FriendryELECから、Rockchip社のSoC”RK3399″を搭載したSBC(シングルボードコンピューター)の「NanoPC-T4」が発売されました。
スペック
model | NanoPC-T4 |
メーカー | FriendlyElec |
発売日 | 2018/05 |
価格 | 129ドル |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (A72 x2 + A53 x4) |
GPU | Mali-864 MP4 |
メモリー | 4GB LPDDR3 |
サポートOS | Android 7.1.2 Lubuntu 16.04 |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11 ac(2×2) |
Bluetooth | 4.1 |
チップ | ALC5651 AP6356S |
ストレージ | 16GB eMMC microSD(〜128GB) M.2 M-Key(2280) |
USB | 2.0 x 2 3.0 x1 3.0 type-C x 1 |
HDMI | HDMI(2.0a 4K/60Hz HDR) |
オーディオジャック | ○ |
GPIO | 40pin x 1 |
その他インターフェース | eDP MIPI-DSI MIPI-CSI x 2 UART IR receiver fan(3pin) |
消費電力 | |
電源 | DC 12V / 2A |
幅 | 100mm |
奥行き | 64mm |
特徴
「NanoPC-T4」の特徴は、このブログでもたびたび取り上げてきた、Rockchip社の”RK3399″を搭載していることです。
大きさはラズパイ(85.6mm×56.5mm)より一回り大きい100mm×64mmです。
同じ”RK3399″を搭載する「RockPro64」は133mm×80mmなので、二回りほどコンパクトになります。
そのような比較的コンパクトな「NanoPC-T4」ですが、インターフェースに不足はありません。というか、全部入り状態です。
USBは2.0が2ポート、3.0がType-AとType-C各1ポートの計2ポートあります。最近ではようやくUSB3.0も珍しくなくなってきました。
ギガビットLANポートに加えて802.11 ac対応の無線LANも内蔵しています。しかも2×2 MIMOなので最大867Mbpsです。
ストレージはeMMCが16GBオンボード搭載されているので、多少ハードに使っても、SDカードほど心配する必要がありません(SDカードは頻繁に読み書きを行うとすぐ壊れます)。
また、ストレージには上の画像の裏面で出ちゃってますが、M.2スロットを使うことができます。「NanoPC-T4」のもう一つの大きな特徴ですね。
「RockPro64」ではPCIeスロットに使われていたPCIeレーンを割り当てた形になります。
市販のM.2 SSDを使うことができるので、比較的安価に高速・大容量なストレージを得ることができます。
正直、このサイズによく乗せてきたなぁと感心します。おかげでほかのチップやらインターフェースやらが全部表に追いやられているので、表の密度がすごいことになっていますが。
なお、「NanoPC-T4」は論理図(でいいと思う)がまるっと公開されています。
SBC界隈は比較的オープンなことが多いのですが、ここまで公開されているのは初めて見ました。
まとめ
「NanoPC-T4」は調べた範囲では2017年12月26日に、ベンチマークサイトのgeekbenchにその名前が登場しています。
それから発売までに半年かかったのは、最終調整及び量産の期間と考えればそんなものかなぁと。
価格は129ドルで、パッケージには12V出力のACアダプタとヒートシンク、無線LAN用のアンテナとオープンケースのパーツがついてきます。
開発メーカーのFriendlyELECは、普段は超コンパクトなSBC「NanoPi」を作っている企業です。
どちらかというと20ドルとか30ドルくらいのものが多く、高くても75ドルくらいだったので、FriendlyELECからすれば「NanoPC-T4」ハイエンドモデルといえます。
同じ”RK3399″搭載で、同じくメモリ4GBの「RockPro64」は79.99ドルですが、無線LANと16GBのeMMC、ACアダプタがついてくることを考えると(「RockPro64」は全部別売)、妥当かなぁと感じます。
サイズもコンパクトになりますし。
このブログではこれまで”RK3399″搭載機は「RockPro64」や「Orange Pi RK3399」、「ODROID-N1」などいくつか紹介してきました。
「RockPro64」はPCIe x4スロット、「Orange Pi RK3399」ではmini-PCIe、「ODROID-N1」ではSATAx2と、主にPCIeレーンの使い方で特徴を出してきた感がある”RK3399″搭載機ですが、そこにM.2スロットを選んだ「NanoPC-T4」が加わることになります。
サイズこそバラバラですが、wi-fiやアダプタなどを含めた価格はどれも同じ程度ですし、あとは好みで選ぶ感じになりそうです。
関連リンク
体験する!! オープンソースハードウェア:NanoPi NEO, Arduino他で楽しむIoT設計 (amazon)
NanoPC-T4 – 製品ページ
NanoPC-T4 – wiki
FriendlyARM NanoPC-T4 (RK3399) – geekbench
コメント