2021年1月14日、クラウドファンディングサイトのKickstarterで、Celeron N3350/N3450を搭載したSBC(と言えるのかどうか微妙ですが…)の「ZimaBoard」がファンディングを開始いたしました。
ZimaBoard Single Board Server for Creators:Kickstarter
スペック
■ZimaBoard 216/832 | |
CPU | Celeron N3450 Celeron N3350 |
---|---|
メモリ | 2 / 8GB LPDDR4 |
ストレージ | 16 / 32GB eMMC |
USB | 3.0×2 |
ネットワーク | GbE×2 |
サイズ | 120×75.5×25mm |
特徴
冒頭にも書いたように、「ZimaBoard」はSBC(シングルボードコンピューター)っぽい雰囲気を出していますが、GPIOを持つわけでもなく、ちっちゃいオンボードマザボと呼んだ方が正しそうです。
CPUはApollo Lake世代のCeleron N3350(2コア2スレッド)またはCeleron N3450(4コア4スレッド)です。
x86/ARM織り交ぜたグラフを作ってみましたが、N3450であればSBCでも上位SoCとして扱われるRockchip RK3399より少し上くらいにはなるようです。
Celeron N3350はBCM2711(Raspberry Pi 4のSoC)どころか、Atom x5-Z8350にも負けています。
CeleronなのでWindowsも動きますが、快適には程遠い動作となることは覚悟する必要があるでしょう。
実際、「ZimaBoard」の対応OSはWindows以外にもOpenWrt、pfSenseなどのルーター系OS、AndroidやLibreElecなどのLinux系OSが挙げられていて、用途もソフトウェアルーター、メディアサーバー、NASなどとなっています。
確かにNAS用途であれば、N3350に近いスペック・スコアのCeleron J3355を搭載したQNAP「TS-251B」やTerraMaster「F2-221」を以前にレビューしていますが、特に不満を感じることはありませんでした。
現在はどちらも後継機が出ていて、QNAPはCeleron J4125になり、2.5GbEも搭載した「TS-253D」が、TerraMasterはCeleron J3455止まりだけれども10GbEが付いた「F2-422」が発売されています。
ちなみにCeleron N3350にWindowsを入れたものが2020年8月にドン・キホーテより発売されていますが、一番評価されているのが「キーボードがJIS配列」って点でお察しですね。
「ZimaBoard」にはCPU・メモリ・ストレージの違いで2モデルが用意されています。
ZimaBoard 216:Celeron N3350/2GB RAM/32GB eMMC
ZimaBoard 832:Celeron N3450/8GB RAM/64GB eMMC
ストレージはともかく、メモリは2GBか8GBってのは振れ幅が大きいですね。ちなみにLPDDR4なのでDDR3よりは早いです。
▲本体のサイズ感です。
120mm×72.5mmなので、クレカ2枚分より一回り小さいくらいです。
▲映像からの切り出しですが、インターフェースです。
左にminiDisplayPort(DP1.2、4K/60Hz)、真ん中にLAN+USB3.0端子が2つ、右に電源端子と並んでいます。
Celeron N3350/N3450の内蔵グラフィックはHD Graphics 500で、HDMIは1.4b(4K/30Hzまで)、DisplayPortは1.2(4K/60Hzまで)のサポートとなるので、一つだけ選ぶならDPにするのは理に適っています。
…まぁベストは両方とも搭載することなのでしょうが…
▲見づらいですが反対側の端にはSATA端子が2つ並んでいます。
真ん中と左側にあるのがSATA電源と思われますが、説明がないんですよね…
SATAがあるとNASにしやすそうです。
あと、ヒートシンクが無駄にかっこいいです。
▲「ZimaBoard」最大のポイントともいえるのが、PCIeスロットです。真横に生えているので使用時は場所を取ります。
PCIe2.0 x4で、メーカー側では下記の5つのボードを用意しています。
・PCIe to 4 Channel USB Adapter
・PCIe to NVMe SSD Adapter
・PCIe to 2.5 Gbe Ethernet
・PCIe to WiFi 6
・PCIe to 5 Channels SATA
PCIe2.0 x4なら規格上は10GbEカードも使えますが、消費電力の面で厳しいでしょう。
▲ヒートシンクなしだとこんな感じ
CPUの右上にあるのがeMMCとなります。
eMMCの下は電源部でしょうが、4+2フェーズでしょうか。
まとめ
「ZimaBoard」の価格は以下のようになっています。
ZimaBoard 216:69.9ドル(約7,300円)(限定200)
ZimaBoard 216:79.9ドル(約8,300円)
ZimaBoard 832:129.9ドル(約13,500円)(限定200)
ZimaBoard 832:139.9ドル(約14,500円)
ZimaBoard Dev Kit:299.9ドル(約31,000円)
上4つはボードのみで電源なし、Dev Kitは216+832+電源(12V/3A)2個+PCIeボード5種と、豪華なセットになっています。
用途を考える必要はありますが、最安で8000円台、1.5万出せば8GB/64GBなIntelボードはアリだと思いますし、3万円で本体2種とボード5種が付いてくるのも面白いですね。
関連リンク
ZimaBoard Single Board Server for Creators:Kickstarter
公式サイト
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