2020年5月15日、Synologyは2ベイNASの新モデル「DS220+」「DS720+」を発売いたしました。
スペック
型番 | DS220+ | DS720+ |
---|---|---|
メーカー | Synology | |
価格 | 39,900円 | 53,900円 |
発売日 | 2020/05 | |
幅 | 108 | 106 |
高さ | 232.2 | 223 |
奥行き | 165 | 166 |
CPU | Intel Celeron J4025 2.0GHz Dual-Core | Intel Celeron J4125 2.0GHz Quad-Core |
内部フラッシュメモリ | ||
メモリ | 2GB DDR4 | |
最大メモリ | 6GB | |
ホットスワップ | ○ | |
SSD対応 | ○ | |
NIC (1GbE) | 2 | |
NIC (10GbE) | – | |
LA/PT | ○ | |
USB2.0 | – | |
USB3.0 | 2 | |
USB type-c | – | |
eSATA | – | 1 |
PCIe | – | |
SDカード | – | |
HDMI | – | |
4K対応 | – | |
DisplayPort | – | |
S/PDIF | – | |
オーディオジャック | – | |
スピーカー | – | |
赤外線 レシーバー | – | |
ハードウェア 暗号化 | ○ | |
ハードウェア アクセラレーション | ||
IPカメラ (無償) | 2 | |
IPカメラ (最大) | 25 | 40 |
仮想化 (VMWare) | × | ○ |
仮想化 (Windows) | × | ○ |
仮想化 (Citrix) | × | ○ |
仮想化 (OpenStack) | × | ○ |
仮想マシン (VirtualBox) | ○ | |
仮想マシン (Docker) | ○ | |
対応RAID | 0/1/Hybrid Raid | |
ファイルシステム | EXT4/Btrfs | |
システム ファン | 92mm x 1 | |
ノイズレベル | 19.3dB | 18.4dB |
Wi-fi | ||
消費電力 | 14.96W | 16.44W |
重さ | 1.3kg | 1.51kg |
DTCP+ | ○ | |
DTCP-IP | ○ | |
DLNA | ○ | |
iSCSIターゲット | 128 | |
iSCSI LUN | 256 | |
ユーザー数 | 2048 | |
グループ数 | 256 | |
並列接続数 | 500 | |
共有フォルダ | 256 | 512 |
スナップショット | 1024 | 1024 |
read性能 | 225.98 | 225.99 |
write性能 | 192.21 | 195.42 |
read性能 (暗号化) | 225.99 | 225.99 |
write性能 (暗号化) | 195.2 | 200.16 |
備考 | 2年保証 | 3年保証 NVMe SSD×2 |
特徴
SynologyのNASは型番が3桁で、一番上の位がベイ数、下二桁がおそらくは西暦の下二桁となっています。
ここで分かりにくいのが、ベイ数は拡張ベイも込みの数字となっている点で、例えば「DS720+」は2ベイ+拡張5ベイの計7ベイに対応という意味になります。
また、NASのグレードは上からFSシリーズ、SAシリーズ、XS+/XSシリーズ、Plusシリーズ、Valueシリーズ、jシリーズと6シリーズに分類されており、上位三つ(XS+/XS、SA、FS)はビジネス・エンタープライズ向けとなります。
というわけで「DS220+」「DS720+」はともに個人/SOHO向け上位のPlusシリーズに属し、拡張ベイへの対応/非対応で分かれている、ということがモデル名から分かります。
Synologyは2年ないし3年サイクルを取っているようで、「DS220+」「DS720+」の先代は「DS218+」「DS718+」となります。
「DS220+」のCPUはApollo Lake世代のなCeleron J3355からGemini Lake Refresh世代のCeleron J4025に、「DS720+」は同じくCeleron J3455からCeleron J4125へと更新されました。
型番は近いのですが、Celeron J4025は2コア、Celeron J4125は4コアと、大きな差があります。
PassmarkではCeleron J3355/3455から1.4~1.5倍のスコアと、かなり性能が上がっています。
