2021年3月23日、LenovoはIntel第11世代Core CPU(コードネーム:TigerLake)を搭載した、薄型軽量ハイパフォーマンスノートPC「ThinkPad T14s Gen2」を発表いたしました。
同日には姉妹機となる「ThinkPad T14/T15 Gen2」も発表しており、そちらは別記事にまとめています。
スペック
■ThinkPad T14s Gen2 | |
CPU | Core i7-1185G7 Core i7-1165G7 Core i5-1145G7 Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリ | 8~32GB LPDDR4-4266 |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ IPS FHD/UHD |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 USB 3.0×2 HDMI 有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
サイズ | 327.5×224×16.1mm |
重さ | 1.28kg |
特徴
「ThinkPad T14s Gen2」は、言ってしまえば「ThinkPad T14 Gen2」の薄型軽量モデルです。
スペックもかなり似通っていますが、薄型化のためにあれこれ削られている部分もあります。
ざっくりと比較したのが下の表(オプション項目含む)になります。
T14s Gen2 | T14 Gen2 | |
---|---|---|
CPU | 第11世代 TigerLake | |
GPU | Intel Xe | GeForce MX450 Intel Xe |
メモリ | 最大32GB LPDDR4x-4266 オンボードのみ | 最大48GB DDR4-3200 オンボード+1スロット |
ストレージ | 256GB~2TB | 128GB~2TB |
カメラ | 1080p+IR 720p+IR 720p | 720p+IR 720p |
インターフェース | USB4(Thunderbolt 4)×2 USB3.2 Gen1×2 HDMI 有線LAN オーディオジャック ドッキングコネクタ | |
カードリーダー | スマートカード | microSD スマートカード |
WWAN | 4G LTE / 5G | 4G LTE |
バッテリー | 57WHr (4セル) | 50WHr (3セル) |
サイズ | 327.5×224×16.1mm | 329×227×17.9mm |
重量 | 1.28kg~ | 1.47kg~ |
CPUはvPro対応モデル選択可能
「ThinkPad T14s Gen2」のCPUは、標準ではCore i7-1165G7、Core i5-1135G7です。
カスタマイズ画面でvPro対応のCore i7-1185G7、Core i5-1145G7に変更することができます。
この辺りは「T14/T15 Gen2」と同じですね。
メモリはオンボードのみ
ここが一番大きな違いなのですが、オンボード+1スロットだった「T14/T15 Gen2」と違い、「ThinkPad T14s Gen2」はオンボードのみで、後からの増設ができません。
その代わり、メモリ規格は「T14/T15 Gen2」より高速なLPDDR4x-4266となり、最大メモリは32GBまでカスタマイズができます。
基本的に16GBあればだいたいの作業で困ることはないですし、32GBあればメモリを食う作業にも対応できるでしょう。
GPUは内蔵グラフィックのみ
もう一つの大きな違いとして、「ThinkPad T14s Gen2」にはdGPUのGeForce MX450を搭載することができません。
グラフィック能力を必要とする作業が想定されるのであれば、素直にGeForce MX450搭載可能な「T14/T15 Gen2」もしくは「E14/E15 Gen2」を選択するべきでしょう。
もしくは本格的なGPUを搭載したLegionシリーズなどのゲーミングノートを使うか、Thunderbolt4端子を活かして、外付けのGPU Boxを使うなどですね。
ゲーミングノートは10万円前後からあるので価格帯としてはあまり変わりませんが、安価なゲーミングノートはインターフェース周りがやや貧弱なので、この辺りはトレードオフの関係となります。
ディスプレイはFHD/UHD
「ThinkPad T14s Gen2」のディスプレイは標準がFHDで、UHD(4K)を選択することができます。
