【レビュー】 MINISFORUM U850:使い方を妄想してしまう、拡張要素の大きな小型静音ミニPC

PC

MINISFORUM U820/U850」は2021年4月6日に販売を開始した、NUCより一回り大きな(といってもNUCサイズと呼んでもいいくらいの)ミニPCです。
TDP28WでCoffeeLake世代なCore i5-8265Uを搭載する「U820」と、TDP15WでCometLake世代なCore i5-10210Uを搭載する「U850」があり、CPU以外のスペックは共通しています。

MINISFORUMは立て続けに大量の機種を発売していてなかなかフォローできていないのですが、今回はがじぇっとりっぷがレビューしたことのない、Core i5-10210Uを搭載する「U850」についてレビューすることにしました。

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MINISFORUM U820/U850

CPU Core i5-10210U
Core i5-8259U
メモリ 16GB DDR4-2666
ストレージ 256/512GB M.2 SSD
インターフェース USB Type-C(Gen1)×1
USB 3.0×4
HDMI
DisplayPort
2.5GbE+1GbE
オーディオジャック
wi-fi 802.11ax+BT4.2
サイズ 127×127×53.1mm
重さ 0.5kg

※今回のレビュー機スペックはCore i5-10210U/16GB RAM/512GB SSD

GoodPoint
内部アクセスが楽
トリプルストレージ可能
2.5GbEあり
静音性が高い

BadPoint
電源アダプタの仕様
SDカードスロットがない
Thunderbolt 3はなし

MINISFORUM U850 ミニpc インテルCore i5-10210U 16GB 512GB Windows 10 Proミニパソコン 4Kトリプルディスプレイ出力 2.5Gbps/1000Mbps LAN BT5.1 小型デスクトップパソコン
MINISFORUM

MINISFORUMとは

MINISFORUMは2012年に中国・深センにて設立された、(いまのところ)ミニPC専門のメーカーです。
正確にはBESSTAR TECH LIMITED株式会社のPCブランドという位置づけです。

現在の拠点は香港ですが、生産拠点は深センにあるようです。

ハードウェア

パッケージ

▲外箱は157×157×103mm

底面にはスペック表がシールで貼られているので、複数の機種で箱を共通化し、コストを下げているものと思われます。

▲箱を開けるとウレタンクッションに包まれて本体が鎮座

電源アダプタの上に直接クッションが置かれているので、ちょっと傾いています。
また、映ってはいませんがウレタンの蓋もあり、ぴっちりしていて開けにくかったので、指を入れる切り欠きが欲しかったなぁと。

▲本体をくるむ保護シートは足の部分だけ穴あき

ここはこだわるのかとちょっと笑っちゃいました。

▲パッケージ全体です。

最近はあまり見ない付属品として、HDMIケーブルが同梱されています。

付属品

▲紙類はマニュアルと保証カードのみ

▲マニュアルは冊子状に綴じられていて、日本語も記載されています。

▲物議をかもしている電源アダプタ

Type-C出力なのに3.42A@19V(≒65W)の出力にしか対応していません

そもそもがUSB PDではないので規格違反ではなく、丸型プラグの代わりにType-C形状に置き換えただけのものなのですが、誤ってスマホやタブレットを挿してしまうと破損する恐れがあります。
間違ってスマホやタブレットにつながないよう、使用には細心の注意を払う必要があります。

▲VESAマウンタは独特な形状

内部ストレージ用とVESA固定用のネジが付属します。

▲本体に合わせると、吸気口の位置を考えたデザインであることが分かります。

筐体

■フロント
・USB 3.1 Gen1 Type-C(USB給電、映像出力対応)
・USB 3.0 ×2
・オーディオジャック
・電源ボタン
・クリアCMOS

左端の穴の先には何もありません。
筐体も共通化されているので、機種によってはマイクが置かれるようです。

▲フロントのType-Cは映像・給電両対応なので、ケーブル一本でモバイルディスプレイが表示できます

■リア
・USB 3.0 ×2
・DisplayPort
・HDMI
・1GbE 有線LAN
2.5GbE 有線LAN
・USB Type-C(給電専用)

