出た時期が悪かったか。 AOKZOE「A2」は最安599ドルからのゲーミングUMPCなのに、いまいち話題になってない

PC

2023年12月22日、UMPCブランドのAOKZOEはクラウドファンディングサイトのIndiegogoでRyzen 7 7840U/6800Uを搭載したゲーミングUMPC「A2」のファンディングを開始しました。

AOKZOE A2: 7840U & 32GB for Top Games, Full Screen:Indeiegogo

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スペック

■ AOKZOE A2
CPURyzen 7 7840U
Ryzen 7 6800U
メモリ32~64GB LPDDR5X-7500
ストレージ512GB~4TB NVMe Gen4 SSD
画面7.0インチ IPS WUXGA
インターフェースUSB Type-C(TB4)×2
USB 3.0×1
microSDXC
オーディオジャック
wi-fiWi-fi 6E+BT5.2
バッテリー48.5WHr
サイズ265×105×22mm
重さ649g

2024年4月20日追記:国内販売が始まりました。スタンダード版(6800U/32GB/512GB)モデルが89,800円、Pro版(7840U/32GB/2TB)が139,800円です。

特徴

「AOKZOE A2」は一言で言っちゃうと、「A1 Pro」の7インチ版です。

799ドルスタート! AOKZOE「A1 Pro」は初のZen4なRyzen 7 7840U搭載ゲーミングUMPC

少なくとも2023年6月にはアナウンスがなされていたのですが、その後音沙汰がなく、ようやく年末に登場と相成りました。

CPU

「A2」のCPUはRyzen 7 7840Uと、最下位モデルにRyzen 7 6800Uが搭載されます。

CPUPassMark(Multi)
Core i9-13900H(14C/20T)32844
Core i7-13700H(14C/20T)30966
Core i9-12900H(14C/20T)29049
Ryzen 7 7840HS(8C/16T)28429
Core i7-12700H(14C/20T)26834
Ryzen 9 6900HX(8C/16T)25004
Ryzen 7 7735HS(8C/16T)24497
Ryzen 7 7840U(8C/16T,30W)23603
Ryzen 7 6800H(8C/16T)23503
Core i9-11980HK(8C/16T)23463
Ryzen 9 5900HX(8C/16T)23014
M1 Pro(10C/10T)22060
Core i5-12500H(12C/16T)21617
Ryzen 7 5800H(8C/16T)21349
Ryzen 7 6800U(8C/16T,30W)21591
Core i7-1360P(12C/16T)20813
Ryzen 7 7730U(8C/16T)19673
Core i5-1340P(12C/16T)19618
Ryzen 7 7840U(8C/16T,15W)19236
Ryzen 7 4800H(8C/16T)18947
Ryzen 7 5825U(8C/16T)18499
Ryzen Z1(6C/12T)18486
Core i5-12450H(8C/12T)18375
Ryzen 7 6800U(8C/16T,15W)18099
Ryzen 5 6600U(6C/12T)17804
Core i5-1240P(12C/16T)17407
Core i7-1260P(12C/16T)17066
Ryzen 5 7530U(6C/12T)16444
Ryzen 5 5625U(6C/12T)14969
Core i5-1235U(10C/12T)13516
Core i7-1255U(10C/12T)13443
Core i7-11370H(4C/8T)11937
Core i7-1165G7(4C/8T)10487
Core i5-1135G7(4C/8T)10058
GPUFireStrike(Graphics)
RTX 3070 Mobile26845
RTX 4060 Mobile26304
Radeon RX 6600M23121
RTX 3060 Mobile20103
Radeon RX 6500M13865
GTX 1660Ti Max-Q13346
RTX 3050 Mobile12001
GTX 1060 Max-Q10765
VR Readyの壁
RTX 2050 Mobile7908
AMD 780M(7840HS)7900
GTX 1650 Max-Q7785
AMD 780M(Z1 Ex)7350
AMD 780M(7840U/30W)7036
GTX 1050 Max-Q7285
AMD 680M(6800U/30W)6942
GeForce MX5506199
Core i7-12700H5641
GeForce MX450(30.5W)5369
AMD 680M(6800U/15W)5203
Core i7-1165G75102
AMD 780M(7840U,15W)5098
Ryzen 5 6600H5075
Core i7-1260P4960
Ryzen 5 6600U4832
AMD 760M(Z1)4753
Core i5-12500H4580
Core i7-1255U4383
Core i5-1240P4195
Ryzen 7 5800U3933
Core i5-1135G73800
Core i5-1235U3745
Ryzen 5 5625U3453
Core i3-1215U3378
Core i3-1115G42340

PassMark3DMarkの集計値に基づいています

Ryzen 7 7840Uは手持ちのAOKZOE「A1 Pro」での実測値。TDP30W設定だとめちゃくちゃ強いです。
一方で上限を15Wに抑え込んだ時はほどほど。

