【レビュー】 DELL「Vostro 3000(3580)」のPentiumモデルはCeleronよりはいいけれど…

PC

先日がじぇっとりっぷでは「Vostro 3000(3580)」のCeleron 4205Uモデルについてレビューいたしました。

【レビュー】 DELL「Vostro 3000(3580)」のCeleronモデル、今ではコスパは微妙?

今回のレビューは同じ機種のPentium Gold 5405Uモデルです。

単体記事としてのレビューもそうですが、2コア2スレッドから2コア4スレッドとなったことで、どれだけ性能が変わったのかを中心に、Celeronモデルと比較しながら見ていきたいと思います。

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DELL Vostro 3582

CPUPentium Gold 5405U
メモリ4GB DDR4-2400
ストレージ1TB HDD
画面15.6インチ TN HD(1366×768)
USB3.0×2、2.0×1
wi-fi802.11ac+BT4.1
サイズ380×258×20.66mm
重さ2.2kg
その他DVD±RWドライブ、1GbE

GoodPoint
価格に見合った性能
コスパは悪くはない
光学ドライブやVGA搭載

BadPoint
スピーカーがダメダメ
Type-C端子なし
HDDなのでロードで待たされる
持ち歩きは厳しい重さ

詳細スペックを見る
メーカーDELL
名称Vostro 15 3000(3580)
発売日2019/01
定価74,980円~
実売価格38,384円~
価格条件27,000円引き+20%オフ
CPUCeleron 4205U
グラフィックUHD 610
メモリ4GB
メモリ規格DDR4-2133
メモリ増設最大16GB(2slot)
2.5inch1TB HDD(7mm)
M.22280(PCIe) x 1
Optane Memory可
画面15.6インチ TN
60Hz 300nit
解像度1366×768
ベゼル幅17mm
表面
タッチ対応×
光学ドライブDVD±RW
USB2.01
USB3.02(Gen1)
USB3 type-c
USB PD×
HDMI1.4b
LANポート1GbE
wi-fi812.11ac(1×1)
Qualcom QCA9377
Bluetooth4.1
office
カードリーダーmicroSDXC
Webカメラ92万画素(720p)
赤外線カメラ×
NFC×
指紋センサー×
Windows Hello×
オーディオジャック
マイクモノラル
スピーカー2W(ステレオ)
スピーカー位置
サウンドWaves MaxxAudio Pro
キーピッチ19.05mm
キーストローク
キーボードバックライト
バッテリー42WHr
稼働時間
ACアダプタ45W
充電時間4Hr
急速充電2Hr(65W時)
380mm
奥行き258mm
高さ20.66mm
重量2.2kg
開口角度135°
カラーブラック&アイスグレー
その他特徴防水キーボード
VGA

DELLで見る

外観

※外観はCeleronモデルと全く同じなため、一部画像は流用しています。

▲パッケージです。

本体、電源アダプタ、マニュアルのほか、ドライバCDが付属します。

▲電源アダプタは45W出力です。

▲正面から見るとベゼルはかなり太いです。

エントリー機なのでこの辺りは仕方ないですね。

▲そのベゼル幅は16mmでした。

▲ディスプレイはノングレアです。

▲インターフェースです。

■左

・電源ジャック
・HDMI
・有線LAN(1GbE)
・USB3.0×2
・オーディオジャック

■右

・microSDスロット
・USB2.0
・VGA
・DVD±RWドライブ

USB Type-Cがないのが残念なところです。
それ以外はエントリーモデルとしては十分かと。

▲キーボードはオーソドックスなテンキー付きです。

一部キーがくっついていますが、特に変わった要素はありません。

▲キーボードの右下のPentium Goldのロゴシール。

くすんで見えますが、実際には金色に輝いています。

▲キーピッチは公式には19.05mmとなっています。

確かにじっくりと見たら19mmよりわずかに広い気がしなくもないですね。

▲ディスプレイの最大開口角度は135°でした

分解

▲「Vostro 3000(3580)」の底面です。

後述しますが、吸気口に見えるスリットは、実際には塞がれています。

▲赤丸の2つのネジを外すと光学ドライブが抜けます。

▲抜き取った光学ドライブ

▲光学ドライブの下にもネジが隠れています。

▲慎重に底面カバーを外した後の、内部全体図です。

メインボードは低面積の1/3くらいですね。

▲メインボードのアップ

メモリは2スロット、Wi-fiは換装可能、CPUのヒートパイプは1本です。

▲バッテリーの脇にはM.2 SSDスロットが用意されています。

▲2.5インチストレージ部です。

▲底面カバーは底面側のスリットはふさがれていています。

奥側の中心の広いスリットが排気口で、その左右の細いスリットが吸気口に相当するようです。

システム

▲デスクトップはすっきりしています。

▲起動直後のメモリ消費量は2.3GBでした。

Celeronモデルの時もそうでしたが、「Vostro 3000(3580)」は起動時のメモリ消費がやや多いようです。

▲スタートアップに登録されているアプリは5つ

▲システム情報

▲CPU-Zではプロセッサ名が出ませんでした。

▲HDDは東芝製です。

▲Celeronモデルと同じ型番のHDDなのですが、妙に遅いです。

個体差と言ってしまえばそれまでなんですが…
何度かやると、毎回110~140MB/sくらいの間で数字が変わります。

▲バッテリーは容量の95%で満充電となっています。

リチウムイオン電池は本当の満充電や空の状態を続けると寿命を縮めるので、理にはかなっています。

ベンチマーク

いつもであればここに”ちょっと使ってみた”の使用感が入るのですが、動作が良くなった以外の点ではCeleronモデルと変わらないので、省略して本命のベンチマーク比較に移りたいと思います。