背面のUSB-Cは給電専用です。USB充電器を使用した場合は20Vでの給電となります。
インターフェースの下には大きく排気口が開けられています。

■左側面
・吸気口

左側面にはすぐ内側にM.2 SSDがあるので、SSD冷却用と思われる吸気口が開いています。
また下部にはCPUファン用の吸気口が開いているので、何らかの要因で底面の吸気口がふさがっても最低限の吸気が行えます。

■右側面

右側面にはCPUファン用の吸気口以外何もありません。

▲天面と底面

天面には”開けるときはここを押す”のマークがあります。
底面には認証情報の他、モデル名やシリアルナンバーなども記載。

記載されている技適番号は003-190022で、調べたらIntel AX200NGW、つまりWi-fiカードの認証番号でした。
確認したところ、出荷時期によって違うWi-fiカードが使われる可能性があるとのことで(製品ページの仕様表では「M.2 2230 デュアルバンドWi-Fi、Bluetooth 5.1」という書き方がされています)、このようにしているようです。

総務省 電波利用ポータル | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索
基準認証制度,技術基準適合証明,技術基準適合自己確認

重量

▲本体重量は532g、電源込みで783gでした。

仕様では0.50kgとあるので、少しだけオーバーですね。

分解・内部構造

▲天面の”Push”を押すと、天板が少しだけ開きます。

▲そのままカポッと外すと内部にアクセスできます。

ツールレスどころかネジもなしに内部アクセスできるのは結構感動します。

▲内部アクセスのために外したHDDトレー

せっかく天板がネジなしツールレスなのに、HDDトレーはネジ止めなんですよね。
この中途半端さはすごくもったいないので、HDDトレーもぜひツールレスにして欲しいところです。

HDDトレーは2段重ねに対応

7mm厚のみとは言え、本体のM.2 SSDと合わせて本体内部でトリプルストレージを可能にしているのは素晴らしいです。

▲SATA端子はゴムカバー付き

こういうところは丁寧なんですよね。
妙にこだわっている部分と雑な部分が混在していて、なかなか評価が難しいところです。

▲パズルのように並べられたSSDとWi-fiカード

狭いアクセス口でも換装できるように並べ方が考えられています。

Wi-fiアンテナは左右(使用時は前後の位置)のプラスチック部品の裏側についています。
天板もプラスチック、側面は金属なので、この位置が一番感度が良くなるのでしょう。

▲反対側にはメモリが2スロット

最大64GB(32GB×2)まで対応しますが、たいていは標準の16GBで十分でしょう。

なお、分解してCPU側も見ようとしたのですが予想外にネジが固く、ネジ山が潰れそうだったので断念しています。

システム

起動前

▲UEFI画面は旧BIOS準拠

▲恒例のバックアップです。

使用したのは「Macrium Refrect Free」で、バックアップサイズは32.97GBでした。

システム情報

▲デスクトップは独自要素なしの標準壁紙

▲システム情報

発売されたばかりの機種らしく、OSは20H2が適用されていました。

▲HWiNFOでのCPU情報

▲同マザーボード情報

▲再起動直後のメモリ使用量は2.1GBと標準的

▲スタートアップも特に変なものはありません。

独自アプリのない、素のWindowsのようです。

▲デバイスマネージャ

SATAはIntel 400チップセットが使われ、2.5GbEはIntel i225Vが使われています。

ストレージ

▲CrystalDiskInfo

ストレージはKigston製のOM8PDP3512B-A01。
一般販売はしてないDesign-In SSDに分類されているようです。

Design-In SSD - Kingston Technology
Kingston は、3D NAND を使用する Design-In SATA および NVMe SSD の製品ラインを取り揃えていて、システム デザイナーやビルダー向けのスペックで構築が可能な上に、ウェアレベリングやガベージ コレクション