Ryzen 7 6800Uは「GPD Win4(2022)」の実測値。Ryzen 7 7840U比で1割程度低くなっています。
最下位モデルということで扱いはRyzen 5 7640UモデルやRyzen Z1モデルのような位置づけと考えると、旧アーキテクチャ(RDNA2)でもグラフィック性能はZ1(AMD 760M)より上となります。

【レビュー】 GPD Win4(2022):モバイルしやすいけど目が疲れる、キーボード付き6インチUMPC

メモリとストレージ

「A2」のメモリは32GBまたは64GBのLPDDR5X-7500。ゲーミングUMPCでは定番の高速規格です。

ストレージは512GBから4TBのGen4 SSD。4TBはメモリ64GBとの組み合わせになります。
どの容量での検証かは不明ですが、最大でリード7,089MB/s、ライト6,241 MB/sとされています。

その他

無線LANはWi-fi 6E(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.2対応です。

バッテリーは48.5WHr
TDP15W時は最大2.5時間プレイ可能とされています。
また、付属電源は65WのGaN採用PD充電器となります。「A2」自体は100W給電に対応しています。

外観

カラーがバラバラですが、前後と上下です。
カラーはブラック・ホワイト・グリーンの3色が用意されています。画面は7インチWUXGA(1920×1200)

「A1/A1 Pro」にはあった内蔵スタンドはなくなりました。

立てる時はオプションのドッキングステーション(39ドル)を使います

「A2」の大きな特徴は、スクリーン周りの帯をなくしたこと

その上で、従来はディスプレイとその周辺だけだったガラスパネルはコントローラ部までを覆う全面パネルとなりました。
このパネルには高アルミニウムガラスを採用。

具体的な記載がないため、ここでいう高アルミニウムガラスの正体は不明ですが、高アルミニウムガラスで検索すると、スマホ用の高強度ガラスフィルムがいくつかヒットするので、似たようなものと思われます。

なお、”高”のつかないアルミニウムガラスというとサファイアガラス(酸化アルミニウムの結晶、高級腕時計などで使われる)が思い浮かびますが、高コストなのでこんな大きなサイズはまず使われません。

インターフェースはデュアルUSB4。「A1 Pro」は底面側がUSB3.2だったので、そこは進歩しています。

冷却は純銅のヒートパイプと最大4700RPMのファンを使用。

まとめ

「AOKZOE A2」の価格は以下の通り(円表記は記事執筆時点のレート)。

6800U/32GB/512GB:599ドル (86,774円)
7840U/32GB/512GB:699ドル (101,260円)
7840U/32GB/1TB:759ドル (109,952円)
7840U/32GB/2TB:839ドル (121,541円)
7840U/64GB/4TB:1,199ドル (173,693円)

後発だけあって、価格競争力はかなり高いです。7840Uにメモリ32GBで「ROG Ally」(Z1 Extreme/メモリ16GB)と同価格帯ってのは強いですし、6800Uモデルは「ROG Ally」(Z1/メモリ16GB)より高性能で同価格帯です。

ただやっぱり、「出るのが遅かった」というのは致命的ですね。
「A2」を欲しがるような層はだいたい「ROG Ally」を買ってしまっているでしょう。たいていのゲームは16GBでも何とかなりますし、リフレッシュレートが120Hzの製品から(おそらく)60Hzの製品に乗り換える理由もありませんし。

なんなら親会社のONE-NETBOOK社が出した「ONEXFLY」の方が、同じ7インチでも50g以上軽く、120Hzディスプレイ採用と、文句のない製品だったりします。後出しで負けるってどういうこと…?

Allyキラーなるか。ONE-NETBOOK「ONEXFLY」は10万円台からの7840U搭載7インチUMPC

そんな感じで商業的には伸び悩みそうな「A2」ですが、7840U+32GBで699ドル(約10万円)という価格を示したことは大きいです。

ここ数年上がる一方だったゲーミングUMPCの相場に対して、「ROG Ally」は新しい価格ラインを示しました。
「A2」がそれを下回る価格を提示したことで、今後は最新チップ(Ryzen 7/Core Ultra 7)にメモリ32GBで700ドル切りというのがクラウドファンディングにおける一つのラインとして、そこに高リフレッシュレートとかの付加価値を乗せてくる形になってくるでしょう。

…いや、まあ。かなり願望が入っていますが。そうなるといいなぁ。

2024年4月20日追記:国内販売が始まりました。スタンダード版(6800U/32GB/512GB)モデルが89,800円、Pro版(7840U/32GB/2TB)が139,800円です。

関連リンク

AOKZOE A2: 7840U & 32GB for Top Games, Full Screen:Indeiegogo
公式製品ページ:AOKZOE

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