2021年5月11日、LenovoはCPU(APU)にRyzen 5000Hを搭載し、オプションでGeForce GTX 1650を搭載できる16.0インチノート「IdeaPad Slim 560 Pro(16)」を発売いたしました。
スペック
■IdeaPad 560 Pro(16) | |
CPU | Ryzen 7 5800H Ryzen 5 5600H |
---|---|
GPU | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 8~16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
画面 | 16.0インチ IPS WQXGA |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 USB Type-C(2.0)×1(dGPUなしのみ) USB 3.0×2 HDMI SDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 356×251×18.4mm |
重さ | 1.89kg |
特徴
IdeaPadシリーズでGeForce GTXを搭載したものは「IdeaPad S540 Gaming」がありました。
「IdeaPad S540 Gaming」は発売が2019年6月とやや古く、”次”はいつかなぁと思っていたところに登場したのが「IdeaPad Slim 560 Pro(16)」です。CES 2021で発表された「IdeaPad 5 Pro(16)」がこの機種に当たりますが、発表当初とは仕様が少し異なっています。
なお、CES 2021では14インチと16インチが発表されており、14インチバージョンに当たるのがIntel系の「IdeaPad Slim 560i Pro」です。
発表モデルがすべて発売されるわけではないので(特に日本向けは絞られる傾向があるので)、AMD系14インチの「IdeaPad Slim 560 Pro(14)」やIntel系16インチの「IdeaPad Slim 560i Pro(16)」が国内発売されるのかは不明です。
CPU(APU)はRyzen 5000Hシリーズ
「IdeaPad Slim 560 Pro」のAPU(AMDにおけるグラフィック内蔵CPUの呼び名)はZen3アーキテクチャでハイパフォーマンスなRyzen 5000Hシリーズです。
登場したばかりのTigerLake-Hシリーズのスコアがありませんが、Ryzen 7 5800HはPassMarkスコアが20,000を超えており、現時点で最強と名高いRyzen 9 5900HXに数%の差まで詰め寄っています。
同じAMD製で同じ8コア16スレッドなRyzen 7 5700Uには4割以上の差が付いています。対IntelだとCore i7-1165G7にほぼダブルスコアです。
これだけ差が大きいと、CPU性能に依存する作業はかなり効率が変わるでしょう。
GPU搭載可能
前述した通り、「IdeaPad Slim 560 Pro(16)」は内蔵グラフィックの他にGeForce GTXを搭載可能です。
搭載できるのはGeForce GTX 1650のみで、専用メモリは4GB DDR6です。特に記載はありませんが、Max-Qモデルと思われます。
Ryzen 5000Hシリーズの公開データはまだありませんが、仕様からしてRyzen 5 5600HでRyzen 7 4700Uと同等程度になるでしょう。
最近のCPU内蔵グラフィックは性能向上が著しいですが、それでもdGPUの領域にはまだ届きません。
とはいえせっかくの新モデルなのだから、VR Readyの基準を満たすGeForce GTX 1660Tiモデルもあってよかったんじゃないかなぁと。
メモリとストレージ
「IdeaPad Slim 560 Pro(16)」のメモリは8GBまたは16GBのDDR4-3200でオンボードのみ、スペック表ではメモリスロットなしとなっています。
ストレージは全モデルを通して512GBです。
その他
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応です。Wi-fi 6チップは品薄なようなので、「IdeaPad Slim 560 Pro」も部材不足で早々に在庫なしとなる可能性があります。
バッテリーは4セルで、駆動時間はdGPUなしで最大14時間、dGPUありで最大11時間となっています。
もとがTDPの高いハイパフォーマンスCPU(APU)なので、駆動時間がやや短めなのは仕方のないところですね。
電源アダプタはdGPUなしが95W、dGPUありが135Wと、こちらも高出力のものが付属します。
急速充電対応とは書かれていますが、満充電まで2時間、以上の情報はありません。
筐体
▲外観はいたって普通の(ちょっと大きめの)IdeaPadという感じです。
これだけ見ても中身がゲーミングノートに匹敵するスペックとは思わないでしょう。
吸気量を確保するため、後ろ側のゴム足がちょっとだけ高くなっています。
▲フロントです。
筐体サイズそのものはCES 2021発表時と同じなので、発表資料を基にすると左右ベゼルは3.2mm、上部が7.25mm、画面占有率は91%となります。
ディスプレイはアスペクト比16:10な16.0インチWQXGA(2560×1600)、輝度は350nits、色域は100% sRGBです。
このサイズ・解像度のパネルはそう種類もないと思うので、ここもCES 2021での発表時のままと思われます。
16インチWQXGAはDPIでいえば189dpi、これは「IdeaPad Slim 560i Pro」の14インチ2.2K(2240×1400)と同じDPIです。つまり、DPIありきな画面サイズと解像度なわけですね。
13.3インチFHD(166dpi)よりちょっと細かいくらいに考えればいいでしょう。
1. 4-in-1メディアカードリーダー
2. USB3.0
3. dGPUなし:USB2.0 Type-C
dGPUあり:スクエア電源ポート
4. HDMI
5. USB3.1 Type-C
6. オーディオジャック
インターフェースはdGPUなしモデルとdGPUありモデルで微妙に異なっていて、具体的にはUSB2.0 Type-Cポート(USB PD対応)かLenovo独自のスクエアポートかが違っています。
ちなみに⑤のType-CポートはどちらのモデルもUSB PDおよびDisplayPort出力に対応しています。
▲キーボードです。
キーボードは新設計と思われます。Legionシリーズのキーボードに似ていますが、矢印キーの高さが違っているんですよね。
矢印キーが一段下がったので、使い勝手は結構変わると思います。
上部のメッシュはスピーカーではなく、謎です。
あと、キーボードバックライトは標準搭載されています。
▲底面は吸気口が広めにとられています。
下部の左右にスピーカーがあり、出力は2W×2です。
ラインナップ
記事執筆時点のモデルと価格は以下のようになっています。
CPU | メモリ | dGPU | Office | 価格 |
---|---|---|---|---|
Ryzen 5 5600H | 8GB | なし | × | 96,844円 |
○ | 116,369円 | |||
GTX 1650 | × | 117,436円 | ||
○ | 138,138円 | |||
Ryzen 7 5800H | 16GB | なし | × | 100,936円 |
○ | 121,792円 | |||
GTX 1650 | × | 122,265円 | ||
○ | 142,296円 |
まとめ
IdeaPadなのにHシリーズAPUを載せてきたり、dGPUを積んだりゲームがしやすそうな16インチだったりとなかなかぶっ飛んでいる「IdeaPad Slim 560 Pro(16)」ですが、ラインナップに記載の通り、かろうじて10万円切りスタートで販売されています。
内容が内容だけに、dGPU(GeForcce GTX 1650)を付けたくなると思うので、実質は11万円台の扱いでしょう。とはいえそこまで出すのなら素直に12万円出してRyzen 7+dGPUにするでしょうが。
少々筐体が大柄にはなってしまいますが、それに見合うだけの”Pro”仕様が詰め込まれていますし、職場でゲーミングノートはなぁ…といった層には刺さると思います。
欲を言えば上位のdGPUを搭載したモデルやメモリ32GBのモデル、あるいはRyzen 5+16GBメモリなどラインナップして欲しかったところです。
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