2023年8月28日、SkybariumはRyzen 7 6800Uを搭載したミニPC「R7-6800U」を発売しました。
スペック

■ R7-6800U | |
CPU | Ryzen 7 6800U |
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メモリ | 16~32GB LPDDR5-6400 |
ストレージ | 512GB~1TB NVMe Gen4 SSD |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×1 USB 3.2 Gen2×4 HDMI×2 2.5GbE 有線LAN×2 オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
サイズ | 107×107×34mm |
重さ | 320g |
特徴
SkyBariumは中国・深圳に本拠を置く企業で、中国語だと「深圳市天钡科技有限公司」。2013年に北京で創業したとあります。
海外ではT-Baoのブランド名で展開していて、SkyBariumのブランド名は日本のみで使用している模様。
割と尖った仕様の製品を出すことで、一部界隈では知られるようになりました。

CPU
「R7-6800U」のCPUはRyzen 7 6800U。
Zen3+アーキテクチャとグラフィックにRDNA2を搭載したCPUです。
Ryzen 7 6800UのPassMarkスコアは約2万。リフレッシュ版のRyzen 7 7735Uとはあまり変化がありません。
Zen4なRyzen 7 7840Uになると23,600と18%程度の向上となりますが、20,000もあれば通常使用の範囲では十分でしょう。
グラフィックはGeForce GTX 1050に迫る勢いです。
メモリとストレージ
メモリは16GBまたは32GBのLPDDR5-6400。オンボードで換装不可なので、容量は慎重に考える必要があります。
迷ったら&予算が許すなら32GBを選ぶべきでしょう。逆に事務用途とか特定用途で16GBで十分賄えるという場合は16GBでも問題ないかと。
ストレージは16GBモデルは512GB、32GBモデルは1TBのM.2 Gen4 SSD。
そして「R7-6800U」の最大の特徴がこのSSD。なんと、トリプルGen4 SSD対応となっています。
少なくともがじぇっとりっぷが知る限りでは、ミニPCでトリプルM.2 SSDは初ですね。
画像を見たときに「すげぇ、でもどうせGen3だろうなぁ」と思っていたところで3×Gen4を見て「まじかぁ…」となりました。
これ、CPU的にはどうなの?と思って調べたところ、Ryzen 7 6800UはPCIe 4.0を20レーン(自由割り振りは16レーン)持っているため、トリプルGen4 SSDは理屈の上ではできるようです。
AMDの説明だと、dGPUに8レーン、SSDに4レーン×2となっていますが…何とか割り振ったんだろうなぁ。
…実はGen4 x2接続だったなんてオチがないことを祈ります。
参考 Ryzen 7 6800U:AMD
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoorhは5.2です。
有線LANはデュアル2.5GbEです。チップは226Vとあるので、Intel I226-Vのことでしょう。
ここで不安なのが、SSDが12レーンにUSB4の4レーン、Intel I226-V×2で2レーンの合計18レーンとなり、自由割り振りできる16レーンを超えちゃっているんですよね…
SSDがx4+x4+x2で、2.5GbEが各1レーンずつ、なんて割り振りなのかも。
OSはWindows 11 Proです。
サイズは、公式製品ページだと107×107×34mm。
やけに小さいですが、画像を見る限りかなり切り詰めているので、このサイズで合っているっぽいです。
外観
本体です。
上部に並んだトリプルSSDが圧巻です。
しかもよく見るとねじ側はふちがなく、かなり幅を削っています。
こうしてみると、オンボードメモリでメモリスロットがないからこそできる配置ですね。
インターフェースです。
フロントにはUSB4があり、背面にはデュアル2.5GbEとデュアルHDMI。Type-Aは4ポートともUSB3.2 Gen2のようです。
冷却は底面吸気、サイド排気。
ファンは71枚・0.15mmのブレードで構成されています。
説明のどこにも”静音”とは書かれていないあたり、何かを察したほうが良さそうです。
まとめ
「R7-6800U」の価格は記事執筆時点で69,980円に13,000円オフクーポンで56,980円(16GB+512GBモデルの場合)。
これはRyzen 7 6800U搭載ミニPCとしてみても安価な部類となります。
そこにUSB4、デュアル2.5GbE、トリプルGen4SSDと付加価値となるものがわんさか付いているわけで。
例えばデータ処理の激しいサーバー用途には非常に向いた構成と言えます。
「QNA-T310G1T」のような10GbEアダプタをUSB4ポートに接続すれば、さらなる通信の高速化も図れます。

こういうのを探していたって人にはとんでもないコスパ商品に映るでしょうし、自宅サーバー勢には注目の一台となるんじゃないかな。
なお32GB+1TBモデルは70,980円(83,980円+13,000円オフクーポン)です。割引額が同じなので、安値感は16GB+512GBモデルよりちょっとだけ薄いのですが…オンボードメモリなので大容量メモリ希望ならこちらを選ばざるを得ないという。
また、処理速度だけほしい場合はRyzen 7 7735HS搭載でメモリ換装可能(その代わりシングルM.2 SSD)な「R7-7735HS」がほぼ同額の56,900円(69,900円+13,000円オフクーポン)となっています。
関連リンク
公式製品サイト:T-bao ※中国語
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