2023年7月12日、NASメーカーのASUSTORはCeleron N5105を搭載した2ベイNAS「NIMBUSTOR 2 Gen2 AS5402T」および4ベイNAS「NIMBUSTOR 4 Gen2 AS5404T」を発表、国内では28日に発売します。
スペック
■ AS5402T/AS5404T | |
CPU | Celeron N5105 |
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メモリ | 4GB DDR4-2933(2スロット) |
ストレージ | 3.5インチ×2/4 M.2 SSD×4 8GB eMMC |
インターフェース | USB 3.2Gen2×3 HDMI 2.0b 2.5GbE有線LAN×2 |
サイズ | 170×114×230mm(AS5402T) 170×174×230mm(AS5404T) |
重さ | 1.71kg / 2.26kg |
特徴
ASUSTORはエントリークラス(個人ユース、1000/3000番台)をDRIVESTOR、ミドルクラス(ホームユース、5000番台)をNIMBUSTOR、上位クラス(ビジネスユース、6000/7000番台)をLOCKERSTORと、分かりやすくブランドで分けています。
「AS5402T/AS5404T」はミドルクラス、ホームユース向けの5000番台にあたります。
CPU
「AS5402T/AS5404T」のCPUはJasperLake世代のCeleron N5105。
主要NASメーカーのうち、QNAPとTerraMasterは2022年にJasperLake化していて、ASUSTORも上位の「Lockerstor Gen2 AS67」シリーズはJasperLake化していましたが、ミドルクラスもJasperLakeとなりました。
というか、スペック面だけ見ると上位のはずの「AS6702T/AS6704T」とほぼ一緒というね。
なお、前世代となる「AS5202T/AS5304T」(2019年5月)はGeminiLake Rerfresh世代のCeleron J4005およびJ4105でした。
Celeron N5105の性能はCeleron J4105比で3割以上向上、Celeron J4005比だと2.5倍です。シングルスレッド性能は1.5倍。
これだけあればストレージ機としては申し分ないですね。
なんならVM(仮想マシン)も動かせそうです。
メモリとストレージ
メモリは4GB DDR4-2933。
内部は2スロットタイプで、最大32GB(16GB×2)まで対応します。
ストレージは「AS5402T」が2ベイに「AS5404T」が4ベイ、OS領域として8GB eMMCが組み込まれています。
さらに両モデル共通でM.2 NVMe SSDを4スロット内臓。2スロットではなく、4スロットです。
さすがオールM.2 SSD NASを出すメーカーですね。
SSDキャッシュのような使い方でI/Oパフォーマンスを向上させるとありますが、普通にディスク領域としても使えます。
ソフトウェア面の詳細がありませんが、RAIDを組んだM.2 SSDでストレージプールを作り、HDDをバックアップ・スナップショット先にするなんて使い方が出来たら面白そうです。
なお、対応ファイルシステムはEXT4およびBtrfs。
M.2 SSDはデータ化けしても知らん顔をすることがあるそうなので、チェックサムを使用してデータの整合性を確保するBtrfsの方が良さそうです。
HDDよりSSDのほうがやばいんですよ
HDDは読めなくなったらIOエラーを返してくれるので、他のディスクからパリティ計算し直して直せるのですが、SSDはエラーなく化けたデータを返してくる場合が割とあるんです。— こたまご🥚a.k.a. ひなたん (@chibiegg) July 22, 2023
その他
「AS5402T/AS5404T」は無線ALN非搭載、有線LANはデュアル2.5GbEです。
ASUSTORは速度至上主義的なところがあって、2.5GbE普及前は10GbE搭載の「AS4002T/AS4004T」とか出していましたし、前モデルの「AS5202T/AS5304T」(2019年5月)でいち早くデュアル2.5GbEを取り入れています。
転送速度は「AS5402T」がリード591MB/s、ライト497MB/s。「AS5404T」がリード576MB/s、ライト566MB/s(どちらもリンクアグリゲーション時)。
だいたい2.5インチSSDを使っているくらいの速度です。
単ポート時は295MB/sで、これでもそこそこに早いですね。
OSはADM 4.2(ASUSTOR Data Master)という独自OS。ライブデモも用意されています。
「AS5402T/AS5404T」ではゲーミング風のインターフェースとなっているとのこと。
参考 ASUSTOR Data Master:ASUSTOR
外観
正面と背面です。
ASUSTOR特有のダイヤモンドカットボディで、全面のマグネットプレートと左右が膨らんでいます。
内部ボードはおそらく共通で、前面に1ポート、背面に2ポートのUSB3.2 Gen2(10Gbps)を備えています。
HDMIではPlex Media Serverなどのメディアサーバーを使って4K表示ができるとのこと。
上部にはASUS系ゲーミングデザインな吸気口。
この吸気口の下にM.2 SSDスロットがあります。
まとめ
記事執筆時点での「AS5402T」の価格は60,605円、「AS5404T」は85,758円です。
仕様の近い「AS6702T」は70,950円、「AS6704T」は86,848円。2ベイは安いですが4ベイは微妙です。「AS6704T」はLCD付きでPCIeボード入れ替え可能だから、むしろ「AS6704T」の方が割安なくらい。
4ベイはともかくとして、2ベイでM.2×4があってデュアル2.5GbEで6万円は、他社と比較しても割安です。
安さが売りのTerraMasterでも、スペックの近い「F2-423」は53,990円ですし。
ただこれで他社に影響があるかというと、そこは微妙なんですよね。
上でも書いたようにQNAPとTerraMasterは2022年にJasperLake化済。SynologyはCeleron J4125でしたが先日発表済み。
つまり主要NASメーカーの中では最後発となったため、影響しようがないという。
まぁ何にせよ、変態的な構成のNASが6万円からというのは面白いと思います。
関連リンク
NIMBUSTOR 2 Gen2 AS5402T:ASUSTOR
NIMBUSTOR 4 Gen2 AS5404T:ASUSTOR
プレスリリース:ASUSTOR
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