2020年7月30日、ASUSTeK Computer Inc.(本社:台湾)はRyzen 4000シリーズを搭載したNUCサイズPC「Mini PC PN50」を発表いたしました。
2020年9月20日追記:2020年9月18日に販売開始いたしました。
2020年11月12日追記:実機レビューを公開いたしました。
スペック
■PN50 | |
CPU | Ryzen 7 4800U Ryzen 7 4700U Ryzen 5 4500U Ryzen 3 4300U |
---|---|
メモリ | SO-DIMM DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2(2280)×1、2.5インチ×1 |
USB | Type-C(Gen2)×2、3.0×3 |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 115×115×49mm |
重さ | 0.7kg |
特徴
「Mini PC PN50」は115mm角の筐体を持った、NUCサイズのコンパクトPCです。
ほぼ同じ筐体を使っていると思われる、Intel Core CPUを搭載した「Mini PC PN60」については以前にレビューを行っています。
「Mini PC PN50」はこれのRyzen版と思っておけばいいでしょう。
Ryzen搭載機であれば「Mini PC PB50」がありますが、こちらは第2世代Ryzen 3000シリーズで、なおかつTDP35WのHシリーズです。
しかし…モデル名が非常に紛らわしいですね。
ASUSの「Mini PC」シリーズはIntel/AMDが入り乱れている上に、デザインも箱型か平たいかの2パターンなので、よほど詳しくないと型番からスペックを思い起こすのは難しいです。
例えば上の画像はASUS公式の製品一覧の一部抜粋ですが、モデル名と見た目では区別がつきません。
イメージが付かないというのはマーケティング的にもよろしくないので、ここは何とかしてほしいところです。
話を戻して、「Mini PC PN50」に搭載されるCPUは4種類、Ryzen 7 4800U/4700U、Ryzen 5 4500U、Ryzen 3 4300Uです。
上位を占めるRyzen 5 4500U以上の性能が目立ちますが、Ryzen 3 4300UでもComet Lake世代のCore i7-10510UやRyzen 7 3500U以上のスコアで、10nmプロセスなIce Lakeと比較してもCore i5-1035G1と同等レベルとなっています。
事務用途とかリビング用とか、よほどヘビーな使い方をしない限りはRyzen 3 4300Uで十分ですね。
グラフィックはもともとRyzenの方がIntelに比べて優勢でしたが、Ice Lake上位に搭載されたIris Proでついに追いつかれたかと思えば、また突き放していきました。
Ryzen 3 4300Uは3DMarkの公式スコアにまだ記録が出ていませんでしたが、Ryzen 5 4500U以上であれば軽量級ゲームは余裕でしょう。
メモリはSO-DIMM DDR4-3200が2スロットです。
グラフィックメモリはメインメモリと共有なので、メモリの速度差がグラフィックスコアに直結します。
例えば、DDR4-2400はDDR4-3200からみて速度差が25%ダウンとなり、おそらくは10%以上スコアが落ち込むと思われます。
なので、ここは多少のコストをかけてでも早いメモリを選択するべきでしょう。
ストレージはM.2+2.5インチのデュアルストレージが可能です。
Wi-fiは最初から802.11ax(Wi-fi 6)に対応した、Intel AX200が搭載されています。
▲筐体は「Mini PC PN60」と同じかと思いきや、少しアップデートされています。
具体的には、フロントにmicroSDスロットが追加されました。
Configurable portについては、国内モデルが出たときに選択肢が用意されるのかは不明です。多分DisplayPort固定な気がします。
Configurable portにVGAを選んだ場合、HDMI、DisplayPort over USB-C、VGAで4K×4のクアッドディスプレイができるとありますが、上記のとおりVGAが選べる可能性は低いと思われるので、現実的には最大でトリプルディスプレイになりそうです。
なお、クアッドディスプレイをするにはDisplayportで2画面出す必要がありますが、デイジーチェーンで行うのか、フロントとリアの両方を使うのか、条件については不明です。
「Mini PC PN50」は「Mini PC PN60」と同じくファンの排気口が小さいのですが、ファンのモードを切り替えるができるようになっています。
▲内部イメージはこんな感じです。
より具体的なイメージはこちらのレビューが参考になります。
内部構造についてはほぼ同じと思われます。
「Mini PC PN50」はMIL-SPECは取得していませんが、近いレベルの環境テストは実施しているようです。
▲パッケージです。
まとめ
「Mini PC PN50」の国内発表はまだ行われておらず、価格も不明です。
海外ではAmazon UKが予約を行っていて、以下のような値段が付けられています。
また、Amazon UKにおける発売日は2020年9月7日となっています。
Ryzen 3 4300U: £274.98(約38,300円)
Ryzen 5 4500U: £319.98(約44,600円)
Ryzen 7 4700U: £369.99(約51,600円)
Ryzen 7 4800U: £499.98(約69,700円)
国内発売されたとしても、さすがに消費税と送料分くらいは増えますが、そこまで大きくは上乗せされないとは思います。
ここにメモリとストレージとOSを買い足す必要があるわけですが、DSP版Windowsにして容量も欲張らなければ、Ryzen 3モデルなら7万円でお釣りがくることでしょう。
2020年9月20日追記:2020年9月18日に国内でも販売が開始されました。Ryzen 5 4500Uモデルで47,800円です。
Linux系であればOS代がさらに浮きますね。
ラインナップもいい感じですし、そもそも本家ともいえるIntelが発売するNUCシリーズにRyzenが搭載されることはないので、これは結構売れるんじゃないかと思います。
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