不思議なことにカスタマイズの選択肢が「T14 Gen2」と微妙に異なっており、一番下のランクは250nitと少し暗いパネルになっています。
一つ上の300nitパネルとは価格差が1,100円(クーポン割引が入ると数百円)なので、カスタマイズしておいた方が無難でしょう。
■参考:T14 Gen2の場合
14.0型FHD液晶 (1920×1080) IPS、300nit、マルチタッチ非対応
14.0型FHD液晶 (1920×1080) IPS、300nit、マルチタッチパネル(10点)
14.0型FHD液晶 (1920×1080) IPS、400nit、マルチタッチ非対応、省電力
14.0型FHD液晶 (1920×1080) IPS、500nit、マルチタッチパネル(10点)、Think Privacy Guard
14.0型UHD液晶 (3840×2160) IPS、500nit、マルチタッチ非対応、HDR
Wi-fiは最新規格
Wi-fiは前モデルで拡張版802.11ax(Wi-fi 6E)に対応したIntel AX210が搭載されます。
もうすぐ登場するUbuntu 21.04および、夏ごろ登場予定のUbuntu 20.04.3(LTS版のアップデートバージョン)はカーネル5.11なので、そのままで使えるはずですが、ドライバのインストールは必要になるかもしれません。
その他
「ThinkPad T14s Gen2」は「T14/T15 Gen2」と同じく、オプションでNFCおよびスマートカードリーダーを搭載することができます。
この2つを搭載できる機種は限られていて、地味な差別化要因となっています。
バッテリーは4セルの57WHrと大容量で、駆動時間は最大約23.6時間、1時間で80%の急速充電(65Wアダプタ使用時)が可能です。
WEBカメラはお決まりの720pの他に1080pを選択することができます。1080pカメラは「T14/T15 Gen2」にはない、「ThinkPad T14s Gen2」のアドバンテージです。
WWANは4G LTE(Quectel EM120R-GL 4G LTE CAT12)の他に、上位モデルでは5Gモデム(Qualcomm Snapdragon X55 5G Modem-RF System)を選択することもできます。
「T14 Gen2」は4G LTEのとなっている(けど今のところカスタマイズ不可)ので、5Gが欲しければ「ThinkPad T14s Gen2」を選択する必要があります。
なお、4G LTEのカスタマイズ費用が0円になっていますが、ベース価格がアップして実質1万円程度かかるので注意が必要です。
また、PCの前に戻るとスリープから復帰するHPD(Human Presence Detection)機能にも対応しています。
筐体
正面から見ると左右のベゼルはやや太いかなくらいです。
「T14 Gen2」より本体幅が1.5mm狭いので、ベゼルは「T14 Gen2」比で1割くらい細くなっています。
1. USB 4(Thunderbolt4 対応)
2. USB 4(Thunderbolt4 対応)
3. イーサネット拡張コネクタ
※ドッキングコネクター(1、2、3とあわせて使用)
4. HDMI
5. USB 3.2 Gen 1
6. マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
7. スマートカードリーダースロット(オプション)
8. USB 3.2 Gen 1
9. セキュリティキーホール
インターフェースはmicroSDカードスロットが削られ、そのほかは「T14 Gen2」と変わりありません。
厚みが1.8mm薄くなり、かなりシュッとした見た目になっています。
参考までに「T14 Gen2」のインターフェース。
数字以上に厚さに差があるように感じられます。
本体の表と裏。
GeForce MX450を搭載しない分冷却機構が簡素化され、吸気口が最低限となっています。
スピーカーはキーボード上部に設置されています。
まとめ
「ThinkPad T14s Gen2」は薄型軽量のモバイル向きなノートで、価格は134,178円からとなっています。
「T14 Gen2」が105,138円からであることを考えると、少々割高ですね。
ただし、モバイル用途・テレワーク用途であれば比較的安価にWWANを搭載できて、カメラも1080p可能、バッテリーも大容量な「ThinkPad T14s Gen2」の方が向いています。
「T14/T15 Gen2」は大半の用途にマッチする万能機種ですが、メインの用途によっては代わりに「ThinkPad T14s Gen2」を購入候補に入れてもいいかもしれません。
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