2020年7月9日、NASメーカーのQNAP(本社:台湾)は、2.5GbEを搭載したホーム・SOHO向けの2ベイ/4ベイNAS「TS-x31P3(TS-231P3/TS-431P3)」を海外で発表いたしました。
スペック
型番 | TS-231P3 | TS-431P3 |
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メーカー | QNAP | |
価格 | ||
発売日 | ||
幅 | 102mm | 160mm |
高さ | 169mm | |
奥行き | 219mm | |
CPU | AnnapurnaLabs Alpine AL-314 1.7GHz Quad-Core | |
内部フラッシュメモリ | 512MB | |
メモリ | 2/4GB DDR3 | |
最大メモリ | 8GB | |
ホットスワップ | ○ | |
SSD対応 | ○ | |
NIC (1GbE) | 1(2.5GbE) 1(1GbE) | |
NIC (10GbE) | – | |
LA/PT | ○ | |
USB2.0 | – | |
USB3.0 | 3 | |
USB type-c | – | |
eSATA | – | |
PCIe | – | |
SDカード | – | |
HDMI | – | |
4K対応 | – | |
DisplayPort | – | |
S/PDIF | – | |
オーディオジャック | – | |
スピーカー | – | |
赤外線 レシーバー | – | |
ハードウェア 暗号化 | ○ | |
ハードウェア アクセラレーション | ||
IPカメラ (無償) | 2 | |
IPカメラ (最大) | 25 | |
仮想化 (VMWare) | × | |
仮想化 (Windows) | × | |
仮想化 (Citrix) | × | |
仮想化 (OpenStack) | × | |
仮想マシン (VirtualBox) | × | |
仮想マシン (Docker) | ○ | |
対応RAID | 0/1 | 0/1/5/6/10 |
ファイルシステム | EXT4 | |
システム ファン | 70mm x 1 | 120mm x 1 |
ノイズレベル | 19.2dB | 19.5dB |
Wi-fi | USBアダプタ | |
消費電力 | 15.6W | 26.7W |
重さ | 1.35kg | 3kg |
DTCP+ | ||
DTCP-IP | × | |
DLNA | ○ | |
iSCSIターゲット | ○ | |
iSCSI LUN | ○ | |
ユーザー数 | 4096 | |
グループ数 | 512 | |
並列接続数 | 1500 | |
共有フォルダ | 512 | |
スナップショット | 32 | |
read性能 | ||
write性能 | ||
read性能 (暗号化) | ||
write性能 (暗号化) | ||
備考 |
特徴
「TS-x31P3」はQNAPの分類ではHOME向けミドルレンジとなっています。
前世代の「TS-x31P2(TS-231P2/TS-431P2)」は2017年11月の発表だったので、2年8ヵ月でのリニューアルとなります。
で、どこが変わったのかというと、メモリが増えたのと、1GbE×2が2.5GbE+1GbEになったこと、この2点です。
CPUについては「TS-x31P2」から変わらず、Amazon傘下のAnnapurnaLabs社製「Alpine AL-314」を搭載しています。スペックは4コア1.7GHzです。
「Alpine」シリーズはNASやWi-fiルーター、ゲートウェイなどをターゲットとしたCPU(SoC)で、QNAPの他、Synology、Buffaloなど、大手メーカーのNASに採用されています。
同じQNAP製品でいえば、先日発表された「TS-431X3」も「Alpine AL-314」搭載です。
メモリについては「TS-x31P2」の1GB/4GBから、2GBまたは4GBへと変更されました。
メモリは換装可能でDDR3を1スロット備えており、最大8GBまで換装が可能です。
なお、「TS-x31P2」では対応規格がDDR3/DDR3Lとなっていましたが、「TS-x31P3」ではDDR3のみとなっている点に注意が必要です。
インターフェースについてはUSB3.0が3ポートである点は変わらず、有線LANが1GbE×2から2.5GbE+1GbEに変更されました。
「TS-x31P3」はPCIeスロットを持たず拡張ができないため、標準ポートの高速化は大きいですね。
QNAPのここ最近の新製品を見ると、2.5GbE化とメモリ2GB化はセットであるように見えます。
このことから考えるに、2.5GbEを扱うには、相応のメモリ容量が必要なものと考えられます。
HDDの転送速度はシーケンシャルで130~150MB/s、高速なモデルでも200MB/s程度です。ランダムアクセスなんか一桁台です。
対して2.5GbEは300MB/s弱まで速度が出ます。
この転送速度の差分をどうするかというと、HDDよりはるかに高速なメモリ上にキャッシュすることで、見かけ上の転送速度を稼ぐわけです。
これが1GbE(125MB/s、実測で110MB/s程度)であればHDDの方が早く、キャッシュする横からどんどん書き込めるので、キャッシュに割くメモリ容量は少なくて済むのですが、2.5GbEだと書き込みが追い付かないのである程度以上のメモリ容量が必要になります。
多分ではありますが、これがメモリの増えた理由(のひとつ)じゃないかなぁと。
「TS-x31K」などは1GbE×2のままで、メモリも1GBで据え置きなのも、推測の裏付けとなっています。
筐体
▲フロントはカラーリングが変更され、HDDベイに鍵が付きました。
この2つの変更はここ最近発表されたQNAP製品に共通のものです。
▲リアはUSBが二つLANポート(RJ45)が二つです。
上のRJ45ポートに2.5Gと書かれているのが見えますね。
▲サイドは左側にだけ吸気用の穴が開いています。
▲HDDベイを引き出したところです。
QNAP製品共通のツールレスベイであることが見えます。
まとめ
「TS-x31P3」はまだ国内発表されていないため、国内の価格は不明です。
海外では、イギリスのNAS専門販売サイトのSPAN.COMで「TS-231P3(2GB)」が£233(スターリング・ポンド、約31,500円)、「TS-431P3(2GB)」が£308(約41,700円)の値が付いていました。
同サイトでは「TS-231P2(1GB)」が£217(約29,300円)「TS-431P2(1GB)」が£294(約39,700円)なので、価格帯はほぼ変わらないとみてよさそうです。
ちなみに4GB同士だと、「TS-231P2(4GB)」が£274、「TS-231P3(4GB)」が£253で逆転しています。
ここ最近の新製品ラッシュで、QNAPのエントリークラスにある2ベイ/4ベイ製品はほぼ置き換えられました。
特に2.5GbEは、経路に当たるネットワークハブなども対応製品に変える必要があるとはいえ、転送速度が大幅に上がるため恩恵は大きいです。
あとは2018年のQNAPのトレンドであった3ベイNASですが、こちらも置き換えられるのでしょうか…
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