Wi-fi 7対応! Banana Pi「BPI-R4」は10G SFP×2か10G SFP+2.5GbEが選べるもよう

シングルボード

2023年6月20日、Banana PiはMediaTek MT7988(Filogic 880)を搭載したルーターボード「BPI-R4」をWikiに追加しました。
Banana PiシリーズはWikiページの登場から実販売まで結構間が空くので、発売日については不明です。

スポンサーリンク

スペック

■ BPI-R4
CPUMediaTek MT7988
メモリ4GB DDR4
ストレージ8GB eMMC
インターフェースUSB 3.0×1
10GbE SFP×2
1GbE×4
microSDXC
NanoSIM×3
wi-fiWi-fi 7(要モジュール)
サイズ148×100.5mm
重さ250g

特徴

Banana Piは定期的にルーターボードを発表しています。
合間に「BPI-R64」とか「BPI-R3 Mini」とかもあるので、「BPI-R4」は第4世代というわけではありません。

ミニサイズに詰め込みまくり。Banana Pi「BPI-R3 Mini」はデュアル2.5gbEな小型のルーターボード

SoCについて

「BPI-R4」のSoCはMediaTek MT7988(Filogic 880)。2022年5月に発表されたチップです。
CPUはクアッドコアのArm Cortex-A73で、暗号化エンジンを持つネットワーク処理ユニット(NPU)にネットワーク回りの処理を任せることで、CPUをOS回りやアプリの処理に振ることができます。

大きな特徴は、Wi-fi 7(802.11be)に対応していること。
6GHz/5GHz/2.4GHz帯に対応し、1チャンネルで最大10Gbps、最大36Gbpsの通信速度に対応します。

Wi-fi 7は2024年12月に標準化される予定の次世代Wi-fi規格です。2023年7月にDraft4.0が発行予定で、海外では今夏にDraft4.0準拠の先行製品が発売される予定です。

Wi-fi 6/6Eが規格上の最大が9.6Gbpsだったのに対し、Wi-fi 7は最大46Gbpsと大幅に引き上げられています。
技術面では変調方式を4096QAM/12bitに変更(Wi-fi 6/6Eは1024QAM/10bit)することでスループットが20%向上、320MHz幅(6GHz帯)の利用(同160MHz帯まで)、16ストリーム対応(同8ストリーム)、複数の帯域を同時に使えるMLO(マルチリンクオペレーション、Wi-fi 6/6Eは一つの帯域を選んで接続)など、かなりの変更が含まれています。

Wi-fi 6/6Eでも9.6Gbps対応製品がないようにWi-fi 7でも最大速度対応製品はそうそう出ないと思われます。
記事執筆時点ではTP-Linkが11,520Mbps(6GHz)+5,760Mbps(5GHz-1)+5,760Mbps(5GHz-2)+1.376Mbps(2.4GHz)というクアッドバンド製品「BE24000」を発表しています。

なお、日本国内では320MHz幅を使用するのに電波法改正が必要となるのでフルスペックで利用できるようになるのは当面先の模様。最速レベルで年内の認可、順調にいけば2024年だとか。
ちなみにWi-fi 6Eからの流れが速く見えますが、米国FCCは2020年4月に6GHz帯を免許不要帯域として開放しているので、実はそこまで短期間での世代交代ではありません。

「BPI-R4」内のブロックダイアグラムはこんな感じ。
Wi-fi 7は別売となるPCIeボードが担当。他にもUSBやPCIeなどおなじみのインターフェース、クアッドGbEスイッチなどを内蔵しています。

参考 MediaTek Filogic 880:Mediatek
参考 プレスリリース:Mediatek

メモリとストレージ

「BPI-R4」のメモリは4GB DDR4。「BPI-R3」は2GBだったので、倍になっています。
ルーター機能だけなら2GBでも十分なので、こんなところでも「BPI-R4」がアプリも併用できる高機能ルーターを目指していることが分かります。

ストレージは8GB eMMC
ボード上には拡張用にmicroSDスロットとM.2 SSD用スロット(PCIe Gen3 x1接続)が用意されています。

その他

前述の通り、無線LANはWi-fi 7対応。
と言ってもオンボードではなく、NICモジュールを追加する必要があります。

有線LANはオンボードで、1GbE RJ45×4に10GbE SPF×2または10GbE SPF+2.5GbE RJ45。(SFP+だとは思いますがSFPと書いているのでそのままの表記にしています)
一応基本は10GbE SPF×2で、10GbE SPF+2.5GbE RJ45はオプションとなるようです。
SFPについては「BPI-R3」は2.5GbE SFPだったので、ここもアップデートされています。

さらにボード上には4G/5Gモジュール用のM.2 Key-Bスロットが用意されています。

OSはOpenWRTとDebianが予定されているようです。

外観

インターフェースです。
NanoSIMスロットが3つて…

さりげないところでは電源がDC-Inの他にType-CのPD給電にも対応しました。

こっちがSFP×2モデルで

こっちがSFP+2.5GbEモデル。ついでにPoEモジュールも実装しています。

Wi-fi 7モジュールを搭載したところです。
mPCIeを2スロット占有します。

そのWi-fi 7モジュールはこんな感じ。
MediaTek MT7996+MT7995+MT7977A+MT7977Bの4チップ構成です。
13個に及ぶアンテナ端子が壮観ですね。

まとめ

冒頭にも書いたように、記事執筆時点で「BPI-R4」は発売日不明、価格も不明です。参考として、「BPI-R3」はAliExpressの公式ストアで91.58ドル(約1.3万円)です。
発売がいつになるかですが、「BPI-R3 Mini」も未発売なので、先は長そうです。

関連リンク

14012.0¥ 20% OFF|Wana Android BPI R3,2 GB DDR4,8 GB RAM,MT7986クアッドコアプロセッサを搭載した電子ボード,emmcフラッシュ,スマートルーター| | - AliExpress
Smarter Shopping, Better Living! Aliexpress.com

Banana Pi BPI-R4:Banana Pi
Banana Pi BPI-R4:Banana Pi wiki

コメント

タイトルとURLをコピーしました