▲CrystalDiskMark

リード2400MB/s、ライト1200MB/sと、高速モデルに比べればやや控えめですが、実用上は十分な転送速度です。
なにげに4Kの転送速度が高速なのがポイントですね。

2.5GbE

▲せっかくの2.5GbEなので、実際につないでみました。

メインノートとの接続にはThunderbolt3 to 10GbE変換アダプタのQNAP「QNA-T310G1T」を使用しています。

【レビュー】 QNAPのThunderbolt3 to 10GbE(10GBase-T) LANアダプター「QNA-T310G1T」の実力やいかに
10GbE LAN環境の構築というのは、がじぇっとりっぷが以前からやりたいもののの一つでした。10GbE(10GBase-T)のポート単価はようやく1万円を切るくらいまで下がってきましたが、それはあくまでデスクトップ向けの話で、ノートPCに

▲デバイス上でも2.5GbEで接続できていることを確認

▲メインノートのストレージをNFSマウントして測定した結果。

295MB/s=2.36Gbpsなので、きっちり速度も出ています。
これだけ出るのであれば、「U850」をNAS代わりにしても(経路上の機器がすべて対応していれば)内蔵HDDより快適に使えそうです。

MINISFORUM U850 ミニpc インテルCore i5-10210U 16GB 512GB Windows 10 Proミニパソコン 4Kトリプルディスプレイ出力 2.5Gbps/1000Mbps LAN BT5.1 小型デスクトップパソコン
MINISFORUM

ベンチマーク

レビュー機のスペック

レビュー機のスペックは以下の通り。

CPU Core i5-10210U
グラフィック Intel UHD
メモリ 16GB
ストレージ 512GB

比較対象

ゲームベンチマークは以下を比較としています。

Ryzen 5 4500U:Lenovo「ThinkPad E14 Gen2」(16GB/デュアルチャネル)
Ryzen 5 3500U:HP「14s-dk0101」(8GB/デュアルチャネル)
Core i5-1135G7:DELL「Inspiron 5402」(8GB/シングルチャネル)
Core i3-1005G1:Lenovo「IdeaPad S145」(4GB/シングルチャネル)
Core i5-8250U:Lenovo「IdeaPad S720」(8GB/シングルチャネル)

本来ならIce LakeからはCore i5-1035G1を持ってきたかったのですが、レビューしたことがないので同じ”G1″なCore i3-1005G1で代用しています。

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結果総覧

「U850」は冷却性能が高いのか、CPU処理については予想以上のスコアを叩きだし、新世代のTigerLakeに引けを取らない性能を発揮しています。

一方でグラフィック性能はUHD世代らしく、TigerLakeのIris Xeどころか、第10世代IceLakeのIris Proにも全く届いていません。
これ自体はもともと分かっていたことなのでショックはありませんが、CPU性能ほど伸びなかったのがちょっと残念です。

ゲームベンチについても軽量級のドラクエX程度ならプレイできますが、中量級以上は厳しいでしょう。

総じて、ゲーミングやグラフィック系に使うより、CPU処理メインな作業に適していると言えます。

CPU

CPU PassMark
Ryzen 7 4700U(8C/8T) 138072576
Core i7-1165G7(4C/8T) 116123090
Ryzen 5 4500U(6C/6T) 112782474
Core i7-10710U(6C/12T) 100812498
Core i5-1135G7(4C/8T) 99022750
Core i5-10210U(本機) 95272362
Core i7-1065G7(4C/8T) 89922504
Core i5-8259U(4C/8T) 82732258
Core i5-1035G1(4C/8T) 79642390
Ryzen 3 4300U(4C/4T) 78912370
Ryzen 7 3700U(4C/8T) 74252062
Ryzen 5 3500U(4C/8T) 71411991
Core i7-10510U(4C/8T) 70982440
Core i5-10210U(平均) 64852262
Core i3-1115G4(2C/4T) 64352760
Core i5-8250U(4C/8T) 60661984
Core i3-1005G1(2C/4T) 52472306
Ryzen 3 3200U(2C/4T) 42311976
Core i3-10010U(2C/4T) 41992427
Core i7-7500U(2C/4T) 36661969
Core i5-7200U(2C/4T) 33801789

