2021年6月30日、ASRockの産業部門であるASRock Industrialは、Intelの組み込み向けAtom/Celeron/PentiumシリーズのElkhart Lake世代を搭載したNUCサイズベアボーンのファンありの「NUC 6000 BOX」、ファンレスの「iBOX 6000 BOX」、それから中身のマザーボード「NUC 6000」シリーズを発表いたしました。
NUC 6000 BOX

CPU | Celeron J6412 |
---|---|
メモリ | SO-DIMM DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2 Key-M+SATA |
インターフェース | Type-C(Gen2)×2 USB3.2 Gen2×2 USB2.0×1 HDMI DisplayPort 1GbE LAN×2 オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT4.2 |
サイズ | 117.5×110×47.85mm |
iBOX 6000 BOX

CPU | Celeron J6412 |
---|---|
メモリ | SO-DIMM DDR4-3200×2 |
ストレージ | M.2 Key-M+SATA |
インターフェース | Type-C(Gen2)×2 USB3.2 Gen2×2 USB2.0×1 HDMI DisplayPort 1GbE LAN×2 オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ac+BT4.2 |
サイズ | 135×110×44.5mm |
特徴
「NUC 6000 BOX」「iBOX 6000 BOX」はがじぇっとりっぷが注目していたElkhart Lake世代のCPUを搭載するミニPCです。

アーキテクチャが第7世代”Tremont”となり、10nmプロセスでの製造、第11世代グラフィック、2.5GbE対応、PCIe3.0が8レーン(ここ重要!)と、Apollo Lake、Gemini Lakeとは全く別物です。
同シリーズを搭載するものとしては「ECM-EHL」というSBCを紹介していますが、いまだにステータスがComing Soonなんですよね…

CPU
CPUは「NUC 6000 BOX」と「iBOX 6000 BOX」のどちらも標準はCeleron J6412を搭載します。
オプションとして「NUC 6000 BOX」はPentium J6426、「iBOX 6000 BOX」はPentium J6426、Atom x6211E、Atom x6213E、Atom x6225Eを搭載するモデルが用意されます。
マザーボードまで含めるとラインナップ一覧は以下のようになります。
「iBOX 6000 BOX」のうち、Atom搭載機はインバンドECCに対応します。
Celeron J6412(2.0~2.6GHz)のPassmarkスコアはまだ出ていませんが、Pentium J6426(2.0~3.0GHz)に近いCeleron J6413(1.8~3.0GHz)はマルチスレッドスコアが4,000を超えており、一世代前のCore i3やRyzen 3並みのスコアを叩き出しています。
これまでの主流であったCeleron N4000/N4100はおろか、第7世代のCore i5-7200UやCore i7-7500Uすら軽く超えています。
シングルスレッド性能も強化されていますし、CeleronでかつTDPが6.5~10Wと低いのに、第7世代Core CPU搭載機と同じくらいの感覚で使えそうというのは、性能進化の速さを感じさせます。
メモリとストレージ
ベアボーンなのでメモリは搭載されず、DDR4-3200まで対応のSO-DIMMが2スロットあり、最大32GBまで対応しています。
ストレージも同様に搭載されず、M.2 Key-M(2280)とSATAポートがひとつづつでデュアルストレージの構成が可能です。
M.2 SSDの下にはWi-fiカードが来るので、2242サイズなどは直接留めることはできず、ブラケットを用意する必要があります。
その他
Wi-fiについてはファン付きの「NUC 6000 BOX」は802.11ac(Wi-fi 5)対応のIntel Wireless-AC 3168を搭載しますが、ファンレスの「iBOX 6000 BOX」はWi-fi非搭載です。
前述のとおりWi-fiカードスロットはあるので、自前で用意すればWi-fi対応は可能です。
マザーボード
「NUC 6000 BOX」と「iBOX 6000 BOX」は中のボードは共通の「NUC 6000」シリーズを搭載します。
「NUC 6000」シリーズは単体でも用意され、複数のCPUでラインナップされます(CPUの項目の画像参照)。
表側はメモリスロットとWi-Fi/SSDスロットがあります。
右側USBの下にはSATAがあり、電源一体型のリボンケーブル端子となっています。通常のSATAケーブルは使えない点に注意してください。
背面はCPUとファンがあるくらいで、基本的にユーザーがこちらに触れることはないでしょう。
筐体
NUC 6000 BOX
「NUC 6000 BOX」の筐体はこれまでの「4×4 BOX」や「BeeBox」シリーズと共通のデザインをしています。
サイズ面でも110.0×117.5×47.85mmと手のひらサイズで、かなりコンパクトです。
インターフェースはType-A/C合わせてUSB3.2 Gen2が4ポートもあります。
背面のUSB2.0はまぁ、マウス/キーボード用と思えばいいでしょう。
映像出力はHDMIとDisplayPortのデュアルディスプレイ、ちょっと残念なのはデュアルLANポートがどちらも1GbEにしか対応していない点でしょうか。
せめて片方は2.5GbEにして欲しかったところです。
iBOX 6000 BOX
「iBOX 6000 BOX」はボードは同じなのでインターフェースは変わらず、放熱性を高めたファンレス筐体となっています。
見るからにごついというか愛想がなく、いかにも工業用という雰囲気です。
まぁ実際、粉塵舞う工場内での運用や、24時間稼働な監視センターなど、メンテナンスのしにくい環境向けなので、間違ってはいないのですが。
まとめ
ASRockの「NUC BOX」シリーズは国内でも販売されることがあるので、個人的に注目していたElkhart Lake搭載製品が国内販売される可能性が一気に高くなりました。
高性能とはいってもしょせんはCeleronなので、TigerLakeやRyzen 5000シリーズと比べると性能は雲泥の差ですが、価格はCeleron機相応となると思うので、コスパはすごく高くなります。
ここ最近の高コスパな超コンパクト機というとCeleron J4125を搭載するCHUWI「LarkBox」などが挙げられますが、メモリオンボードやインターフェースの数などデメリットもあります。
性能的にちょっと上な「4X4 BOX-R1000M」が2.6万円なので、「NUC 6000 BOX」「iBOX 6000 BOX」が2万円台前半で発売されれば十分に推せます。

発売時期も、国内で発売されるかも不明ではありますが、続報がすごく楽しみです。
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