鍵が付いたよ。QNAP「TS-431KX」は4コアCPUの10GbE SFP+搭載4ベイNAS

NAS

2020年6月8日、NASメーカーのQNAP(本社:台湾)は、10GbE SFP+接続ポートを搭載した4ベイNAS「TS-431KX」を国内で発表し、6月12日に発売いたします。

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スペック

※比較のために「TS-431X」のスペックを併記します。

型番TS-431KXTS-431X
メーカーQNAP
価格65,264円
発売日2020/062017/02
160
高さ161
奥行き219
CPUAnnapurna Labs
Alpine AL-214
1.7GHz Quad-Core
Annapurna Labs
Alpine AL-212
1.7GHz Dual-Core
内部フラッシュメモリ512MB
メモリ2GB DDR3L2GB/8GB DDR3
最大メモリ8GB
ホットスワップ
SSD対応
NIC
(1GbE)
2
NIC
(10GbE)
1
LA/PT
USB2.0
USB3.03
USB type-c
eSATA
PCIe
SDカード
HDMI
4K対応
DisplayPort
S/PDIF
オーディオジャック
スピーカー
赤外線
レシーバー
×
ハードウェア
暗号化
ハードウェア
アクセラレーション
×
IPカメラ
(無償)
2
IPカメラ
(最大)
30
仮想化
(VMWare)
×
仮想化
(Windows)
×
仮想化
(Citrix)
×
仮想化
(OpenStack)
×
仮想マシン
(VirtualBox)
×
仮想マシン
(Docker)
対応RAID0/1/5/6/10
ファイルシステムEXT4
システム
ファン
120mm x 1
ノイズレベル19.5dB
Wi-fiUSBアダプタ
消費電力26.7W
重さ2.03kg
DTCP+
DTCP-IP×
DLNA
iSCSIターゲット
iSCSI LUN
ユーザー数4096
グループ数512
並列接続数400
共有フォルダ512
スナップショット
read性能1117956
write性能511525
read性能
(暗号化)
566312
write性能
(暗号化)
394240
備考

特徴

「TS-431KX」はスペックから察するに、「TS-431X2」ではなく、「TS-431X」の後継にあたるようです。

「TS-431X」はCPUが2コアのAnnapurnaLabs Alpine AL-212で、「TS-431KX」は4コアのAlpine AL-214になっています。
この変化は「TS-x31P」から「TS-x31K」への変化と同じものになります。

価格がちょっと悩ましい。 QNAP「TS-131K」「TS-231K」「TS-431K」は4コアになってちょっとだけ性能アップ!

なら「TS-431X2」はどうかというと、こちらは4コアのAlpine AL-314を搭載しています。

AnnapurnaLabsは技術仕様を公開していないようで、探してみたのですがブロックダイアグラム図すら見つからず、AL-214とAL-314の違いが分かりませんでした。知っている方がいましたら、教えてほしいです。

スペック面での差はこのCPUの違いがほぼすべてです。
もう一つだけ、メモリがSO-DIMM DDR3からSO-DIMM DDR3Lとなりました。

DDR3が1.5V動作、DDR3Lが1.35V動作なので、両対応のメモリでない限り互換性はありません。
容量面では2GBで変わらず、8GBまで換装が可能ですが、上記の理由により使いまわしができない場合があることに注意が必要です。

TS-431KX, TS-431X2, TS-431X 製品の比較:QNAP

ソフトウェア面では、QNAPアプリの大半は使うことができます。

App Center - QNAP
QNAPは高品質のネットワーク接続ストレージ(NAS)と業務用ネットワークビデオレコーダー(NVR)ソリューションを 設計し、家庭用から SOHO、中小企業向けのユーザーに提供しています。

中小企業向けであればチャットツールのMattermost、Dropbox系のownclowdX、ERP(Enterprise Resource Planning、統合基幹業務システム)ソフトのwebERP、顧客関係管理ソフトのVtiger CRM7(SugarCRMの派生だけど、SugarCRMより高機能)など、中小企業として必要な機能・ツールは一通り動かせるでしょう。

足りないものやQNAP Appにないアプリも、仮想化技術によってだいたいは使えるようになります。

Intel系CPUでないため、Linux Station(LXCベースでNAS上でLinuxを動かす)、Virtualization Station(KVMベースでNASを仮想化基盤にする)は使えませんが、Container Station(dockerベース)は大いに使えます。

dockerには例えばプロジェクト管理用のOpenProjectやRedmine、チャットツールのRocketChat、コード管理のGitLab、Gitbucket、変わったところではお絵かきチャットのReichatなどがあります。

メモリを増強すれば複数のアプリをNAS上で稼働させることが可能になるので、1台で主要業務を担うことも可能になりますし、10GbEというのは複数の人が同時にアクセスするときに力を発揮するので、使い方としては向いています。

CPUが変わったことによって、転送速度(特にボリュームベースデータ暗号化時)は向上しています。

▲「TS-431KX」の転送速度です。

▲「TS-431X」では通常時も1000MB/sに達していないうえ、暗号化時は312MB/sまで速度が下落します。

▲「TS-431X2」も、シーケンシャルライト以外は「TS-431KX」に及びません。

SMB(Small & Middle Business、中小企業のこと)向けということでデータの暗号化は重要な要素なので、ここが向上したのはいいことですね。

筐体面では各ベイに鍵が付いたこと、カラーリングが変わったことが違いとなります。

▲フロント部は左の部分がグレーになりました。

インターフェースやLEDはそのままです。
ストレージベイは鍵が付きました。ただ、結構簡易な鍵なので、あまり過信できるものではありません。
そもそも、本体も大きくないので、持ち出されるときは本体ごと持ち出されると思いますし…

▲背面は全く変わっていません。

ちなみにSFP+は日常ではなじみのない規格ですが、実際に使ってみるとRJ-45と同じような感覚で使えます。
がじぇっとりっぷでも以前にSFP+を使用したレビューを実施しています。

【レビュー】 コスパのいい10GbEスイッチなQNAP「QSW-308-1C」はランニングコストも良さそう

▲ベイを抜き出したところです。

まとめ

「TS-431KX」は性能は多少向上しましたが、「TS-431X」からあまり大きな変更はありませんでした。

「TS-431KX」の価格はAmazonで61,490円です。
「TS-431X」は市場から姿を消しつつありますが、「TS-431X2」はAmazonでこそ7万円弱ですが、安い店舗では6万円弱なので、あまり変わらないですね。

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他にも、10GbE搭載可能でIntel CPUな「TS-453Be」が55,000円前後で、10GbEカードも1万円程度なので、導入コストとしてはそこまで変わりません。

QNAPのポップでコンパクトなNAS「TS-x53B」に廉価版の「TS-253Be」「TS-453Be」が登場

さらに言うと、2020年3Q(7~9月)には、Cerelon J4125搭載でデュアル2.5GbEにPCIeスロットを備えた「TS-x53D」シリーズが控えています(現時点で価格は不明)。

なかなかに買いにくい状況ではありますが、古いモデルはちょっと…(「TS-431X2」は2017年12月、「TS-453Be」は2018年4月の発売)という場合の選択肢にはなるんじゃないでしょうか。

関連リンク

TS-431KX:QNAP
ニュースリリース:QNAP

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