2021年6月10日、組み込みシステムやネットワーク向けシステムを手掛けるSolidRunは、Marvell OCTEON TX2 CN9130を搭載したSOM「CN9130 SOM」および「CN9130 SOM」を搭載したシステム「ClearFog Base CN9130」、「ClearFog Pro CN9130」を発売いたしました。
スペック
モデル名 | CN9130 SOM |
---|---|
メーカー | SolidRun |
発売日 | 2021/06 |
価格 | |
価格(日本円) | |
CPU | Marvell OCTEON CN9130 4 x Cortex A72 2.2GHz Commercial 2.0GHz Industrial |
GPU | – |
NPU | – |
メモリー | 1GB/4GB DDR4-2400 最大8GB |
サポートOS | Linux、Openwrt/LEDE、Yocto |
有線LAN | 1 x 10/5 GbE port 2 x 1/2.5 GbE Port または 2 x 5 GbE Port 1 x 1/2.5 GbE Port |
Wi-fi | – |
Bluetooth | – |
チップ | 88E1512 |
ストレージ | 8GB eMMC microSD |
USB | 3.0×2 2.0×2 |
GPIO | ○ |
映像 | – |
カメラ | – |
オーディオジャック | – |
その他インターフェース | PCIe 3.0×4 PCIe 3.0×1 ×2 PWM |
消費電力 | |
電源 | 5-12V |
幅 | 50mm |
奥行き | 25mm |
高さ | |
その他 |
特徴
SolidRunの製品はネットワーク系が結構面白くて、過去にもがじぇっとりっぷで取り上げたことがあります。
「CN9130 SOM」はメモリがオンボードとなりますが小型化に重点が置かれており、メインボードはわずか50×35mm、キャリアボードも小型の「ClearFog Base CN9130」は103×75mmとSBCと同等サイズとなっています。
CN9130 SOM
「CN9130 SOM」はSoC(System On Module)とメモリ、ストレージとしてeMMCが一体化したSOM(System on Module)です。位置づけとしてはARMADA A388搭載の「SOM A388」の上位モデルとなります。
メモリは1GBモデルと4GBモデルが用意されています。
モジュールはMarvell社の4コアCortex A72なインフラ向けSoC「OCTEON CN9130」を中心に、同じくMarvell社のネットワークチップ「88E1512」、表裏両面にまたがるメモリモジュールと、裏側の8GB eMMCで構成されています。キャリアボードとは3つのHirose DF40コネクタで接続されます。
なお、SoCの動作周波数は産業向けが2.2GHz、一般向けが2.0GHzとなっています。
キャリアボードとの接続内訳はこんな感じ。
SoCのブロックダイアグラムです。
ネットワーク向けなのでGPUはありませんが何気にインターフェースが豪華で、PCIeが合計6レーンもあったりします。
CN913Xは3モデルあり、CN9130は最下位に位置します。インターフェース周りが違うだけで、処理性能は同じです。
上位モデルは10GbEが3ポートあったり、PCIeが合計14レーンもあったり、なかなかに楽しそうな仕様になっています。
ClearFog Base CN9130
「ClearFog Base CN9130」は2ポートの1GbEと1ポートの10GbE(SFP+)を持ったキャリアボードです。
前述したように103×75mmとコンパクトで、手のひらにすっぽり収まるサイズです。
右上には8pin×2のmikroBUSが見えます。
底面にはminiPCIeとM.2スロット。それにmicroSDとSIMスロット、microUSBも付いています。
エンクロージャ(ケース)も用意されていて、ケース込みでも125×80×31mmで、だいたいクレカ2枚分の面積となかなかにコンパクトです。、
ClearFog Pro CN9130
「ClearFog Pro CN9130」は大型のキャリアボードで、10GbE SFP+の他に専有1ポート+スイッチングハブ経由の5ポート(6ポートあるように見えますが5ポートと書かれています)を持っています。
miniPCIeは2スロットに増え、JTAG、Analog Audio/TDM moduleが追加されています。
背面はスカスカなので、M.2 2280対応もできたんじゃなかろうか…
「ClearFog Pro CN9130」のエンクロージャはずいぶん横長に見えますね。
まとめ
「CN9130 SOM」とキャリアボードはすでに公式ショップで発売されていて、以下のような値段になっています。
・CN9130 SOM(1GB):171ドル
・CN9130 SOM(4GB):189ドル
・ClearFog Base:+55ドル
・ClearFog Pro:+82ドル
・エンクロージャ:+27~35ドル
・電源アダプタ:10ドル
オーダーすればメモリは最大8GBまで、eMMCは最大64GBまで対応するようです。
OSはLinux、OpenWRT/LEDE(2018年に統合)、Yoctoに対応しています。
価格帯は「ClearFog GT 8K」(221ドル)と同じくらいですが、メモリがオンボードになったこと(好きに増やせなくなったものの、メモリ代も込みになった)、M.2スロットが追加されたことなど、後発機として多少安価に、そしてより使いやすくなった印象です。
ルーター用途に限らず、産業ネットワーク、セキュリティ、エッジコンピューティング、M.2 SSDを使った高速ネットワークストレージなど、さまざまに使えそうな雰囲気があって実にいいですね。
あとは、フルスペックを出せるキャリアボードとか、上位のCN9132版とか出たらもっと面白いと思うのですが、需要が微妙そう…
関連リンク
リリースノート:SolidRun
ドキュメント類
ソフトウェア類
CN9130 SOMシリーズ;SolidRun Shop
OCTEON TX2 CN9130:Marvell
コメント