【レビュー】 DELL「Vostro 3000(3580)」のCeleronモデル、今ではコスパは微妙?

対象アプリ一覧

CrystalDiskMark 6.0.2
PassMark 9.0
Geekbench 4.4.2
Geekbench 5.0.1
CrystalMark 2004R7 v0.9.200.452
CINEBENCH R15.0
PCMark 10
3D Mark v2.0.6762
DQ X ベンチマーク v1.51
FF XIV 紅蓮の解放者
FF XIV 漆黒の反逆者
FF XV v1.2
MonsterHunter Frontier 大討伐

jetstream 2
BaseMark
WebXPRT
MotionMark
SpeedMeter2.0
octane

※ベンチマーク条件

DQ Xは1280×720・標準のみ
FF XIV(紅蓮/漆黒)は1280×720・高品質(ノート)のみ
FF XVは1280×720・標準のみ

結果総覧

最初に結論を述べると、Pentium Gold 5405Uの性能はおおよそ1.5倍となります。
グラフィックはそれより控えめで、2割増し程度です。

これを頭に入れたうえで、各ベンチマークの結果を見ていきましょう。

CPUは大幅向上

CPUPassMark
Pentium 5405U(2C/4T)32431378
Core m3-6Y30(2C/4T)30611277
Core m3-8100Y(2C/4T)30281828
Pentium J5005(4C/4T)26671207
Celeron N4100(4C/4T)25131024
Pentium 4405Y(2C/4T)2117847
Celeron 3867U(2C/2T)20381088
Celeron 4205U(2C/2T)20041074
Celeron N4000(2C/2T)15151106

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

PassMarkのCPUスコアではマルチスレッドスコアが3243、これはCeleron 4205U比で1.6倍です。Celeron N4000比だと2倍を超えています。

このスコアは2019年までのUMPCでよく使われていたCore m3-8100Yを上回っています。

Core m3-8100YはUMPCのようなモバイル機向けのため冷却面で厳しいことが多く、フルロード時は動作クロックが抑えられるのだと思います(なのでシングルスレッド性能は高い)。

シングルスレッド性能には差があるのでCore m3-8100Y機ほどはキビキビと動かないのでしょうが、実際に使ってみた感じでは、アプリのロード以外はCeleron機より動きが良く、二つ三つ程度ならアプリの同時操作もこなせました。

GPUも2割増

グラフィックでは、Celeron 4205Uと同じUHD 610ですが、最大動作周波数が50MHz(900MHz→950MHz)増えています。

CPU3DMark FireStrike
Celeron 4205U(UHD 610)576606
Core m3-6Y30(HD 515)394434
Core m3-8100Y(UHD 615)838935
Pentium J5005(UHD 605)394423
Celeron N4100(UHD 600)428466
Pentium 4405Y(HD 515)390426
Celeron 3867U(HD 610)540595
Celeron 4205U(UHD 610)514538
Celeron N4000(UHD 600)375394

上段:総合スコア、下段:グラフィックスコア

実際のスコアで見ると、Fire StrikeのGraphicスコアで538→606と、2割弱の増加です。
CPU性能が上がった分、総合スコアも多少伸びています。

DQベンチマーク
Pentium 5405U4190 / 普通
Celeron 4205U3500 / 普通
Celeron N40002793 / やや重い

設定:1280×720、標準品質

ゲームに関してはほぼ無理で、軽量級のDQ Xがかろうじて動くかなといったところです。
こっちも2割増しのスコアになっていますね。

消費電力・騒音について

消費電力・騒音はCeleronモデルと似ています。

騒音については、普段はファンが回らず、最大負荷をかけると時々回る程度でした。
そのファン回転も数秒から十数秒程度と短く、Celeronモデルに引き続き騒音は計測していません。

なお、このような状況はCPU温度があまり上がらないことが要因の一つと思われます。

▲「HWMonitor」で計測した結果ですが、フルロード時でも最大で74度までしか温度が上がっていません。

発熱が少なく、冷却が間に合っているからこそ、ファンが回らずに済んでいるんですね。

PentiumモデルCeleronモデル
アイドル時5.3W5.7W
画面オフ時1.9W1.8W
スリープ時0.3W0.4W
充電中(アイドル)38.1W37.3W
充電中(OFF)33.1W31.8W
CINEBENCH(S)11.5W9.0W
CINEBENCH(M)16.2W10.9W
最大25.5W20.0W
最大(Charge)48.8W49.5W

