2020年8月20日、PCメーカーのZOTAC(本社:香港)は、Core i7-10750HとQuadro RTX 3000(GDDR6 6GB)を搭載したコンパクトベアボーン「ZBOX QCM7T3000」を発表いたしました。
スペック
■ZBOX QCM7T3000 | |
CPU | Core i7-10750H |
---|---|
GPU | Quadro RTX 3000 |
メモリ | SO-DIMM DDR4-2933/2666×2 |
ストレージ | 2.5″×1、M.2 NVMe×1 |
画面 | HDMI(2.0)×2 DisplayPort(1.4)×2 |
USB | 3.0(Type-C)×1、3.0×5 |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
電源 | 330W |
サイズ | 210×203×62.2mm |
特徴
ZOTAC ZBOXシリーズはサイズとスペックに合わせてC,B,P,M,E,Qの6シリーズとPROシリーズがあります。
今回紹介する「ZBOX QCM7T3000」はQuadro搭載のQシリーズに属しており、Qシリーズ初の第10世代Core CPU搭載機となります。
なお、GeForce搭載のEシリーズではまだ第10世代Core CPU搭載機は出ておらず、MシリーズではNUCサイズ(127.8mm x 126.4mm x 50.8mm)の「MI622/MI642/MI662」および薄型(149.5mm x 149.5mm x 28.5mm)の「edge MI623/MI643」がComet Lakeを搭載しています。
ファンレスのCシリーズでも大型ヒートシンクの「CI622/CI642/CI662」、コンパクトファンレス機の「CI341」がComet Lakeを搭載しています。
※第8世代Core CPU機の記事ですが、筐体は同じものとなっています
Pシリーズはカードタイプの超小型機なので搭載できず、BシリーズはエントリークラスのCeleron機なので、第10世代への入れ替えで残すはEシリーズとQシリーズだったところに登場したのが「ZBOX QCM7T3000」というわけです。
おそらく今後はEシリーズにも第10世代Core CPU搭載機が登場することでしょう。
「ZBOX QCM7T3000」の話に戻ると、CPUにCore i7-10750H、GPUにQuadro RTX 3000(GDDR6 6GB)を搭載しています。
…Ryzen 4000Hシリーズが優秀すぎてスコアが低く見えますが、Intel系は世代を経るごとにこつこつと10~15%ずつ性能アップを続けています。
唐突にスコアが2倍になるRyzenの方がおかしいだけです。
GPUについては、クリエイター向けのQuadro RTXを搭載しています。
GeForceがゲーミング特化(DirectX最適化)なのに対し、Quadroは3D CADなどクリエイター向けに特化(OpenGL最適化)したGPUです。
Quadro | GeForce | |
主な用途 | クリエイター | ゲーム |
API最適化 | OpenGL | DirectX |
発色 | RGB各色10bit 10億6433万色 | RGB各色8bit 1677万色 |
発色数に差があるので、DTP(DeskTop Publishing、出版物・印刷物の作成)などの色にこだわる分野では圧倒的にQuadroなのだとか。
Quadro RTX 3000は、Quadro RTXシリーズの中では最下位のモデルで、性能面でみると5.4TFlopsとなっています。
GeForce GTX 1660 Ti(mobile)が4.884 TFLOPS、GeForce RTX 2060(mobile)が4.608 TFLOPSなので、これらより少し上くらいですね。
VR Readyなので、ゲーミング用としてみてもそれなりに使えるようです。
ベアボーンなのでメモリは搭載していません。
搭載可能メモリはSO-DIMM DDR4-2933/2666×2、最大64GBとなっています。
ストレージは2.5インチとM.2 NVMe(Optane Memory対応)が各ひとつづつとなっています。
ちょっと面白いのがネットワークで、有線・無線ともにKiller製品が使われています。
有線がチップ内蔵の1GbEに加えて2.5GbE対応のKiller E3000、無線が802.11ax(Wi-fi 6)対応のKiller AX1650です。
Killer製品はゲーミング向けというイメージが強いですが、大容量データのやり取りが想定されるクリエイター向けであれば、高速な2.5GbE+Wi-fi 6の組み合わせを管理しやすい同一メーカーで揃えるというのは理にかなっているのではないでしょうか。
筐体
▲筐体サイズは225×203×62.2mmです。容量換算だと2.65Lとなります。
狭額ベゼルな14インチノートで底面が330×220mmくらいなので、だいたいその2/3くらいの面積になりますね。
NUCほどに小さいとは言えませんが、デスクトップ機から比べるとかなり小さいです。
▲インターフェースです。
映像出力が4つ並んでいるのが目につきます。
HDMI(2.0)、DisplayPort(1.4)ともに4K@60Hzの出力に対応しているので、クアッド4Kが可能です。
Wi-fiは二つのアンテナのどちらも外出しになっています。
▲内部図です。
CPUに一つ、GPUに二つのトリプルファンとなっているため、騒音はそれなりにありそうです。
裏側の画像はありませんが、2.5インチストレージらしきものがくっついています。
メモリとM.2 SSDスロットも裏側でしょう。
▲パッケージです。
ACアダプタは330W出力なので、相応の大きさがあります。
まとめ
がじぇっとりっぷでは久しぶりのZOTAC製品です。
個人的にZOTACというと、他の追随を許さないカードサイズPC(「PI335」とか)の印象が強いのですが、GPU搭載機も数多く出しています(が、国内販売されるモデルが少ない…)。
「ZBOX QCM7T3000」は発表されたばかりで海外での販売情報もなく、価格も発売日も不明です。
国内だと発売されたりされなかったり、忘れたころに登場したりと安定しないので、何とも言えません。
一応オンラインストアもあるのですが、ラインナップは少ないです。
ZOTACはグラフィックボード以外の国内販路が弱いのが悩みですね。
関連リンク
ZBOX QCM7T3000 (Barebone):ZOTAC
リリースノート:ZOTAC
オンラインストア:ZOTAC Direct
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