IoT向け。 Banana Pi「BPI-P2 Pro」はPoEモジュール標準搭載で31ドル

シングルボード

2023年3月2日、Banana PiはRockchip RK3308を搭載したSBC「BPI-P2 Pro」を発表、8月9日に発売しました。
相変わらずBanana Piは発表から発売までが長いです。

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スペック

■ BPI-P2 Pro
CPURockchip RK3308
メモリ512MB LPDDR2
ストレージ8GB eMMC
インターフェースUSB Type-C(2.0)×1
USB2.0×1
100MbE 有線LAN
microSD
オーディオジャック
wi-fi802.11ac+BT5.2
サイズ65×52.5mm
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特徴

Banana Piの「BPI-P」シリーズはいまだP2であることからも分かるように、ラインナップの少ないシリーズです。
というか、「BPI-P1」は公式wikiに掲載がなく、調べてみたら、BPI-M2シリーズ向けのカメラ端子(MIPI-CSI)増設用の拡張ボードなんですよね…

↑「BPI-P1」はこんなボードです。

同じP2世代だと、2018年に「BPI-P2 Zero」というボードを発売しています。

これはZeroでいいのか…? Sinovoip「Banana Pi BPI-P2 Zero」はPoE対応LANポートとオンボードストレージ付き

SoC

「BPI-P2 Pro」のSoCはRockchip RK3308
RK3308は2018年7月に発表されたSoCで、4コアで最大1.3GHz駆動の「Cortex-A35」と256KBのL2キャッシュを搭載しています。

RK3308搭載SBCは、2019年には「Rock Pi S」や「NanoPi NEO2 Black」が発売されています。逆に言うと、2023年に新製品が出てくるとは思わなかったっていうSoCでもあります。

安価だけど好性能。 Radxa「Rock Pi S」は38mm角で9.9ドルからの超小型SBC
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「Cortex-A35」は2015年11月に発表されたローエンド向けの64-bit CPUコアで、ウェアラブルデバイスにも対応するアーキテクチャです。位置づけとしては「Cortex-A7」の後継となります。
性能的には「Cortex-A7」比で6〜40%アップ、消費電力は10%減となっています。

同じ64bitでミドルクラスの「Cortex-A53」比では性能は80~100%、消費電力は32%低く、電力効率は25%高いとされています。

RK3308のブロックダイアログです。
USBは2.0が2ポートとなっており、USB3.0には対応していません。LANも100MbEまでです。

ローエンド製品ながら性能もそこまで悪いわけではなく、ウェアラブルデバイスにも搭載可能(オプションを全部削って100MHz駆動にすれば消費電力は6mWになるとか)なスケーラビリティも併せ持っているのですが、RK3308搭載のウェアラブル製品が出たという話は聞かないですね…

参考 RK3308:Rockchip
参考 RK3308 データシート:Rockchip ※PDF

メモリとストレージ

「BPI-P2 Pro」のメモリは512GBのDDR3
発表当初はLPDDDR2とされていましたが、wikiの履歴を見ると発売直前の7月にDDR3に修正されています。

まぁ、2018年の「BPI-P2 Zero」が512MB DDR3なので、退化しなくて良かったねと。

ストレージは8GBのeMMC
これも「BPI-P2 Zero」と同じです。

OSはArmbianまたはdebian11となっていて、Androidは非対応です。

その他

無線LANはWi-fi 5(802.11ac)対応。チップはAP6256(bcm43435)。ストリームが1×1(1T1R)なので、通信は最大433Mbpsです。

参考 AP6256 製品仕様:SparkLAN

有線LANは100MbE。1GbEでないのはRK3308の仕様によるものです。
「BPI-P2 Pro」の珍しいところは、標準でPoEモジュールを搭載してきた点でしょう。

PoEとはPower over Ethernet。LANケーブル経由で電力も送ってしまおうっていう規格です(スイッチ側もPoEに対応している必要があります)。
搭載するPoEモジュールは「BPI-9600」というBanana Piオリジナルのモジュールで、36V~57Vの入力を受け、3.3V~24Vで出力します。

「BPI-P2 Pro」では5V出力モデルが使われていて、最大出力は10Wとされています。

参考 BPI-9600:Banana Pi wiki

外観

インターフェースです。
GPIOが40pin+12pinと多いのが特徴です。
また、PoEモジュールがかなり場所を取っています。

こちらは「BPI-P2 Zero」の画像。向きが逆で分かりにくいものの、おおよその設計は似ています。が、「BPI-P2 Zero」の方はHDMIとかカメラ(CSI)端子とかあって、汎用性を目指したものとなっています。

「BPI-P2 Pro」は映像出力もなく、IoT仕様というか、より現場向けの仕様になっているなぁと。
あと、パーツ配置が整然としていて、この数年で現場の設計能力が格段に上がっていることが伝わってきます。

まとめ

「BPI-P2 Pro」はAliExpressで販売中、価格は31.58ドル(39.47ドルから20%オフ)です。
BPI-P2 Maker」(P2 ZeroのeMMC&Wi-fiなしモデル)で見ると、PoEモジュールの有無の差額は5.25ドルなので、「BPI-P2 Pro」のPoEモジュール以外の部分は34.22ドルとみなせます。

…なんというか、定価だと思ったより高いような…20%オフで適正価格と言えるかなぁ。
昨今のあらゆる面でのコスト増が感じられますね。これ2019年に出ていたら25ドルくらいだったんじゃ?

まぁ過去の価格水準に戻ることはないと思いますし、LANケーブル一本で動かすもよし、電源は現地確保でWi-fi接続にするもよしの面白デバイスですし、その辺りまで加味すれば、アリじゃないかなと。

関連リンク

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リリースノート:Banana Pi forum
発売発表ノート:Banana Pi forum

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