消費電力はCeleronモデルに比べて増えていますが、性能比とだいたい一致しています。

といってもCPUだけぶん回したばあいは16.2W、CPU・GPUともにフル稼働させても25.5Wです。
この程度ならそれほど神経質になる必要はないでしょう。

まとめ

「Vostro 3000(3580)」のPentium 5405Uモデルは、Celeron 4205Uモデルに比べてCPUで1.5倍、グラフィックで1.2倍と性能がかなり向上することが分かりました。

記事執筆現在はセール中で、Celeronモデルが35,984円、Pentiumモデルが38,384円と、差額はわずか2,400円(普段も3,000円差)です。さらにSSD増設やらメモリ増設やらを行えば快適性は高まるでしょう。

とはいえ例えば240GB M.2 SSDと4GBメモリを追加するとプラス6,000円くらいにはなるので、トータル45,000円弱となってしまいます。

こうなると格安ノートで知られる「ThinkPad E495」のおすすめ構成や「IdeaPad S145」、「IdeaPad Slim 350」といった格安ノートよりも高くなってしまい、コスパ的にもおいしくありません。

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そもそも、メインノート級の性能を持っているのに、格安というか激安なモデルが出ているのが理不尽なんですよね(ユーザーからすればありがたい限りですが)。

一応擁護しておくと、「Vostro 3000(3580)」は法人向けなのでサポート代も込みの価格となっています。

参考:俺でもデルのPCを選んじゃうわ、と思った話:ASCII.jp

とはいえ、ある程度”分かっている”層からすればサポートは最低限でも問題のない話です。
がじぇっとりっぷもレビューのために購入はしましたが、使うことを前提とすれば上記3機種の方から選びます。

今後はCelelon・Pentiumにとっては冬の時代となりそうです。

関連リンク

Vostro 3000(3580):DELL

付録

ベンチマーク結果一覧

モデル名Vostro 3580Vostro 3582
CPUPentium 5405UCerelon 4205UCeleron N4000
GPUUHD 610UHD 600
メモリ4GB
ストレージ1TB HDD
PassMarkTotal1615.51328.31029.4
CPU Single137810741106
CPU Multi3243.32003.21515.3
2D488.4381.2339.1
3D751.3727.7431.2
Memory1351.21251.1848.8
Disk826.7880.1886
CPU-ZSingle250.5208.9203.4
Multi677.1418.1403
GeekBench4Single269522491856
Multi510637543242
OpenCL12548119977935
OpenCL(dGPU)
GeekBench5Single594470434
Multi1298899792
OpenCL297828231514
OpenCL(dGPU)
CrystalMarkMark13953010042589630
ALU358072080123307
FPU282401280313686
MEM349992873617064
HDD174281763517115
GDI1133091488970
D2D516150023426
OGL656563006022
CINEBENCH R15OpenGL27.21fps25.55fps18.39fps
CPU(M)238cd141cd138cd
CPU(S)95cd73cd74cd
CINEBENCH R20CPU(M)529pts304pts204pts
CPU(S)207pts157pts140pts
PCMarkALL198516371402
Essensial405733973349
Productivity344428562427
DigitalContent15201229922
3DMarkTimeSpy218204125
Graphics190181110
CPU1390806601
FireStrike576514375
Graphics606538394
Phisics378317582125
Combined218216145
NightRaid252222481464
Grapihics274326741816
CPU17321183698
SkyDiver230320701245
Graphic218520241183
Phisics339323061886
Combined214521061119
CloudGate416431622557
Graphics497348373188
Phisics265514301511
IceStorm387642341226198
Graphics418803238629481
Phisics307571188618852
IceStormEX242361905316497
Graphics228572048515922
Phisics307261530818888
IceStormUnlimited421682945326004
Graphics458412787828464
Phisics329331656120063
VR Mark不可不可不可
DQ1280・標準419035002793
1920・最高
FF XIV
紅蓮
1280・標準13431068912
1920・最高
FF XIV
漆黒の反逆者
1280・標準1133833716
1920・最高
FF XV1280・標準587575439
1920・最高
MHF
大討伐
1280207419381457
1920
ブラウザjetstream265.80951.04646.171
BaseMark355.4280.37227.31
WebXPRT1088577
MotionMark132.93107.9991.85
SpeedMeter2.050.239.634.3
octane224551511914553
bbench軽度(キー入力)43301秒(12.0Hr)43755秒(12.1Hr)45688(12.7Hr)
中度(動画)28971(8.0Hr)26662秒(7.4Hr)
強度(CPUZ+FF XV)
or (CPUZ+MHF)
7255秒(2.0Hr、MHF+CPUZ)10610秒(2.95Hr,MHF)
9396秒(2.6Hr,MHF+CPUZ)
14841(4.12Hr、FF XV)

ベンチマーク結果画像

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