みなさんのPCのストレージ容量はどのくらいありますか?
がじぇっとりっぷは512GBです。
十分な容量があると思っていたのですが、先日ついにこんなことになりました。
まさかゲームも入れていないのに512GBを使い切る日が来ようとは…
最近はストレージがすごく値下がりしていますし、せっかくなので大容量化ついでにPCIe Gen4に手を出してみることに。購入したのはGen4 SSDなのにやたらと安いCrucial「P3 Plus」です。
必ずしも同じような結果になるとは限りません。
2023年3月14日追記:追加レビューを公開しました。
Crucial P3 Plus
Crucialはここ最近安値攻勢が続いていて、「P3 Plus」もGen4対応ながらGB単価が10円を切っています。
余りにも格安なので、んじゃ実際はどうなの?って思いもあり、今回の導入に至りました。
スペックは堂々とリード5,000MB/sと書いています。
裏面はスペック関係の情報はなし。
こんな感じでパッケージングされていて、留めネジも付属します。
チェック環境
本体裏表。
裏面はチップがない、片面実装となっています。
シールをはがしたところ。
NANDとコントローラしかなく、DRAMレスのようです。
公式パンフに「Dynamic Write Accelerationテクノロジー」なる文言があるので、疑似SLCキャッシュすらしない、直接書き込み型っぽいです。
2023年3月14日追記:一応疑似SLCキャッシュはされているようです。
NANDチップはMicron製。
コントローラはPHISON製。
検証はもともとの導入予定先であるメインノート(ASUS「FH506HM」)で行います。
Gen4に対応しているのは1st slotなので、システムディスクは2nd slotに移動してもらいましょう。
新SSDを1st slotにいれて完了です。
中身は空っぽなので、自動で2nd slotのシステムディスクからOSが立ち上がります。
導入直後は未フォーマット。
フォーマット後は実容量1.81TBとなりました。
CrystalDiskInfoの情報です。
SSD-Zの情報はスカスカ。もうちょっと情報があってもいいと思うんだけど…
簡易ベンチマークではリード131,000IOPSとなりました。
SATA SSDでは58,000IOPSだったので、2.25倍です。…SATAとGen4の比較なのに倍率が低いような…?
ベンチマーク
CrystalDiskMarkでのチェック
ストレージの定番、CrystalDiskMarkでのベンチマークです。
1GiB時はリードは公称通り5,000MB/s近くまで出ています。
公称4,200MB/sには届かないものの、ライトも3,900MB/sを超えています。
16GiB(非冷却環境)でのテスト。
1GiB時に比べてかなり遅くなっていますね。これは何らかの原因がありそうな感じです。
AS SSD Benchmarkでのチェック
AS SSD Benchmarkはもともとスコアが低めに出るらしく、リード3,600MB/s、ライト1,800MB/sでした。
「Compression-Benchmark」は比較的フラット。
H2testwでのチェック
全体の書き込みテストツールであるH2testwでもチェック。
しょっぱなから書き込み速度が1.5GB/s(1,500MB/s)しか出ていません。
どんどんと平均速度が落ち込み…
最終的には平均書き込み速度が185MB/sとなりました。これはひどい…
HD Tune Proでのチェック
もうちょっと細かく見るのに、HD Tune Proでもチェックします。
リードは全域2,000MB/s程度。
ライトも全域2,000MB/s程度。
ライトはパーティションを削除しての検証なので、おそらくNANDへの書き込み速度自体はこのくらいなのでしょう。
とすると、上で平均速度が極端に低下したのは、ファイルシステムかキャッシュか熱か、その辺りが原因となりそうです。
「File Benchmark」(テストファイルサイズ500MB)では、リード2,000MB/s、ライト3,500MB/sという結果に。
CrystalDiskMarkの結果も合わせてみるに、数GB程度までのファイルならそれなりに性能を発揮できるようです。
ランダムリード・ランダムライトの計測では、1MB時にほぼ仕様通りのリード4,900MB/s、ライト4,200MB/sとなっています。
…本当に、最大瞬間風速でしかないんだなぁ…
ファイル転送
最後は手動での検証です。
まずは空っぽの状態で、100GB(1GB×100)のファイルを書き込みます。
実測でもライト1.5GB/sくらいしか出ていませんね。
…は?