メモリは「DS220+」「DS720+」ともに2GB DDR4で、空きスロットを一つ備えています。仕様上は最大6GB(4GBメモリを追加)となっていますが、なぜかこの辺は適当なことが多く、「DS218+」では10GB(2GB+8GB)ができていたことから、「DS220+」「DS720+」でも非公認ながら大容量化できる可能性は高いと思われます。
▲標準の2GBもSO-DIMMメモリモジュールでの搭載っぽいのですが、マザーボード面が内部カバー(画像は「DS720+」)に覆われているので、16GB(8GB+8GB)などを目指す場合は分解が必要になります(「DS718+」は内部カバーがなく、2スロットの換装が簡単でした)。
「DS220+」と「DS720+」は同じPlusシリーズですが、CPUだけでなくほぼ全面的に別物となっています。
▲正面比較です。左が「DS220+」、右が「DS720+」です。
「DS220+」は正面はカバーに覆われていますが、ドライブベイに鍵をかけることができません。
一方「DS720+」はカバーはありませんが鍵をかけることができます(といっても簡易的なものですが…)。
▲背面も違っていて、「DS720+」(右)には拡張用のeSATA端子が搭載されています。
eSATA端子には5ベイ拡張ユニット「DX517」を接続することが可能です。
本体のみではRAID 0/1、JBOD、Synology Hybrid RAIDだけのところ、拡張ユニットと合わせることでRAID 5/6/10に対応するようになります。
LANポートが一体型とセパレートで違っているのはともかく、電源端子が違っているのはさすがに無駄が多いように感じるのですが、どうなんでしょう…?電圧の安定度が違うとかでしょうか?
というか、よく見たらファンも違っていますね。
▲隠れた違いとして、「DS720+」には底面に二つのM.2 NVMe SSDスロットが用意されています。
ここにM.2 SSDを装着することで、SSDキャッシュアクセラレーションを使用することができるようになります。
シーケンシャルなデータのやり取りではあまり効果はありませんが、大量の小サイズファイルや、複数クライアントとの同時接続時に効果を発揮するでしょう。
▲「DS220+」のパッケージ内容です。
電源アダプタは60Wとなっています。
▲「DS720+」のパッケージには、”鍵”が追加されています。
電源アダプタは65Wとちょっと容量が大きくなっていますが、前述のとおり端子規格が異なっており、「DS220+」と互換性はありません。
このほかにも地味な違いとして、「DS220+」は2年保証、「DS720+」は3年保証(5年に延長可能)となっています。
ソフトウェア面ではどちらもSynology独自の「Synology DSM」というOSとなっています。
基本的に内容は同じで、内部ドライブのフォーマットにEXT4のほかBtrfsを選択できるのが特徴です。
違っているのが仮想化環境のストレージノードとして使えるかどうかなのですが、要件がiSCSI接続できるかどうかっぽいので、ソリューション認定かライセンス的なものじゃないかと思われます。
NASそのものに仮想マシンを立ち上げることはどちらともできますが、メモリ的に2台まで(メモリ6GB時)が推奨となっています。
まとめ
CPUが一新され、内部設計もだいぶ変わったらしい「DS220+」「DS720+」の価格は、「DS220+」が39,900円、「DS720+」が53,900円と、1.4万円の差があります。
関連リンクのところを見ればわかりますが、「DS218+」「DS718+」もほぼ同価格帯なので、購入するなら「DS220+」「DS720+」の方が高性能化した分お得ですね。
2コアで十分なら「DS220+」でいいですし、将来的に拡張する余地を残したいなら「DS720+」になるでしょう(1台当たりの容量を増やすという手もありますが…)。
仮想化ストレージはともかく、SSDキャッシュの有無も考えれば、妥当な価格差といえます。
用途や将来性に合わせて選ぶといいでしょう。
関連リンク
DiskStation DS220+:Synology
DiskStation DS720+:Synology
プレスリリース:Synology
DiskStation DS220+ ハードウェア インストール ガイド(PDF):Synology
DiskStation DS720+ ハードウェア インストール ガイド(PDF):Synology
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