2024年2月5日、ミニPCメーカーのAOOSTARはRyzen 7 7840HSを搭載したミニPC「GEM10」を発売しました。
スペック
■ GEM10 | |
CPU | Ryzen 7 7840HS |
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メモリ | 32GB LPDDR5-6400 |
ストレージ | 0/1TB NVMe SSD |
インターフェース | USB Type-C(USB4)×1 OCuLink×1 USB 3.2 Gen2×4 HDMI 2.1 DisplayPort 1.4 2.5GbE 有線LAN オーディオジャック |
wi-fi | Wi-fi 6+BT5.2 |
サイズ | 107×107×60mm |
特徴
AOOSTARは中国の深圳市天钡科技有限公司という企業が展開するブランドの一つです。同企業は他にT-Bao、Tianbao、SkyBariumなどのブランド名で水平展開をしており、同じ製品が複数の名前で販売されています。
「GEM10」は、構成的には「R7-6800U」の後継機種な位置づけと考えていいでしょう。
CPU
「GEM10」のCPUはRyzen 7 7840HS。
年始にはRyzen 8000シリーズが発表されましたが、内容的にはNPUが更新されたくらいでアーキテクチャも動作周波数も変わらないため、性能的には最新世代と同等です。
CPU性能はモバイル系最上位クラス。
グラフィック性能はCPU内臓グラフィックとしてはダントツで、GeForce GTX 1650をサクっと上回っています。
なお、パフォーマンスについてはBIOS上でTDPを28W/35W/45Wに設定できるとのこと。
メモリとストレージ
「GEM10」のメモリは32GB LPDDR5-6400。オンボードメモリで増設・換装はできません。
「R7-6800U」もオンボードメモリだったので、後継機種としては間違っていないのでしょうが、ミニPCでオンボードはちょっとモヤります。
あと、BIOS上でLPDDR5-7500相当までオーバークロックができます。
ストレージは非搭載または1TB。
特筆すべきはトリプルM.2 SSDスロットを持っている点。書き方的に、3スロットともGen4 SSDに対応しているようです。
その他
無線LANはWi-fi 6(802.11ax)対応。Bluetoothはv5.2。
有線LANはデュアル2.5GbE、チップはIntel i226-Vです。
OSはWindows 11 Proとされていますが、ストレージ非搭載モデルでの扱いは不明。
また、Skybarium「R3」でのレビューではOEMライセンスなもののセットアップなしでログインできる(のちに改善されたそうですが)など、中華しぐさとでも言うべき点も抱えていたりします。
外観
インターフェース。
一般的なミニPCに比べてずんぐりとしています。
フロントにはUSB4のほか、OCuLinkがあります。
OCuLinkと言えばGPDが「WIN Max 2(2023)」で搭載してきて話題になり、その後MINISFORUM「UM780 XTX」がミニPCで採用して、ミニPC界隈でも話題になりました。
OCuLinkはUSB4/Thunderbolt3(40Gbps)を超える64Gbpsで接続できるというか、PCIe x4接続をそのまま外出しした端子です。Gen3なら32Gbps、Gen4なら64Gbpsで、今はGen4接続が多いです。
USB4より早く、外付けGPU接続用として注目を集めていますが…最大120Gbps(正確には片方向40Gbps×4レーンを2×2または1×3で割り当て)までできるThunderbolt5が登場したので、短命で終わるんじゃないかなぁと思っていたり。
ちなみにOCuLinkは抜き差し時は電源オフ必須です。
内部イメージです。
下半分はM.2 SSD用にでっかいファン付きヒートシンクを内蔵していて、これがずんぐりの正体です。
展開図。
CPUファンは天面吸気、サイド排気です。
フットプリントも107×107mmと、ミニPCとしてはややコンパクトな部類となっています。
まとめ
「GEM10」は公式ストアで2月24日までearly bird discountが適用されていて、ストレージなしモデルが549ドル(執筆時レートで約82,500円)、ストレージありモデルが589.95ドル(同88,600円)となっています。
何気に、7840HS搭載ミニPCとしても比較的安価だったり。
定価だとストレージなしモデルが599ドル(同約90,000円)、ストレージありモデルが699ドル(同約105,000円)です。
メモリも32GBあればオンボードでもそう問題にはなりませんし、OCuLinkによってグラフィック性能問題も(一応)解決します。
他にはないトリプルSSDスロットなど、ちょっと要素が盛沢山すぎますが、こういったユニークな製品は刺さる人には刺さります。
記事執筆時点では国内販売はされていませんが、待っていればそのうちAmazonに来ると思われます。
AOOSTARはおま国価格にはしないので、10~11万円程度で来るとは思いますが、販売開始がいつになることやら…
関連リンク
製品販売ページ:AOOSTAR
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