正直(価格が)微妙。QNAP「TS-262/TS-462」はCeleron N4505搭載のSOHO/ホーム向けNAS

NAS

2022年9月30日、NASメーカーのQNAPはCeleron N4505を搭載した2ベイNAS「TS-262」および4ベイNAS「TS-462」を発表、発売しました。

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スペック

TS-262

■ TS-262
CPUCeleron N4505
メモリ4GB DDR4(オンボード)
ストレージ3.5インチベイ×2
M.2 NVMe×2
インターフェース2.5GbE×1
USB 10Gbps×2
USB 2.0×2
HDMI 2.0
サイズ168×105×226mm
重さ1.55kg

TS-462

■ TS-462
CPUCeleron N4505
メモリ2GB DDR4(2スロット)
ストレージ3.5インチベイ×4
M.2 NVMe×2
インターフェース2.5GbE×1
USB 10Gbps×2
USB 2.0×2
HDMI 2.0
サイズ168×170×226mm
重さ2.26kg

特徴

「TS-262/TS-462」は、SOHO/ホーム向けに分類され、型番や外見的には「TS-251D」の後継かつ、中小(SMB)向けの「TS-464」の下位モデルという位置づけになります。

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CPU

「TS-262/TS-462」のCPUはCeleron N4505です。Celeron N5105/5095と同じJasper Lake世代のCPUですが、2コア2スレッドです。
先日紹介したTerraMaster「F2-223/F4-223」と同じCPUですね。

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PassMark CPU
Core i3-1005G1(2C/4T)50692229
Celeron N5095(4C/4T)40141509
Core i3-10110U(2C/4T)39822243
Ryzen 3 3250U(2C/4T)39351827
Core i5-7200U(2C/4T)33801789
Celeron J4125(4C/4T)29851169
Celeron N4100(4C/4T)24391007
Celeron N4505(2C/2T)23671537
Celeron J3455(4C/4T)2248807
Celeron J4005(2C/2T)15881129
Celeron N4000(2C/2T)14101032
Celeron J3355(2C/2T)1179811

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

4コア/4スレッドなCeleron N5105/5095のPassMarkスコアが4000強なのに対し、Celeron N4505は2400弱と6割に満たない程度の性能で、スコアだけで見るとCeleron J3455以上Celeron N4100未満となります。
「TS-251D」はCeleron J4005なので、そこと比較すると約1.5倍ですね。

メモリとストレージ

メモリはそれぞれ仕様が違い、「TS-262」が4GBオンボード、「TS-462」は2GBだけど2スロット(最大16GBまで)となっています。
同シリーズではボードを共通化することがほとんどなので、仕様が異なっているというのは珍しいですね。

ストレージは2ベイまたは4ベイの2.5/3.5インチベイに加え、SSDキャッシュ用のM.2 2280 SSDスロットを2つ内蔵しています。
M.2スロットはPCIe Gen3 x1接続なので転送速度は片方向0.98GB/s、実測だと900MB/sくらいになるでしょう。

なので高速なSSDは無用で、安価な低速SSDで十分です。

その他

無線LANについては従来通りUSBドングルでの対応。
有線LANは2.5GbEを備えています。とはいえ、SOHO向けらしくシングルポートです。

電源は「TS-262」が65W、「TS-462」が90Wのアダプタとなっています。

Intel CPUを搭載するQNAP NASの特徴ともいえるPCIeスロットももちろん搭載、PCIe Gen3 x2接続となっています。

「TS-251D」ではPCIe Gen2 x4接続だったので転送速度の上限的には変わりませんが、「TS-251D」はM.2スロットがなかった(PCIeレーンが足りない)ので、その点は最新のJasper Lakeを採用した利点と言えます。

転送速度は本体ポート(2.5GbE)で290MB/s強
PCIeスロットに10GbEカードを使うことでリード1077MB/s、ライト650MB/sとなります。

デュアル10GbEカードを使うことでさらに高速化できますが、そこまでするなら上位モデルを買うべきだと思います。

外観

フロントです。
前面カバータイプで、見た目的には「TS-251D」や「TS-464」の色違いです。

背面です。
ファンは「TS-262」が70mm、「TS-462」が120mmです。

参考までに、「TS-464」の背面。
見比べる限りでは、実際はボードは共通で2.5GbEの片方を実装していないだけっぽいなぁと。

こうなると「TS-262」がオンボードメモリというのもちょっと怪しくなってきます。
わざわざオンボードで設計しなおすのはただのコスト増ですしね。

メモリとM.2スロットの配置を示す内部イメージ。
…これ、「TS-262」の画像なはずなのですが、普通にメモリスロットがあるんだけど。うーん…

まとめ

「TS-262/TS-462」の価格は「TS-262」が69,800円「TS-462」が89,800円です。…高くない?

記事執筆時点だと上位となる「TS-464」が82,359円ですし、旧世代の「TS-251D」は3.3万円弱と半額以下なので、わざわざ「TS-262/TS-462」を買う理由がありません。

QNAPはOSの出来がよく、アプリストアのラインナップも豊富です。
単にネットワークストレージとしてだけでなく、wikiだとか監視カメラのモニタリングだとか、何ならブラウザも動かせるのでネットサーフィン用にも使えたりします。

そういった付加価値も含めればそこそこ高くても納得はしますし、そもそもここ最近のQNAP製品全体が高価格化しているのですが、それにしてもさすがに高すぎです。

今後どこまで値引きされて適正価格に近付くかが、「TS-262/TS-462」が売れるかどうかの分かれ目になりそうです。

関連リンク

ニュースリリース:QNAP
TS-262:QNAP
TS-462:QNAP

コメント

  1. 匿名 より:

    本日TS-262を購入したのですが、メモリは本当にオンボードでした。
    ただメモリパターンが4つ分あって、チップが2つしか乗っていなかったので、8GBが出る可能性もあるのかなと。
    TS-262の2.5GbEの下側にNIC空きパターンあるのは想像通り。

    • がじぇっとりっぷ より:

      現物の情報ありがとうございます!
      本当にオンボードなんですね…
      調べてみたら、記事にしていなかったTS-264がオンボード8GBのようで、TS-262と共通のボードになるようです。

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