2024年1月2日、SBCメーカーのFriendryELECはRockchip RK3328を搭載したSBC「NanoPi R2S Plus」を発売しました。
スペック
■ NanoPi R2S Plus | |
CPU | Rockchip RK3328 |
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メモリ | 1GB DDR4 |
ストレージ | 32GB eMMC |
インターフェース | USB Type-C×2 USB 2.0×2 microSDXC |
wi-fi | M.2 Key-E |
サイズ | 58×58mm |
特徴
「NanoPi R2S Plus」は名前の通り、以前に発売された「NanoPi R2S」のバリエーションモデルです。
といっても、共通するのはSoCがRockchip RK3328ってことくらいで、設計もインターフェース配置も、ボードサイズすらも異なっています。
SoC
「R2S Plus」のSoCは、Rockchip RK3288。
このSoCは「NanoPi R2S」のほか、「NanoPi R2C/Plus」などにも使われています。
アーキテクチャはクアッドコアのCortex-A53で、USB3.0を1ポート持っています。
「R2S Plus」ではRealtek RTL8153BチップでUSB3.0 to 1GbE変換に使われています。
メモリとストレージ
メモリは1GB DDR4。細かい規格までは記載がありません。
ストレージは32GB eMMCとmicroSDです。
「NanoPi R2S」はストレージを持たなかったので、これは大きな変化です。
microSDは書き換え耐性が低く(だいたい1,000回程度。ドラレコなど何度も書き換える用途向けにに高耐久モデルもある)、同じくmicroSDオンリーだった「Raspberry Pi」でも悩まされる人が多い故障要因でした。
eMMCは書き換え寿命が3,000~10,000回と言われていて、microSDに比べて高い耐久性を持っています。
その他
無線LANは非搭載ですが、M.2 Key-Eスロットが用意されています。
技適問題のある日本では下手に内蔵されるより、技適認証済みのWi-fiカードを使えるこちらのスタイルの方がありがたいです。
有線LANはデュアルGbE。
RTL8211F+RTL8153Bで提供され、両ポートとも最大941Mbpsとフルスピードを出すことができます。
電源はType-C入力で、5Vオンリー。PD非対応っぽいので、PD充電器を使う場合はType-Cポートを使うと給電できない可能性があります。
OSはUubuntu Core、Debian Core、OpenWRTベースのFriendlyWRT、そしてOpenMediaVault。FriendlyWRTはDockerビルトインタイプもあり。
いずれもLinuxカーネル6.1ベースのディストリビューションになります。
外観
インターフェースです。
USBを増やした結果、サイズアップしたにもかかわらず、かなり窮屈な感じ。
Type-Cはデータには使えず、電源とデバッグ用です。
ケースも用意されています。
アンテナを通すんだろうなぁと思っていたボードの切り欠きは、ケースのねじ穴でした。
アンテナ線は隙間を頑張って通す必要があるようです。
オプションのアンテナを取り付けるとこんな感じ。角みたいなアンテナと違って可愛らしいですね。
Wi-fiカードはWi-fi 5(802.11ac)対応のRTL8822CSです。
オプションのカードはAPモードまたはリピーターモードで動くとのこと。
「R2S」との違い。
比べるとかなり違いがあります。
eMMCやWi-fiスロットもそうですが、地味にGPIOがなくなっているんですよね。
完全にケース使用前提って感じに変化しています。
まとめ
「NanoPi R2S Plus」の価格は30ドル。
無印の「NanoPi R2S」が25ドルなので、eMMCとWi-fiスロットの追加で+5ドルは結構安いかと。
ケースは6ドル、Wi-fiアンテナとカードのセットが9.99ドルです。
今までこのサイズでM.2 key-E搭載ってのはなかったし、デュアルGbEに加えてUSBも2ポートに増えたので、活用の幅がかなり広がっています。
価格の割に随分と遊べる仕様になっていて、これはこれで気にかける人も多そう。
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