2021年7月13日、LenovoはRyzen 5000HシリーズにGeForce RTX 3060を搭載した、クリエイター向けの16インチノート「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」を発表いたしました。
スペック
■ThinkBook 16p Gen2 (AMD) | |
CPU | Ryzen 9 5900HX Ryzen 7 5800H Ryzen 5 5600H |
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GPU | GeForce RTX 3060 Max-Q |
メモリ | 16~32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB~1TB NVMe SSD |
画面 | 16.0インチ IPS WQXGA |
インターフェース | USB Type-C(Gen2)×1 USB 3.2 Gen2×2 SDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.1 |
サイズ | 356×252×19.9mm |
重さ | 1.99kg |
特徴
ゲーミング以外のノートでdGPUを搭載したものは、最近だと「IdeaPad Slim 560 Pro(16)」や「Inspiron 16 Plus (7610)」、「Inspiron 15 Plus (7510)」などを紹介しています。
ただどれもdGPUはGeForce GTX 1650やGeForce RTX 3050などエントリークラスのものばかりで、3D系のクリエイターなどには物足りないんじゃないかなぁというスペックでした。
まぁ、そこまでいけばおとなしめデザインのゲーミングノートを使えばいいのではと思わなくもないのですが、そこにミドルレンジのdGPUを搭載して登場したのが「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」です。
CPU(APU)はRyzen 5000Hシリーズ
「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」のAPU(AMDにおけるグラフィック内蔵CPUの呼び名)はZen3アーキテクチャでハイパフォーマンスなRyzen 5000Hシリーズです。
6コア12スレッドのRyzen 5 5600H、8コア16スレッドのRyzen 7 5800Hに加え、さらに上位のRyzen 9 5900HXを搭載します。
見ての通り、CPU(APU)性能は圧倒的です。
Ryzen 9 5900HXとRyzen 7 5800Hの差は小さいので、Ryzen 9 5900HXはどちらかというとロマン枠ですね。
GeForce RTX 3060搭載!
前述したように、「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」はdGPUとしてGeForce RTX 3060 Max-Q(6GB)を搭載しています。
ミドルクラスのRTX 3060は、エントリークラスのGTX 1650やRTX 3050と比較すると、1.5~2.5倍の性能があり、作業効率が断然変わってきます。
より本格的にレンダリングなどを行うのであればデスクトップにした方がいいですし、ノートで作業を行うのであればRTX 3060でできるくらいまでの内容を範囲とした方がよさそうです。
問題は、GDP(GPU版のTDP)です。「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」のdGPUはMax-Q仕様なうえ、排気口があまり大きくないように見えるので、GDPが低く設定されている可能性があるんですよね…
※2021年7月22日追記:コメントより、GDPは75Wと判明いたしました。
メモリとストレージ
メモリはLenovoお得意のオンボード+1スロット。
オンボードは8GBまたは16GBで、モデルによって固定されています。重要なのが、オンボード16GBはRyzen 9 5900HX選択時のみという制限がかかっている点です。ロマン枠っぽいのに重要というジレンマを抱えています。
ストレージは512GBまたは1TBのM.2 SSD。
デュアルストレージ(M.2×2)っぽい感じですが、サービスマニュアルが見つからず、内部は確認できませんでした。
※2021年7月22日追記:コメントより、デュアルストレージが確定いたしました。
その他
Wi-fiは802.11ax(Wi-fi 6)を搭載しています。
バッテリーは筐体が大きいだけあって、4セル71WHrと大容量。ただし、dGPUを積んでいるので稼働時間は約11.3時間と、通常のノートPCよりちょっと少ないくらいになります。
筐体
フロントです。
ディスプレイは16インチと広いため、画面占有率90%の割にベゼルが細く見えます。
画面アスペクト比は16:10で画面解像度は2560×1600、輝度は400nitと明るめで色域は100%sRGB、さらにX-Rite Pantoneのファクトリー・カラー・キャリブレーションに対応している辺りはクリエイター向けだなぁと。
メモリやストレージと違ってなかなか交換できないパーツなので、ディスプレイはこだわりを入れていい部分だと思います。
1.マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
2.SDカードリーダー
3.USB 3.2 Gen2 Type-C(Video-out 対応)
4.セキュリティ キーホール
5.USB 3.2 Gen2
6.電源コネクタ
インターフェースは左右だけでなく背面まで使っています。
左右を薄いインターフェースにすることで、全体的な薄型化を図っているのでしょう。RTX 3060を搭載していながら厚さ19.9mmと、20mmを切ってきました。
一つ注意なのがHDMIがなく、外部映像はType-C出力(4K/60Hz)となる点でしょうか。
ヒンジ位置はキーボード面上で、Lenovoのゲーミングノートと同じスタイルです。
ここにヒンジを持ってくることで排気口とインターフェーススペースをしっかり確保できるというメリットがあります。
個人的にいいなと思ったのがこのキーボード。
IdeaPadベースでありながら、矢印キーを半段下げている辺りにThinkPad要素を感じます。
上部のメッシュはスピーカーではなく吸気口と思われます。
底面は吸気口が大きく開いています。
下部の左右にスピーカーホールが見えます。
まとめ
「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」の価格は175,692円からですが、Ryzen 7 5800Hモデルが189,486円からなので、わざわざコア数の少ないRyzen 5 5600Hモデルを選ぶ理由は薄いです。
オンボードメモリが16GBなRyzen 9 5900HXモデルは、ストレージを512GBに減らすことでメモリ合計32GBながら215,622円まで下がります。最近のメモリ価格の高騰も考慮すると、プラス2.6万円の価値はあるんじゃないかと。
一方でRTX 3060搭載という点だけ見れば、例えばDELL「G15 Ryzen Edition」はクーポン込みで15万円を切っています。ASUSも売り切れていますが15万円を切るくらいからラインナップがありますね。
G15 Ryzen Edition:DELL
Gamingノート:ASUS Store
あとは16インチ2.5Kなクリエイター仕様のディスプレイにどれだけプラスで出せるかという話と、上の方で出たGDPの話になります。
「ThinkBook 16p Gen2 (AMD)」はMax-Qが明記されているので最大でもGDP70W、それに対し、ASUSやDELLは何も書かれていないので非Max-Qとも考えられ、その場合はGDPは最大で110W、動作周波数は最大1.4倍くらいの差が出るんですよね…(その分騒音もひどいでしょうが)
仕様は悪くないし、値段も悪くはないので、クリエイター層の買い替え候補としては結構悩ましい存在になりそうです。
コメント
https://psrefstuff.lenovo.com/Product/ThinkBook/ThinkBook_16p_G2_ACH
psrefを見る限り、2つの2280 M.2 SSDが搭載できるようですね。
また、GPUのTGPは75Wみたいです。