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

公式のPassMarkスコアはシングルチャネル/デュアルチャネルや電源・冷却などあらゆる条件を無視して、あまねく平均を取った値なので、デュアルチャネルな本機のスコアは平均より高めに出ることは予想していましたが、平均の1.5倍近いスコアが出るとは思っていませんでした。

これは後述しますが冷却面が非常に優秀で、ぶん回しても温度が上がらないためにサーマルスロットリング(温度を下げるために動作周波数を落とすこと)が抑えられ、本来の性能を十全に発揮した結果なのでしょう。

考えてみれば、TDP28WなCore i5-8259Uも同じ筐体で動かすのだから、冷却は強力なはずですよね。
Core i5-8259Uの平均スコアは本機よりも下ですが、Core i5-10210Uの伸びを考えると「U820」ではスコア1万を超えるかもしれません。

GPU

3DMark FireStrike

CPU 3DMark FireStrike
Core i7-1165G7
(Iris Xe)
42634843
GeForce MX450(12W) 41914371
GeForce MX350 35843980
Core i5-1135G7
(Iris Xe)
34183967
GeForce MX250(25W) 32803655
Ryzen 7 4800U
(Radeon Vega 7)
31193399
Core i3-1115G4
(Iris Xe)
27663070
Ryzen 7 4700U
(Radeon Vega 7)
27573052
GeForce MX250(10W) 27452983
Ryzen 5 4500U
(Radeon Vega 5)
25412829
Core i5-1035G7
(Iris Pro 10th)
25202671
Core i7-1065G7
(Iris Pro 10th)
24822715
Ryzen 7 3700U
(Radeon Vega 10)
22462514
Ryzen 5 3500U
(Radeon Vega 8)
22102451
Ryzen 3 4300U
(Radeon Vega 5)
20432221
Core i5-8259U
(Iris Plus 655)
19132080
Core i5-1035G4
(Iris Pro 10th)
18741981
Core i5-1035G1
(UHD 10th)
13641458
Core i5-10210U(本機) 11531257
Core i7-10510U
(UHD 10th)
11181221
Core i5-8250U
(UHD 620)
10721172
Core i5-10210U(平均) 10411139
Core i7-7500U
(HD 620)
9551046
Core i3-1005G1
(UHD 10th)
9361024
Core i3-10110U
(UHD 10th)
921995
Core i5-7200U
(HD 620)
893969
Core m3-8100Y
(UHD 615)
838935

上段:総合スコア、下段:グラフィックスコア

グラフィック性能は平均よりは高いものの、UHD世代なのでそれほどでもないというか、第7世代のCore i5-7200U比でも1.3倍に満たない向上率です。
Iris Plus 655を搭載するCore i5-8259U搭載の「U820」であればRyzen 5 3500Uと戦えるような高いスコアが出せそうですが、言っても仕方ないですね。

単に4Kディスプレイで作業するとか、動画鑑賞する程度であれば「U850」でも十分事足ります。

[軽量級] DQベンチマーク

DQベンチマーク
Ryzen 5 4500U 9431 / とても快適15702 / すごく快適
Ryzen 5 3500U 6861 / 快適11228 / すごく快適
Core i5-1135G7 5564 / 快適10524 / すごく快適
Core i5-10210U 5479 / 快適10070 / すごく快適
Core i3-1005G1 3349 / 普通7042 / とても快適
Core i5-8250U 3393 / 普通5672 / 快適

