2021年6月8日、LenovoはRyzen 5000シリーズを搭載した14インチノート「ThinkPad E14 Gen3(AMD)」および15.6インチノート「ThinkPad E15 Gen3(AMD)」を発売いたしました。
旧世代と同様に”価格コム限定モデル“が用意されており、カスタマイズ次第ではRyzen 3 5300U機で6.1万円、Ryzen 5 5500U機で6.3万円が可能です。
ThinkPad E14 Gen3(AMD)
CPU | Ryzen 7 5700U Ryzen 5 5500U Ryzen 3 5300U |
---|---|
メモリ | 8~16GB DDR4-3200 8GBオンボード+1スロット |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ TN/IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 USB 3.0×1 USB 2.0×1 HDMI 1GbE有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
サイズ | 324×220×17.9mm |
重さ | 1.64kg |
ThinkPad E15 Gen3(AMD)
CPU | Ryzen 7 5700U Ryzen 5 5500U Ryzen 3 5300U |
---|---|
メモリ | 8~16GB DDR4-3200 8GBオンボード+1スロット |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 15.6インチ TN/IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 USB 3.0×1 USB 2.0×1 HDMI 1GbE有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
サイズ | 365×240×18.9mm |
重さ | 1.7kg |
特徴
「E14/E15 Gen3(AMD)」はRyzen 4000シリーズ搭載だった「E14/E15 Gen2(AMD)」からCPU(AMDの呼び方だとAPU)をRyzen 5000シリーズに変更した機種となります。
1年ぶりの更新なので、Lenovoが2021年に入ったくらいから始めたメモリ4GBやHD(1366×768)解像度の排除の流れを受けて、最低でもメモリ8GB、FHD解像度となっています。
CPUはZen2版Ryzen 5000
CPUにはZen2版Ryzen 5000シリーズのRyzen 7 5700U、Ryzen 5 5500U、そしてRyzen 3 5300Uが搭載されます。
グラフィックについては3DMark公式のデータがまだないので、複数のブログから収集した概算値となっています。
Ryzen 7 4700UとRyzen 5 5500Uが同じRadeon Vega 7となりますが、動作周波数が向上した分、Ryzen 5 5500Uの方が少しスコアが高くなります。
Ryzen 3 5300Uのデータは探しても見つかりませんでしたが、スペックを考えるとRyzen 5 4500U相当(同じVega 6なので)のスコアを出すと思われます。
メモリは8GBオンボード+1スロット
「Gen2」ではメモリはオンボードが4GBまたは8GBでしたが、「Gen3」ではオンボード部は8GBに統一されました(その分カスタマイズでの値下げ幅が小さくなっていますが)。
オンボード以外に1スロットあり、最大合計24GB(多分実際は48GBまでいける)まで対応しています。メモリ規格はDDR4-3200までの対応です。
Ryzenシリーズのグラフィック性能はメモリのシングルチャネル/デュアルチャネルに大きく影響されるため、8GB増設して16GBで使うのが望ましいです(自力での増設も可)。
ちなみに「Gen2」のIntelモデルにはオンボードメモリがなく1スロットのみなのでデュアルチャネルができず、グラフィックスコアが低くなるという弱点があったりします。
ストレージは256GBまたは512GBのM.2 2242 SSDです。
内部的にはM.2 2280スロットがあり、デュアルストレージが可能です。
その他
Wi-fiはちょっと変わっていて、「E14 Gen3」の標準が802.11ac(Wi-fi 5)、「E15 Gen3」の標準が802.11ax(Wi-fi 6)となっています。
あくまで標準なだけで、カスタマイズで変更できます(ax→acは金だけかかって意味がありませんが)。
バッテリーは3セル45WHrで変更なし。CPUの変更によって最大稼働時間が14.8時間から17.7時間と、3時間近く伸びています。ただ、「E15 Gen3」は14.8時間から14.2時間に減っているんですよね…
ディスプレイは選択肢が増えました。
「Gen2」ではTN・HDかIPS・FHDかの選択肢がなかったものがすべてFHDとなり、かつ4種類に増えています。
・IPS、300nit、100% sRGB
・IPS、300nit、45%NTSC
・IPS、250nit、45%NTSC
・TN、250nit、45%NTSC
TN→IPSで+2,200円なので、ここは積極的に変更しておきたい部分です。
筐体
筐体については「Gen2」からは変更がないように見えます。少なくともサイズは同じです。
フロントです。
「Gen2」と同じとすると左右のベゼル幅は5.7mmですね。
1.USB Type-C 3.2 Gen1
2.USB Type-A 3.2 Gen1
3.HDMI
4.オーディオジャック
5.USB2.0
6.イーサネットコネクター(RJ45)
7.セキュリティロックスロット
インターフェースは「E14/E15」ともに同じ構成で、やや貧弱なのが弱点です。
USB 3.2 Gen2もなく、USB2.0がいまだに残っています。
とはいえマウスを置く右側にはマウス用のUSB2.0と使用頻度の少ないLANポートだけで、利便性を確保しています。
底面は「E14」と「E15」で排気口の開け方が少し違っています。
差としてはその程度で、インターフェースの構成も並びも同じですし、画面サイズ以外に違いはないと言ってしまってもいいでしょう。
まとめ
「ThinkPad E14/E15 Gen3(AMD)」には価格.com限定モデルが用意されており、普通に買うよりもお得になっています。
ただしRyzen 7 5700Uもでるだけはカスタマイズで値下げできる項目が少なく、最低構成価格は通常モデルの方が安くなります。
さらに言うと「E14」は802.11ac、「E15」は802.11axなので、パフォーマンスモデルはWi-fiの分「E15」の方が割安となっています。
CPU | 価格 | 最安構成 | |
---|---|---|---|
E14 Gen3(AMD) | |||
スタンダード | Ryzen 3 5300U | 67,650円 | 61,050円 |
パフォーマンス | Ryzen 5 5500U | 72,930円 | 63,030円 |
プレミアム | Ryzen 7 5700U | 106,700円 | 100,100円 |
プレミアム(通常) | 102,025円 | 87,450円 | |
E15 Gen3(AMD) | |||
スタンダード | Ryzen 3 5300U | 64,900円 | 64,900円 |
パフォーマンス | Ryzen 5 5500U | 72,930円 | 63,030円 |
プレミアム | Ryzen 7 5700U | 104,500円 | 101,200円 |
プレミアム(通常) | 100,859円 | 84,535円 |
Lenovo製品で見るとRyzen 5000シリーズ最安は「IdeaPad Slim 550(15)」ですが、「ThinkPad E14/E15 Gen3(AMD)」はそれに次ぐくらいの価格帯で、格安とまでは言い切れませんが割安とは言っていいでしょう。
メモリ増設(「IdeaPad Slim 550(15)」はオンボードのみ)やThinkPad品質などの付加価値を考えると、コストパフォーマンスは十分に高いですね。
コメント