2023年7月20日、NASメーカーのSynologyはCeleron J4125を搭載した2ベイNAS「DiskStation DS224+」を発売しました。
スペック
■ DiskStation DS224+ | |
CPU | Celeron J4125 |
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メモリ | 2GB DDR4(空1スロット) |
ストレージ | 3.5インチ×2 |
インターフェース | USB 3.0×2 1GbE有線LAN×2 |
サイズ | 165×108×232.2mm |
重さ | 1.30kg |
特徴
「DS224+」は「DS423+」の兄弟機というか、2ベイ版です。
Synologyの命名規則は「DS(DiskStationの頭文字)+最大ベイ数+年式+クラス」。本来なら「DS223+」だと思うのですが、出るのが遅かったゆえに24年モデルに…
「DS224+」は「DS220+」からの更新となるので、次は「DS226+」か「DS227+」。次世代では4ベイモデルと並ぶのか、ずれが広がるのか、そこもちょっと気になります。
CPU
「DS224+」のCPUは「DS423+」と同じCeleron J4125。
世代的には「DS220+」(Celeron J4025)と同じGemini Lake Refreshのままです。
Celeron J4025は2コア2スレッド、Celeron J4125は4コア4スレッドということで、世代は変わらずとも性能的には7~8割ましになっています。
Synologyがなぜ旧世代のCPUを採用するのか、2018年の記事ですがAnandTechによるインタビュー記事内でCEOが回答しています。
参考 Next-Gen NAS: An Interview with Alex Wang, CEO of Synology America:AnandTech
要約すると、「テスト項目が多岐にわたることと、コストとパフォーマンスのバランスを考えて選択している。ネットワークが絡むメールサーバーや重い同期処理がこなせれば十分。VMホストはNASの領分じゃないし、それでコスト増になるのは本末転倒」って感じでしょうか。
メモリとストレージ
メモリは2GB DDR4+1スロット。
最大メモリは6GB(2GB+4GB)とされていますが、メモリによっては18GB(2GB+16GB)もできると思います。
ストレージは2ベイ。「DS423+」と違ってM.2 SSD×2はありません。
その他
無線LANは非搭載。有線LANは1GbE×2です。
Synologyはいつになったら2.5GbE化するんだろう…?
転送速度はリード・ライトともに225MB/s前後(リンクアグリゲーション時)。
HDDであればこれで十分と言えなくもないですが、SSD化すると足りないですね。
製品ページで謳っているものとしてはBtrfsへの対応、多彩なバックアップ(スナップショットやクラウド連携など)、監視管理(8,300種類以上のIPカメラに対応)など。
監視管理が入るのは一般だとあまりピンときませんが、前述のインタビューによると、NASの10%には監視カメラが接続されているとのこと。また、監視ライセンス(無料なのは2台まで)の売り上げも年々伸びているそうで、重要なファクターとなっているようです。
外観
筐体は既存のSynologyデザインというか、ぱっと見では「DS220+」と全く同じです。
インターフェース類も変わりなし。USBは3.1 Gen1なのでUSB3.0(5Gbps)ですね。
「DS423+」と同じボードかなぁとも思いましたが、電源プラグが異なっています。
あとこんな見た目ですが、ホットスワップは対応しています。
まとめ
「DS224+」の価格は記事執筆時点Amazonで51,612円。
Synologyの2ベイNASは最エントリーの「DS223j」(2.8万円前後)、エントリークラスの「DS223」(4.0万円前後)、SOHO向け上位の「DS723+」(7.1万円前後)が2023年に発売されていて、SOHO向け下位(5~6万円台)が抜けていました。
「DS224+」が登場したことで、Synologyの2ベイNASはフルラインナップとなったわけです。
思想からくる旧世代CPUな点より2.5GbE非対応なところが残念ですが、上位の「DS723+」にはPCIeスロットがあるので、そちらを使えということでしょう。
ソフトウェア面は業界トップクラスまで進んでいるものの、一番目を引きやすいハードウェア仕様が競争力に欠けるなぁと感じるのは確かなので…2026年か2027年にくると思われる次期モデルでは大きな変化があることを期待したいところです。
関連リンク
DiskStation DS224+:Synology
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