上段:1920×1080(最高品質)、下段:1280×720(高品質)

軽量級のドラクエベンチマークであれば、”FHD/最高品質”でもなんとか”快適”評価を得られました。
グラフィック性能的にはUHD 620のCore i5-8250Uとさほど変わらないはずですが、「IdeaPad 720S」はDDR4-2400のシングルチャネルなので、そのあたりが影響しているんじゃないかと思われます。

[中量級] FF XIV 漆黒のヴィランズ

FF XIV 漆黒のヴィランズ
Ryzen 5 4500U 2685 / やや快適6440 / とても快適
Ryzen 5 3500U 1925 / 快適4493 / 快適
Core i5-1135G7 1303 / 設定変更が必要3481 / やや快適
Core i5-10210U 1159 / 設定変更が必要3226 / やや快適
Core i3-1005G1 785 / 動作困難1862 / 設定変更を推奨
Core i5-8250U 872 / 動作困難2256 / 普通

上段:1920×1080(最高品質)、下段:1280×720(高品質)

中量級タイトルでは一応”動作困難”ではありませんが、まぁプレイは無理だろうなぁといったところです。
中量級以上をプレイしたければRyzen 4000以降か、dGPU搭載モデルを選ぶべきでしょう。

[重量級] FF XV Windowsエディション

FF XV
Ryzen 5 4500U 2606 / やや重い
Ryzen 5 3500U 1823 / 動作困難
Core i5-1135G7 1543 / 動作困難
Core i5-10210U 1012 / 動作困難
Core i3-1005G1 865 / 動作困難
Core i5-8250U 890 / 動作困難

上段:1920×1080(最高品質)、下段:1280×720(高品質)

重量級タイトルは…どうやっても無理ですね。
というか、モバイル向けCPU内蔵グラフィックでプレイしようとすることが無謀じゃないかなぁ…

消費電力・稼働時間・騒音・温度

消費電力

アイドル時 3.7W
画面オフ時 3.2W
スリープ時 0.88W
CINEBENCH(S) 22.1W
CINEBENCH(M) 31.6W
最大 54.0W

「U850」の消費電力がピークなのは数秒、その後30秒弱ほど高い数値を出した後、すとんと30W台まで落ち込みます。
この動作はCPUのPL1、PL2の設定に基づいたものと思われ、サーマルスロットリングが発生していないことの証左でもあります。

騒音

状況 音量 聞こえ方
電源オフ 34.8dB
アイドル 35.0dB 耳を近づけると聞こえる
最大 41.6dB 3mも離れると聞こえづらい
最大(背面) 42.9dB

騒音レベル[dB] 音の大きさのめやす 自室内の聞き騒音
うるさい 70 掃除機
騒々しい街頭
非常にうるさい
60 普通の会話・チャイム
時速40キロの自動車の内部
非常に大きく聞こえうるさい
声を大きくすれば会話ができる
普通 50 エアコンの室外機
静かな事務所
大きく聞こえる
通常の会話は可能
40 深夜の市内
図書館
多少大きく聞こえる
通常の会話は十分に可能
静か 30 ささやき声
深夜の郊外
非常に小さく聞こえる
20 ささやき
木の葉のふれあう音
ほとんど聞こえない

「U850」の騒音は独特で、高周波成分のないシュオオーって感じの音で、台風の時の隙間風の音に似ています。
厚手のファンを使って背面約1メートルに置いたティッシュがなびくくらいの風量があるので、さもありなんというところです。

音量についてもこれまでレビューしてきた中でも静かな部類で、かつフロアの騒音に紛れやすい音なので、ちょっと気が逸れただけでもあまり気にならなくなります。
多分オフィスであれば机の上に置いていても気にせず使えるレベルです。

