【レビュー】SAMSUNG 980 PRO:さすがの大御所、速度の落ちないGen4対応SSD

レビュー

がじぇっとりっぷでは先日Crucial「P3 Plus」をレビューしましたが、ぼろぼろの結果にかなりの酷評を下しました。

【レビュー】Crucial P3 Plus:大容量ファイルの書き込みに難ありな格安Gen4対応M.2 SSD
【追加レビュー】 Crucial P3 Plus:冷却が適切であれば多少マシになるけど大容量ファイルが苦手なのは変わらず

リード偏重なPS5なら使えそうだなぁとは思うものの、PS5を持っていないので使いどころを探しています。多分アーカイブ用になるんじゃないかな。
というわけで、内蔵(セカンドストレージ)用のSSDを改めて探した結果、鉄板のSAMSUNG「980 PRO」を購入

「990」シリーズが発売されたとはいえ、ハイエンドクラスも随分と安くなりました。

レビューにおける検証結果は、あくまでひとつの検証環境におけるデータとなります。
必ずしも同じような結果になるとは限りません。
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SAMSUNG 980 PRO

■ SAMSUNG 980 PRO
容量2TB
接続PCIe Gen 4.0 x4
NVMe 1.3c
転送速度リード:7,000MB/s
ライト:5,100MB/s
NANDSamsung V-NAND 3-bit MLC
キャッシュメモリ2GB DDR4
保証5年または1200TBW

※他容量のキャッシュメモリは512MB(250GB/500GB)、1GB(1TB)

箱は縦型で、Crucialより一回り大きいサイズ。
…中身は同じ大きさなんだし、業界で統一してくれないかなぁ…

留めねじは同梱されていません。

チェック環境

本体裏表。

裏面はチップがない、片面実装となっています。
NANDも確認したかったのですが、シールが破けそうだったので断念。

検証はもともとのCrucial「P3 Plus」と同じく、ASUS「FH506HM」で行います。

【レビュー】ASUS FX506HM:安価だけどTB4も搭載する、コスパのいいゲーミングノート

CrystalDiskInfoの情報です。
仕様通り、NVMe 1.4ではなく、NVMe 1.3での接続になっています。

ちなみにNVMeのバージョンは転送速度とはあまり関係がなく、使えるコマンドセットや機能に差があります。

ざっくり調べた感じだと、最適化の観点ではNVMe 1.4の方が望ましいものの、NVMe 1.4では複数SSDを同時に使用するエンタープライズ・ハイパースケール向けの機能追加が中心なので、コンシューマ用途ではNVMe 1.3でも構わないといったところのようです。(本当にざっくりなので、詳しい人教えて)

いや単に対応が間に合わなかっただけなのかもしれませんけど(NVMe 1.4の発表が2019年6月、「980 PRO」の初展示が2020年1月)。

SSD-Zではほぼ情報が取れず。2016年で更新が止まっているアプリだものね…

SAMSUNG謹製の管理アプリ「Magician」で確認。

簡易ベンチマークやパフォーマンス設定も用意されています。

ベンチマーク

ベンチマークはノートPCかつヒートシンクのない状態で計測しています。
エアフローのしっかりしたデスクトップ機やヒートシンク装着などの整った環境より低いスコアとなりますので、参考程度にとどめてください。

CrystalDiskMark

CrystalDiskMarkでは「デフォルト」と「NVMe」モードで、サイズを1GiB・64GiBにして測定。

デフォルトモードではシーケンシャルでリード6,778MB/s、ライト5,036MB/sを記録。
64GiB時も特に落ち込んだりはしていません。

NVMeモードでは、ランダムリードにて約14.5万IOPSに達しました。

AS SSD Benchmark

AS SSD Benchmarkでは総合3773ポイント。
「P3 Plus」では総合2910ポイントだったので、かなり高いスコアです。

「Compression-Benchmark」もなかなかにフラットですね。

h2testw

「P3 Plus」はボロボロだったh2testwは、約1.4GB/sでスタート

そのまま速度が落ちることなく、書き込みは平均1.23GB/sでフィニッシュ。
読み込みも平均1.13GB/sでした。

HD Tune Pro

HD Tune Proではリードは平均1,687MB/s。

ライトは途中でちょっと減速しましたが、平均1,675MB/sでした。

ファイル転送(書き込み)

※計測は手動で行っているので、多少の誤差があります。

空の状態

10GB(1GB×10)のファイル:5秒27
100GB(1GB×100)のファイル:56秒17

ファイル転送では100GBの書き込みでも速度が落ちることなく、コンスタントに1.8GB/s前後を保ちました。

タスクマネージャで見てもアクティブ率が100%に達することなく、余裕をもって処理できていることが分かります。

空きが100GBの状態

100GB(1GB×100)のファイル:59秒66

空きが100GBしかない状態での100GB書き込みでも、転送速度がほぼ落ちませんでした。
流石に落ち込むかなぁと思っていただけに、この結果は驚きです。

NAND内を整理しながらになるのか、アクティブ率が100%になることも。
それでも速度を落とさず走り切れるのは、さすがと言えます。

まとめ

「980 PRO」はさすがのハイエンドといえ、ベンチマークでもしっかりした性能を見せています。
先にレビューした「P3 Plus」とは大違いですね(TLCとQLCという違いもありますが)。

「980 PRO」の価格は記事執筆時点で2.4万円前後。
レビュー投稿時現在はYMTCが米国のエンティティリスト入りした影響でSSD価格の値動きが激しく、古参メーカー製SSDも引きずられるように値下がりしています。

アーカイブ用ならともかく、本格運用予定のSSDで数千円をケチると痛い目を見る。それがよーく分かりました。

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