2021年4月13日、DELLはRyzen 5000シリーズを搭載した14インチノート「Inspiron 14 5415」および2-in-1スタイルの「Inspiron 14 7415 2-in-1」を発売いたしました。
2021年6月8日には「Inspiron 14 5415」の値下げを行っており、6コア12スレッドながら6.5万円台スタートと、価格面でもLenovoに迫る勢いの、コスパに優れた一台です(Lenovo「IdeaPad Slim 550 14」は62,700円からなので少し負けています)。
2021年6月11日修正:LenovoのRyzen 5 5500U最安は「IdeaPad Slim 550(15)」の60,984円(ただし在庫切れ)でした。
2022年2月17日追記:後継機の「Inspiron 14 5425/7425 2-in-1」が発売されました。
スペック
■Inspiron 14 5415 | |
CPU | Ryzen 7 5700U Ryzen 5 5500U |
---|---|
メモリ | 8GB DDR4-3200 |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 USB 3.0×2 HDMI microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
サイズ | 321.27×212.8×17.99mm |
重さ | 1.442kg |
■Inspiron 14 7415 2-in-1 | |
CPU | Ryzen 7 5700U Ryzen 5 5500U |
---|---|
メモリ | 8~16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ IPS FHD |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 USB 3.0×2 HDMI microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT5.0 |
サイズ | 321.5×211.35×18.3mm |
重さ | 1.56kg |
特徴
「Inspiron 14 5415」は2020年夏モデルである「Inspiron 14 5405」の後継となります。2-in-1スタイルの「Inspiron 14 7415」は旧世代を調べても出てこなかったので、多分初めての機種です。
CPUはRyzern 5000シリーズ
「Inspiron 14 5415/7415」のCPU(APU)は、Ryzen 5000シリーズのうち、Zen2アーキテクチャなRyzen 7 5700UまたはRyzen 5 5500Uです。
Ryzen 4000シリーズの差はざっくり言うとハイパースレッディング(AMDでいうSMT)に対応しているかどうかなのですが、グラフィック性能もGPUコア数が一つ増えた分、向上しています。
グラフィックについては3DMark公式のデータがまだないので、複数のブログから収集した概算値となっています。
Ryzen 7 4700UとRyzen 5 5500Uが同じRadeon Vega 6となりますが、動作周波数が向上した分、Ryzen 5 5500Uの方が少しスコアが高くなります。
CPUスコアも合わせると、Ryzen 5 5500UがほぼRyzen 7 4700U相当の性能とみていいでしょう。
なお、最近ようやく国内発売モデルが出たZen3版Ryzen 5000Uシリーズは、CPU性能はさらに向上するものの、グラフィックは変わらずVegaアーキテクチャなので大きな進展はありません。
よほどのCPU性能が必要でない限り、Zen2版Ryzen 5000でもほとんどの利用シーンを賄えるでしょう。
メモリとストレージ
メモリは「Inspiron 14 5415/7415」のどちらもDDR4-3200の2スロットで、標準では「5415」は全モデル8GB(8GB×1)で最大32GB、「7415 2-in-1」は8GB(4GB×2)または16GB(8GB×2)で最大16GBとされています。
まぁ実際はどちらも64GB(32GB×2)を認識するとは思うのですが…
中を見るとこんな感じで2スロットとなっています。
ストレージは256GBまたは512GBで、おそらくM.2 2230仕様のものが搭載されています。
ストレージスペースはM.2 2280に対応しているので、市販品への換装は可能ですが、デュアルストレージはできません。
代わりに「IdeaPad Slim 550 14」ではデュアルストレージができるのですが、やはりメモリ増設の可・不可は大きいでしょう。
その他
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)対応のIntel AX200が搭載されます。
「Inspiron 14 5415/7415」のバッテリーは4セル54WHrで、満充電まで4時間ですが、60分で最大80%の急速充電にも対応しています。
最近のノートらしく、カバーオープンセンサーが内蔵されていて、カバーを開くだけで起動するようになっています。
筐体
フロントは上下もベゼルが細めになっています。
ディスプレイは14インチIPSで解像度はFHDです。
輝度250nit、NTSC比45%、コントラスト比500:1とスペック上は低位のパネルですが、おそらく同じパネルであろう「Inspiron 14 5402」をレビューした限りでは、非常に見やすく、目への負担も少なく、スペック以上に品質のいいパネルに感じられました。
「7415 2-in-1」は輝度が212nitと低くなりますが、タッチ対応のグレアパネルとなるのでコントラストは確保されているものと思われます。
また、「7415 2-in-1」は別売のアクティブペンにも対応しています。プロトコルはMPP(Microsoft Pen Protocol)で、Wacom AESには非対応です。
・USB 3.2 Gen1 Type-A
・オーディオジャック
・HDMI 1.4b
・USB 3.2 Gen1 Type-A
・USB 3.2 Gen1 Type-C(DP/PowerDelivery対応)
インターフェースは「Inspiron 14 5405」から変わっていません。
「7415 2-in-1」もほぼ同じですが電源ジャックがなく、USB PD給電のみとなります。
DELLはクラムシェルタイプではリフトヒンジを採用しており、ディスプレイの端が接地します。
「5405」では全体がプラスチック(硬質ゴム?)製だったのが、「5415」では2点のゴム足に変更されています。「7415 2-in-1」はリフトヒンジではありません。
「5405」から大きく変更されたのが、キーボードです。
幅が広がってキーピッチが19.05mmとなっています。一方でPgUP、PgDnキーが無くなったのはもったいないなぁと。
また、キーボード面のカラーがタイタングレーとなり、視認性が高まっています。
こちらが「5405」のキーボードです。
キーボード面までプラチナシルバーなので、印字のコントラストが低いんですよね。
なお、「7415 2-in-1」は電源ボタンに指紋リーダーが組み込まれていますが、「5415」には指紋リーダーの記載がありません。
「5415」は2色展開で、プラチナシルバーの他にピーチダストが用意されています(即納モデルを除く)。
「7415」は一色ですが、ペブルグリーンという今までにないカラーです。
まとめ
Ryzen 4000シリーズ搭載かつ安価なことで結構人気の高かった「Inspiron 5405」の後継機となる「Inspiron 5415」は、税込・送料込で65,336円から(20%オフセール時)となっています。
■Inspiron 14 5415
Ryzen 5 5500U/8GB RAM/256GB SSD:税込65,336円~
Ryzen 7 5700U/8GB RAM/512GB SSD:税込81,336円~
■Inspiron 14 7415 2-in-1
Ryzen 5 5500U/8GB RAM/256GB SSD:税込82,384円~
Ryzen 7 5700U/16GB RAM/512GB SSD:税込99,623円~
DELLはちょいちょい値下げをしてきて、旧世代の「Inspiron 5405」では税込52,782円(20%オフセール時)まで下がりましたが、それも発売から半年以上経って、1万円もの値引きをされての話です。
発売からまだ2か月、それも世界的な半導体不足(=部材調達費の高騰)の中で3,300円の値下げはDELLとしても頑張っていると思います。
価格面では「5405」より上がったわけですが、性能面では前述したようにRyzen 5 5500UでもRyzen 7 4700U相当のスコアが出るので、Ryzen 7 4700Uモデル(税込74,782円)と比べれば十分に安く、コスパとしてはむしろ向上していると言えるでしょう。
もう少し待っていればZen3版が発売されるかもしれませんが、おそらく価格面では上がると思いますし、今買えるノートとしてはIntel CPUの「Inspiron 14 5410」と合わせておすすめできる一台です。
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