2021年9月9日、HPは新ゲーミングPCブランド「Victus by HP」を発表、第1弾モデルとして16.1インチゲーミングノートPC「Victus 16」(Intel/AMD)を発表しました。
しかし発表したはいいものの発売が延びに延びて、忘れかけた2022年1月下旬ころにようやく発売されました。今回の記事ではAMDモデルを取り上げます。
すでにCES 2022で新CPUが発表された後ということでタイミング的には微妙ですが、HPらしからぬ安値感が意外な製品です。
スペック
■ Victus 16 (AMD) | |
CPU | Ryzen 7 5800H Ryzen 5 5600H |
---|---|
GPU | GeForce RTX 3060 GeForce RTX 3050 GeForce GTX 1650 |
メモリ | 8~16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
画面 | 16.1インチ IPS FHD(144Hz) |
インターフェース | USB Type-C(Gen1)×1 USB 3.0×3 HDMI 1GbE 有線LAN SDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
サイズ | 370×260×23.5mm |
重さ | 2.48kg |
特徴
冒頭にも書いたように、「Victus」はHPの新ゲーミングブランドです。
HPには既存のブランドとして「OMEN」がありますが、「Victus」は「OMEN」より下位、エントリーからミドルクラス向けとなるようです。
CPUとGPU
「Victus 16 (AMD)」はモデル名の通りAMDのRyzen 5000HシリーズからRyzen 7 5800H、Ryzen 5 5600Hが搭載されます。
どちらもモバイル向けCPUとしては圧倒的な性能を誇っています。
GPUはNVIDIAのGeForce RTX 3060、GeForce RTX 3050、GeForce GTX 1650。
エントリーからミドルクラスのGPUです。
Ryzen 7 5800HはPassMrakスコアが2万オーバー、6コア12スレッドのRyzen 5 5600Hでも18000と高いスコアを誇っています。
GPUはミドル級のGeForce RTX 3060の性能は旧世代のミドルハイクラス、エントリークラスのGTX 1650でも中量級タイトルをFHD解像度で快適にプレイできます。
ちなみにGeForce RTX 3060のTDPは95Wとのこと。
メモリとストレージ
メモリは8GBまたは16GBのDDR4-3200。内部的には2スロット仕様です。
ストレージは512GB M.2 NVMe SSD。こちらも内部的には2スロットあり、片方が空いています。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6)対応です。
バッテリーは4セルの70WHr。急速充電対応とのことですが、具体的な数字は不明です。
電源はGTX 1650モデルが150W、RTX 3050/3060モデルが200W。
USB PDの上限(100W)を超えるためか、Type-C端子からの給電は非対応となっています。
というか、おそらくはコスト削減のために削られています。
外観
正面です。
左右のベゼルは細く、上部には92万画素のWebカメラがついています。
ディスプレイは16.1インチと15.6インチより一回り大きく、各種レビューでも好意的にとらえられています。
色域は狭いようですが144Hz駆動なので、ゲーマーでも納得できそうです。
「Victus 16」は公開されている画像が少なく、キーボードがしっかり映っているのはこの画像だけとなります。
画像は英語配列ですがちゃんと日本語配列が用意されていて、一部幅の狭いキーはあるものの、くっついたキーのない日本向けの金型が使われています。
ただHPって変則キーは嫌うものの、打鍵感に関しては微妙なところがあるというか、キーピッチがわずかに狭いので違和感を感じることがあるんですよね。
「Victus 16」もキーピッチは約18.7×18.4 mmとわずかに狭くなっています。
・電源端子
・1GbE 有線LAN
・HDMI 2.0/2.1
・USB 3.2 Gen1
・USB 3.2 Gen1 Type-C
・オーディオジャック
・SDカードスロット
・USB 3.2 Gen1 ×2
インターフェースは左寄りの配置。
ちゃんとマウススペース(右側)が開けられています。
HDMIはGTX 1650モデルがHDMI 2.0、RTX 3050/3060モデルがHDMI 2.1。
HDMI2.0は14.4Gbps、2.1は42.6Gbpsと最大転送速度に差があり、4K/120Hz以上の表示において対応が異なります。一般的な範囲では変わらないですね。
背面です。
Vの字のロゴがシンプルでいいですね。
ヒンジ周りは「OMEN」シリーズとは異なっていて、コンシューマ向け製品のヒンジにDELLの「Alienware」シリーズの要素を加えたような、独特の雰囲気を持っています。
まとめ
「Victus 16 (AMD)」の価格は以下の通り。
CPU | GPU | メモリ | 価格 | |
---|---|---|---|---|
モデレート | Ryzen 5 5600H | GTX 1650 | 8GB | 99,800円 |
モデレートプラス | RTX 3050 | 16GB | 115,000円 | |
アドバンス | Ryzen 7 5800H | RTX 3060 | 149,900円 |
驚いたことに、最安モデルは10万円を切っています。
HPのデザイン性抜群の見た目に、16.1インチという特殊サイズで10万円を切るって、それだけHPが力を入れているってことでしょう。
白と黒のツートンカラーはゲーミング感が薄くカジュアルに使えますし、汎用性も完成度も高くかつ安いというのは「Pavilion Aero 13-be」の時と似た衝撃があります。
財布に余裕があれば普通に欲しくなる一台ですし、他社の格安ゲーミングノートと十分に戦えますし、新ブランドの初手としては大成功だと思います。
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