温度

Core i5-10210Uの仕様上の耐熱温度は100℃です。
頑張って負荷をかけてみたのですが、瞬間的には最大86℃、継続した負荷環境だと70℃台前半で安定でした。冷却ファンがしっかり仕事をしているので、負荷を止めると数秒で50℃前後まで下がり、10秒くらいでファンがかなり静かになります。

まとめ

「U850」はComet Lake世代なのでグラフィックは弱めですが、CPU処理については現行世代のTigerLakeに引けを取りません。

2.5GbEは最近ではだいぶ増えてきましたが、トリプルストレージは他に見かけません。

大容量ストレージと高速LANを活かしたNASやオフィスサーバ―、リモートアクセス用の母艦、グラフィック性能をあまり必要としない仮想環境の母艦など、通常のWindows PCとして以外の使い方もあれこれ考えてしまいます。

音が静かなので、リビングのテレビの陰などに置いて大画面で使用するということも騒音のストレスなくできるでしょう。

「U850」の価格は256GBモデルが76,980円、512GBモデルが80,980円です。
標準でメモリ16GBですし、ストレージ・OSも付いた全部入りマシンで、届いたその日から使えます。
小さなPCが欲しいけどIntel NUCのようなベアボーンはちょっと…という方にはおすすめでしょう。

なお、「U820」は256GBモデルが65,980円、512GBモデルが69,980円と、さらにコストパフォーマンスに優れています。

関連リンク

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MINISFORUM

付録

ベンチマーク結果一覧

メーカー MINISFORUM
モデル名 U850
CPU Core i5-10210U
GPU UHD 630
メモリ 16GB
ストレージ 512GB
PassMark Total 3865.5
CPU Single 2362
CPU Multi 9527.2
2D 672.1
3D 1277.3
Memory 2643.3
Disk 16942.2
CPU-Z Single 478.2
Multi 2352.7
GeekBench4 Single 4860
Multi 15917
OpenCL 24216
OpenCL(dGPU)
GeekBench5 Single 1101
Multi 3948
OpenCL 5824
OpenCL(dGPU)
CrystalMark Mark 389045
ALU 112130
FPU 77288
MEM 73954
HDD 88738
GDI 18007
D2D 5750
OGL 13178
CINEBENCH R15 OpenGL 54.70fps
CPU(M) 612cd
CPU(S) 165cd
CINEBENCH R20 CPU(M) 1424pts
CPU(S) 424pts
CINEBENCH R23 CPU(M) 3653pts
CPU(S) 1088pts
PCMark ALL 3920
Essensial 8567
Productivity 5938
DigitalContent 3214
3DMark TimeSpy 474
Graphics 413
CPU 2990
FireStrike 1153
Graphics 1257
Phisics 10374
Combined 391
NightRaid 5755
Grapihics 5808
CPU 5476
SkyDiver 4798
Graphic 4461
Phisics 7964
Combined 4660
CloudGate 9220
Graphics 10219
Phisics 6872
IceStorm 69032
Graphics 74486
Phisics 54950
IceStormEX 47597
Graphics 45876
Phisics 54795
IceStormUnlimited 85966
Graphics 98697
Phisics 59227
VR Mark 745
DQ(DX9) 1280・標準 10070
すごく快適
1920・最高 5479
快適
FF XIV(DX11)
紅蓮
1280・標準 3312
やや快適
1920・最高 1151
設定変更
1920・標準 1775
設定変更
1920・低 2613
やや快適
FF XIV(DX11)
漆黒の反逆者
1280・標準 3226
やや快適
1920・最高 1159
設定変更
1920・標準 1715
設定変更
1920・低 2485
普通
FF XV(DX11) 1280・標準 1012
動作困難
1920・最高
MHF(DX10)
大討伐
1280 5427
1920 2826
ブラウザ jetstream2 131.23
BaseMark 734.85
WebXPRT 206
MotionMark 384.29
SpeedMeter2.0 126.3
octane 45210

ベンチマーク結果画像

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