded R1000シリーズ |
GPU | Vega 11 Vega 8 Vega 3 |
NPU | – |
メモリー | DDR4-3200 x 2 DDR4-2400 x 2 |
サポートOS | Windows 10 Ubuntu |
有線LAN | 1GbE x 2 |
Wi-fi | M.2 Key E M.2 Key B |
Bluetooth | |
チップ | |
ストレージ | M.2 Key M(2280、x4) SATA x 2 microSD |
USB | 3.0 x 2 2.0 x 2(pin) |
GPIO | 8pin x 1 |
映像 | DP x 4 |
カメラ | × |
オーディオジャック | ○(pin) S/PDIF(pin) |
その他インターフェース | serial x 2(pin) miniSIM I2C x 2 |
消費電力 | |
電源 | DC 12-24V |
幅 | 146mm |
奥行き | 102mm |
高さ | |
その他 |
特徴
SECOはあまり名前を聞いたことがないメーカーですが、SECO USAとAidilabの合同チームが手掛けているのが、がじぇっとりっぷでも取り上げたことのある「UDOO」シリーズです。


「UDOO BOLT」は世界初かそれに近い組み込み向けRyzenボードなので、SECOにとっては組み込み向けRyzenは得意分野とも言えます。
「SBC-C90」の搭載可能SoC(CPU)は、V1000シリーズ、R1000シリーズ合わせて6種類です。
V1807B:4コア8スレッド、3.35~3.8GHz、Vega 11
V1756B:4コア8スレッド、3.25~3.6GHz、Vega 8
V1605B:4コア8スレッド、2.00~3.6GHz、Vega 8
V1202B:2コア4スレッド、2.30~3.2GHz、Vega 3
R1606G:2コア4スレッド、2.60~3.5GHz、Vega 3
R1505G:2コア4スレッド、2.40~3.3GHz、Vega 3
組み込み向けRyzenはラインナップが拡充しており、GPUなしモデルや寒冷地モデル、低TDPモデルなども登場していますが、今回の対象CPUからは外れています。
AMD Ryzen™組み込み型R1000シリーズ
AMD Ryzen™組み込み型V1000シリーズ
GPUはRadeon Vega 3からRadeon Vega 11までで、内蔵GPUとしてはかなり強力です。
映像出力はDIsplayPortが4ポート(R1000シリーズは3ポート)と無駄に豪華というか、「SBC-C90」の想定用途が透けて見えますね。
メモリはSO-DIMM DDR4-2400が2スロット( V1807BとV1756BはDDR4-3200まで)、ストレージはM.2 2280スロットが一つと、SATAポートが二つあります(ただし電源はひとつ)。
M.2スロットは他にKey B(2242/3042)とkeyE(2230)があり、それぞれWWANカード(4G/LTEカード)とWi-fiカードなどが使えます。
WWAN用にminiSIMスロットも用意されています(microSDとのコンボ)。
USBは3.0が2ポートあり、USB2.0が2ポート分ピンヘッダで提供されます。
146×102mmというサイズの制約からかピンヘッダで提供されるインターフェースが多く、シリアルポート(RS-232/RS-422/RS-485)、オーディオもピンヘッダです。
それから取ってつけたようにGPIOが8ピンついています。
GPIOがあるので、がじぇっとりっぷの勝手基準でもぎりぎりSBCの分類ですね(GPIOがなければオンボードマザボ)。
「UDOO BOLT」のようにArduino用チップは搭載されていません。
ほとんどのインターフェースは表側に実装されています。
裏側にはSoC(CPU)とM.2 SSDスロット、microSD/miniSIMスロットくらいです。
それにしても、個体コンデンサやチップ抵抗が整然と配置されていて、美しいです。
ブロックダイアグラム図で見るとこんな感じです。
複雑なところはありませんが、GPIOやI2C、シリアルポートなどは謎の「Embedded Controller」が担っていることも分かります。
電源はDC12-24V、OSはWindows 10とUbuntuに対応しています。
ケース付きの完成品「SYS-C90-DS」もラインナップされています。
こちらではLAN/WANアンテナとシリアルポートも用意されていて、きれいにまとまっていますね。
まとめ
SECOの製品は組み込み向けらしく、3.5インチフォームファクタ以外にもNUC(101.6×101.6mm)やPico-ITX(100×72mm)、COM(Computer on Module)ではCOM ExpressやQsevenなど、だいたいの規格は押さえています。
ラインナップはうまく整理されていますが、NXPのSoCだけはSoCのモデル数が多いからか同じフォームファクタで複数のモデルが出ています。
「SBC-C90」の価格は要問合せです。組み込み向けあるあるですね。
見た感じはよさげなので一般販売しても注目する人は結構いるんじゃないかなぁ。
関連リンク
SBC-C90:SECO
コメント
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