日本でも使いやすそう。 youyeetoo「R1」は99ドルからのRK3588S搭載SBC

シングルボード

2023年12月10日、SBCメーカーのyouyeetooはRockchip RK3588Sを搭載したSBC「R1」を発表、発売しました。

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スペック

■ youyeetoo R1
CPURockchip RK3588S
メモリ4~32GB LPDDR4
ストレージ32~256GB eMMC
インターフェースUSB Type-C(3.0)×1
USB3.0×1
USB2.0×2
HDMI2.1
1GbE 有線LAN
microSD
オーディオジャック
wi-fiM.2 E-Key
4G/5GM.2 M-Key
サイズ100×69.3mm

特徴

youyeetoo(深圳风火轮团队)は、Shenzhen Oriental Hot Wheel Information Technologyが運営するギーク向けのショップ兼、自前でも製品開発を行うブランドです。
ショップにはASUS「Tinker Board」シリーズや産業用ボード、「Banana Pi」シリーズを始め、ロボティクス方面のLiDARや深度カメラ、AI向け製品がラインナップされています。

AliExpressユーザーに対しては、SmartFlyと同じ運営元と言えば通じるでしょうか。

SoC

「youyeetoo R1」のSoCは、Rockchip RK3588Sです。
おそらく今一番人気のSoCで、ラズパイクローン以外でもXunlong Software「Orange Pi 5」やKhadas「Edge 2」など、多数の搭載SBCが登場しています。

Rockchip RK3588Sは、Sの付かないRK3588の弟分的な立ち位置です。
違いは以下の通り。

RK3588SRK3588
CPUCortex A76 ×4
Cortex A55 ×4
GPUMali-G610 MP4
NPU6TOPS
メモリLPDDR4x/LPDDR4/LPDDR5
最大32GB
映像出力HDMI 2.1/eDP ×1
DisplayPort ×1
MIPI DSI ×2
HDMI 2.1/eDP ×2
DisplayPort ×2
MIPI DSI ×2
映像入力48MP ISP
MIPI CSI 4×2lane
DVP
48MP ISP
MIPI CSI 4×2lane
DVP
HDMI-IN (4K/60Hz)
ネットワーク1GbE ×11GbE ×2
USBUSB3.1 Gen1(OTG) ×1
USB3.1 Gen1(HOST) ×1
USB2.0 (HOST) ×2
USB3.1 Gen1(OTG) ×2
USB3.1 Gen1(HOST) ×1
USB2.0 (OTG) ×2
PCIePCIe 3.0 x4
Combo PIPE2ポート3ポート
低速I/OSPI ×5
I2C ×9
UART/GPIO ×10
12bit ADC
CAN bus ×3
SPI ×5
I2C ×9
UART/GPIO ×10
12bit ADC
サイズ17×17mm21.45×21.45mm

CPU/GPU/NPU構成はRK3588と同じで、インターフェース周りが簡素化された分、パッケージサイズが小型化しています。
そのため、もともと搭載できるインターフェースの限られる、クレカサイズSBCに採用されやすいという側面があります。

CPUは4コア2.4GHz Cortex-A76+4コア1.8GHz Cortex-A55、GPUはMali-G610 MP4、NPUは6.0TOPSとされています。

参考 RK3588S データシート:CNS Software ※PDF

性能についてはレビュー中の「Orange Pi 5」のデータだと、GeekBench5では2600点オーバー。近いのはPentium N6005やCore i3-1115G4です。
旧世代のSBCでよく使われていたRK3399(約700点)比だと、ざっと3.7倍です。

“S”なしRK3588のものでサンプル数は3しかありませんが、PassMarkスコアは6000オーバーなので、Celeron N5095(スコア4000)よりも高性能で、Core i5-8250U(スコア5905)と同等ですね。

同じく”S”なしRK3588では、AnTuTu(v9)では54万点を叩き出しています。これはSnapdragon 855(同51万点)より高く、Snapdragon 865(同66万点)より低い程度です。

参考 GeekBench4 Search (RK3588S)
参考 GeekBench5 Search (RK3588S)
参考 PassMark – Rockchip RK3588
参考 RK3588S データシート:CNS Software ※PDF

メモリとストレージ

メモリは8GBから32GBのLPDDR4
ストレージはメモリと連動していて、32GB~256GBのeMMCです。

また、背面にはM.2スロット(2242サイズ)があり、SATA/NVMe両対応、さらに4G/LTEモジュールと兼用になっています。
なお、M.2スロットの接続はPCIe2.0 x2接続(片方向1GB/s)です。

その他

無線LANは非搭載。Wi-fi用のM.2 E-Keyスロットがあるので、技適認証済みのWi-fiカードを挿して使えます。
これ、日本国内においては地味にありがたい仕様です。
有線LANは1GbEです。

電源は最近増えたType-Cではなく、DCジャック(12V/3A)です。広く普及している5.5×2.1mmなので、入手難易度はそれほど高くありません。

OSはUbuntu 22.04、Debian 11、それにAndroid 13。
記事執筆時点ではWikiの内容が薄く、ビルド済みイメージファイルも用意されていません(ソースはあるので自前でビルドする)。

外観

インターフェースです。
チップや抵抗の配置がめっちゃ綺麗というか、これ設計した人は相当几帳面な人っぽそう。
RK3588Sながら100×69.3mmという大柄サイズ(このサイズは普通RK3588なことが多い)で、インターフェースはほぼフル装備です。

GPIOは30ピンですが、よく見ると電源(5.5×2.1mm DCジャック)の後ろにPOWERの2ピンがあったり、USB2.0やオーディオは別位置にピンがあったりで、実質40ピンが分散しているだけですね。

変わっているのが裏面左下の、NFCアンテナ端子

NFCアンテナと組み合わせることで、用途の幅が広がります。

まとめ

「R1」の価格は以下の通り。送料(FedEx/DHL/UPSを利用)は別途11.5~19ドル程度かかります。また、公式ストアでは12月31日まで10%オフセールとなっています。

4GB/32GB:99ドル
8GB/64GB:119ドル
16GB/128GB:149ドル (注文不可)
32GB/256GB:219ドル (注文不可)
標準キット(電源アダプタ+デバッグキット):+12ドル
メタルケースキット:+25.99ドル
アクリルシェルキット:+37.99ドル

技適問題に優しいWi-fiスロット式で、SSD・4G/LTE兼用スロットがあり、eMMCも搭載。それでいて価格も控えめな「R1」は、割と使いやすそう。
しかもAliExpressの公式(SmartFlyストア)から購入できるし、これは日本でも試す人が出てきそうな気がします。

関連リンク

公式製品ページ:youyeetoo
公式Wiki:youyeetoo wiki
youyeetoo R1:AliExpress(SmartFlyストア)
NFCアンテナ:AliExpress(SmartFlyストア)

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