2020年7月15日、TerraMaster(本社:中国)はCeleron J3455に10GbE+1GbE×2を搭載する4ベイNAS「F4-422」を発表しました。
スペック
型番 | F4-422 |
---|---|
メーカー | TerraMaster |
価格 | 56,990円 |
発売日 | 2020/07 |
幅 | 227mm |
高さ | 225mm |
奥行き | 136mm |
CPU | Celeron J3455 1.5GHz Quad-Core |
内部フラッシュメモリ | |
メモリ | 4GB DDR3 |
最大メモリ | 8GB |
ホットスワップ | ○ |
SSD対応 | ○ |
NIC (1GbE) | 2 |
NIC (10GbE) | 1 |
LA/PT | ○ |
USB2.0 | – |
USB3.0 | 2 |
USB type-c | – |
eSATA | – |
PCIe | – |
SDカード | – |
HDMI | – |
4K対応 | – |
DisplayPort | – |
S/PDIF | – |
オーディオジャック | – |
スピーカー | – |
赤外線 レシーバー | – |
ハードウェア 暗号化 | ○ |
ハードウェア アクセラレーション | ○ |
IPカメラ (無償) | |
IPカメラ (最大) | |
仮想化 (VMWare) | |
仮想化 (Windows) | |
仮想化 (Citrix) | |
仮想化 (OpenStack) | |
仮想マシン (VirtualBox) | |
仮想マシン (Docker) | ○ |
対応RAID | 0/1/5/6/10 |
ファイルシステム | Btrfs/EXT4 |
システム ファン | 80mm x 2 |
ノイズレベル | 19.8dB |
Wi-fi | |
消費電力 | 46.6W |
重さ | 2.35kg |
DTCP+ | |
DTCP-IP | |
DLNA | ○ |
iSCSIターゲット | 128 |
iSCSI LUN | 256 |
ユーザー数 | 2048 |
グループ数 | 512 |
並列接続数 | 500 |
共有フォルダ | 512 |
スナップショット | ○ |
read性能 | 670 |
write性能 | 650 |
read性能 (暗号化) | |
write性能 (暗号化) | |
備考 | 90W電源 |
特徴
「F4-422」は一言でいえば、去年発売された「F5-422」の4ベイ版です。
ベイ数以外はほぼ同じ(筐体サイズも!)です。
消費電力まで一緒なのは、ちょっとコピペを疑っています。
CPUはApollo Lake世代のCeleron J3455です。1.5GHzの4コアで、ブーストクロックは2.3GHzです。
Passmarkスコアで見ると、シングルスレッドスコアは低めで、マルチスレッドスコアはCeleron N4100のちょっと下となっています。
QNAP「TS-x53D」シリーズに搭載されたCeleron J4125からはだいぶ離されています。
メモリは標準が4GB DDR3で、おそらくはオンボード+1スロット構成です。
海外でもまだレビューがなく、ほぼ同じボードと思われる「F5-422」も、中まで確認したレビューが見つかりませんでした。
ちなみに「F5-422」は以前はメモリ最大容量が12GB(4GB+8GB)だったのが、いつの間にか「F4-422」と同じ8GB(4GB+4GB)に修正されています。
CPUの仕様上は最大8GBなので正しい記述に戻ったわけですが、経験上8GB以上もいけるので、実際の最大は12GB(4GB+8GB)になるでしょう。
DDR3はDDR4と違って16GBメモリがほぼ手に入らない状況なので、8GBの増設が現実的な上限です。
▲フロントです。
「F5-422」の端っこの1ベイがなくなっただけの見た目です。
これ、中身的には右端は空洞なんじゃなかろうか。
▲インターフェースは冒頭のとおり10GbE+1GbE×2と、USB3.0が2ポートです。ファンは80mm×2です。
HDMIはないことになっていますが、バックパネルにはHDMI用と思わしきスペースがあります。
「F2-221」のレビューで、ないはずのHDMIが付いていた事例もあるので、もしかすると付いているパターンもあるかもしれません。
▲転送速度は最大670MB/sです。
10GbE(=1250MB/s)の半分強ですが、これはおそらくCPUの仕様が関係しています。
というのも、Celeron J3455はSATAポートを2ポートしか持っていません。
3ポート以上をサポートするには、PCIe-SATA変換チップを使う必要があります。
内蔵LANもないので、PCIe構成は10GbE(2レーン)、1GbE(1レーン)×2、SATA(2レーン)で、Celeron J3455の持つ6レーンが消費されているものと思われます。
ちなみにこれはCPUは違えど「TS-453D」なども同じことになっており、やっぱり速度は700MB/sに届いていません。
▲側面にはロゴがあしらわれています。
「F4-422」に限らず、TerraMasterのNASの筐体はアルミ製の筒状になっていて、放熱性が高くなっています。
▲HDDベイには鍵の類は付いていません。
「F2-221」から変わっていないのであればツールレス機構はなく、ネジ止めオンリーです。
まとめ
「F4-422」の価格は56,990円です。この値付けがまた絶妙な塩梅となっています。
10GbEに対応しているNASの価格を挙げると
TerraMaster F5-422(Celeron J3455、5ベイ): 69,000円
QNAP TS-453D(Celeron J4125): 66,880円(10GbEカード別)
QNAP TS-431KX(AL-314): 60,875円
ASUSTOR AS4004T(ARM SoC): 45,550円
QNAP TS-253D(Celeron J4125、2ベイ): 54,330円(10GbEカード別)
QNAP TS-251D(Celeron J4005、2ベイ): 36,531円(10GbEカード別)
ASUSTOR AS4004T(ARM SoC、2ベイ): 33,440円
こんな感じになります。
ARM系SoCより自由度や性能は高いけど、最新Celeronほどではないということで、ちょうど空いている5万円台に、きれいに収まっています。
というか、5ベイか4ベイかの違いしかない「F5-422」と1.2万円も違うのが何とも言えないですね。
「F2-221」レビュー時点ではアプリは最低限のラインナップでしたが、そもそも強力とは言い切れないCPUですし、「TS-251D」での10GbE接続検証結果を見るに、10GbEを使うとCPUは結構かつかつになると予想されます。
ファイルストレージメインで、アプリを1つ2つ(Dockerがあるのでたいていのアプリは揃います)動かす用途を想定しているのであれば、選択肢の一つにしてもいいNASではないでしょうか。
関連リンク
F4-422 10GbE対応4ベイ プロフェッショナルNAS:TerraMaster
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