タスクマネージャで見るとアクティブ100%、いわゆるCPU使用率100%状態となっていました。
つまり、何らかのキャッシュが効いている間は高速だけど、実書き込みの間は待たされるということのようです。
…大容量なのに、大容量ファイルの書き込みに向いていないってどうなんでしょうね?
書き込み時は最大75度に達していたので、温度も関係していそうです。
デスクトップならごついヒートシンクを付けて検証できたのでしょうが、ノートなので今回はそこまで検証できていません。
結局こんな感じでぼろぼろな結果に。
残容量が少ない状態
一応、残容量が100GBの状態でも検証してみました。
空っぽの状態での書き込みと同じような結果になったので、残容量減少による性能低下はないようです。
そもそも、これ以上ひどくなりようがないとも言いますが。
読み込みについて
前述の通りシステムディスクがいっぱいなため、読み込みに関しては検証方法が限られます。
7.5GBのファイルの読出しでは1GB/s程度でしたが、これはシステムディスク側の書き込み速度の問題と言えるでしょう。
まとめ
思ったより期待外れだった感のある「P3 Plus」ですが、合計で5GBくらいまでのファイルであれば、期待通りの速度で書き込んでくれますし、読み込みの方もそれなりに高速です。
とはいえ、積極的におすすめできる内容ではないことも事実で、普通にGen3 SSDの高速モデルを買った方がパフォーマンスがいいでしょう。買ってもいいのは倉庫用の4TBモデル(4TB M.2 SSDで最安)くらいかと。
2TBであれば少し予算を足してDRAMキャッシュ付きの「P5 Plus」とか実績のある「Samsung 980 PRO」などを選んだほうがいいですね。
というか、ケチったら馬鹿を見るといった方が正しいかも。
しかし、定番のCrystalDiskMarkでは粗が見えないのは結構きついなぁ…
2023年3月14日追記:追加レビューを公開しました。
コメント
ベンチマークソフトの数字だけで評価しても正直参考にならない
実使用環境でどうかの方が興味がある
コメントありがとうございます。
記事でも触れたように、数GB程度までのファイル一つを読み書きする分には早いです。
キャッシュを超えたサイズや多数のファイルのやり取りをすると途端にクッソ遅くなります。
実用例として、ブログ用の画像データ(ファイル数11,000、合計38GB)を移した際は、2分5秒でした。
比較として同データをUSB接続の2.5インチSSD(記事内にもあるTeamのSSD)に移したら3分36秒。モバイルHDDで9分2秒です。SATAの2倍も出ていない計算となります。
そんなの自分で考えないと。
頭同様使いよう。
ヘボなQLC型+ヘボなDRAMレス型。ヘボとヘボ合わせたらヘボ以下な物しか生まれないってのがよくわかる結果ですね。
そのくせに、まともなTLC型SSD(P5 Plusとか)と比べて大して安くないってのが悲しい所。
Crucial君はP3とかP3 Plusをメインで売りたいみたいだけどあんまり売れてないらしいよ。
まあ、こんな悲惨な性能でこの値段じゃ誰も買いたがらないわな。
ブログ主さんの言う通り、読み取り中心の倉庫目的に使うのが関の山じゃないかなーと思います。
どこで見たか失念したのですが、デフォルトでのキャッシュ容量設定が少なかったような…
レジストリから適正値に設定すれば少しはましになるかもしれません
うろ覚えで申し訳ないです。
CrystalDiskのスキンが美少女系でドン引き。
こういう記事で載せるときはデフォスキンを使おう。
Crucial P3 Plusは普通に使うと記事の通り問題の多いSSDなんですけど、唯一の救いは「PCIe 4.0」対応ってところです。PS5の拡張ストレージとして使えますから。
実際に比較検証しましたが、PS5内蔵SSD(=KIOXIA BiCS NAND)やSamsung 980 PROとロード時間でほぼ差がないです。PS5専用と割り切って使う分にはいいモノなんじゃないかなと思います。
Crucial純正部品モデルで謎の中華品より信頼性もありますし。
完全にサーマルスロットリングでスピード落ちてる。
熱対策が必要と言う見事な結果です。
大容量書き込み時の速度低下はDRAMキャッシュじゃなくて、QLCだからかと。
擬似SLCのキャッシュがきれて素のNAND性能が出てきただけだと思います。
TLCならDRAM無しでもそこそこ安定した速度が出ます。QLCダメ絶対、ですね。
コメントありがとうございます。
言われてみればキャッシュ切れだけでなく、QLCの挙動ですね。