2021年6月22日、ECS(Elitegrpup Computer Systems、本社:台湾)は、組み込み向けのRyzen Embeddedを搭載した超小型デスクトップ「LIVA Q3 Plus」を発表いたしました。
「LIVA Q3 Plus」は「COMPUTEX TAIPEI 2021 Virtual」(期間:2021年5月31日~6月30日)で先行展示されており、正式にプレスリリースが出た形になります。
なお、記事執筆時点ではPlusではない「LIVA Q3」は発表されていません。
スペック
■LIVA Q3 Plus | |
CPU | Ryzen Embedded V1605B Ryzen Embedded R1505G |
---|---|
メモリ | 4/8GB DDR4-2400 |
ストレージ | 64/128GB eMMC |
インターフェース | USB 3.0×2 USB2.0×1 HDMI miniDP microSDXC |
wi-fi | 802.11ac+BT4.2 |
サイズ | 74×74×52.1mm |
重さ | 359g |
メーカー | ECS |
---|---|
型番 | Liva Q3 Plus |
発売日 | |
価格 | |
幅 | 74mm |
奥行き | 74mm |
高さ | 52.1mm |
容量 | 0.285L |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | Ryzen Embedded V1605B Ryzen Embedded R1505G |
Passmark値 | 1991 / 6876 1806 / 3969 |
TDP | 15W |
メモリ | 4/8GB DDR4-2400 |
メモリスロット | × |
メモリ最大 | × |
ストレージ | 64/128GB eMMC |
SATAポート数 | – |
M.2 | – |
mSATA | – |
USB2.0(内部) | – |
USB2.0(外部) | Front x 1 |
USB3.0(内部) | – |
USB3.0(外部) | Front x 2(Gen1) |
USB type-C | – |
SDカード | Side x 1(microSD) 最大1TB |
LAN | Rear 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11ac |
Bluetooth | 4.2 |
D-Sub | – |
DVI | – |
HDMI | Rear x 1(2.0) |
4K対応(HDMI) | 4K/60Hz |
DisplayPort | Rear x 1(1.4,mini) |
4K対応(DP) | 4K/60Hz |
シリアルポート | – |
S/PDIF | – |
オーディオジャック | – |
サウンドチップ | – |
光学ドライブ | – |
PCI-Eスロット | – |
eSATA | – |
赤外線 | – |
Optaneメモリ対応 | × |
最大消費電力 | |
電源 | 36W / 12V |
ノイズレベル | |
VESA | 75mm,100mm |
付属品 | VESAマウンタ |
その他 |
特徴
ECSは2017年から7cm角の「LIVA Q」シリーズを発表しており、2021年1月にはRockchip RK3399を搭載したARM版まで出しています。
初のRyzen機
「LIVA Q3 Plus」では組み込み向けRyzenのRyzen Embedded V1605B(4コア8スレッド)またはRyzen Embedded R1505G(2コア4スレッド)が搭載されます。
「V1000/R1000」シリーズは発表が2018年でアーキテクチャはZenと古いので、Zen2な「V2000」シリーズ搭載版が出てほしいところです。
これまでの「LIVA Q」シリーズを並べるとこんな感じ。
モデル | 発表 | CPU |
---|---|---|
LIVA Q | 2017/11 | Pentium N4200 Celeron N3350 |
LIVA Q2 | 2018/10 | Pentium N5000 Celeron N4100 Celeron N4000 |
LIVA Q1D | 2020/09 | Pentium N4200 Celeron N3350 |
LIVA Q1L | ||
LIVA Q1A | 2021/01 | RK3288 |
LIVA Q1A Plus | RK3399 | |
LIVA Q3 Plus | 2021/06 | Ryzen V1605B Ryzen R1505G |
やや古いとはいえ、これまでの「LIVA Q」シリーズと比較すると性能がダントツですね。
シングルスレッド性能でCeleron N4000のマルチスレッドスコアを追い抜いています。
まぁ、そもそもTDPが違う(V1605B/R1505GはTDP15W)ので性能差は仕方ないわけで、どちらかというと注目すべきは74mm角にTDP15WのCPU(APU)を押し込めることができるようになったという点かもしれません。
メモリとストレージ
メモリは標準で4GB DDR4-2400(最大8GB)、ストレージは64/128GB eMMCです。
「V2000」シリーズはeMMC非対応なので「V1000/R1000」シリーズになったような雰囲気ですが、それならCHUWI「LarkBox」のように、M.2スロットを内蔵するという方法でもよかったんじゃないかなぁと。
最近ではM.2 2230 SSDとかも出ていますし、十分筐体内に収まると思うんですよね。
その他
Wi-fiは残念ながら802.11ac(Wi-fi 5)止まりです。「LIVA Q1L」のようにM.2 2230カードなのかオンボードなのかまでは不明です。
まぁ元が組み込み向けというか、企業向け製品な位置づけなので、最新規格を追いかけるというより安定性のある堅実な技術を取り込む方針でしょうし、そこは仕方がないのかなぁと。
なお、OSは企業で一括管理のしやすいWindows 10 Proです。
…要件的にぎりぎりWindows 11にできそうではあります。
筐体
・電源ボタン
・USB 3.2 Gen1 ×2
・USB 2.0 ×1
■左サイド
・microSDスロット
・HDMI
・1GbE有線LAN
・miniDisplayPort
・電源ジャック(12V/3A)
■右サイド
・ロックスロット
「LIVA Q3 Plus」はまだ画像がほとんど出ていませんが、上の2枚でインターフェース全体は把握できます。
構造的には天面吸気、左右排気になるのではないかと思われます。
ここでUSB PD対応とかだと汎用性が上がったのですが、USBだと5V出力オンリーを間違えて繋ぐ可能性もあるわけで、企業向けだと要求電力を正しく出力できる電源アダプタの方が好まれるのかもしれません。
まとめ
「LIVA Q3 Plus」は発表されたばかりで、発売時期や価格は不明です。
超小型デスクトップの中では断トツの性能になりますし、これが発売されたら他のメーカーからも出そうな気がします。
「LIVA Q」シリーズは国内販売もされているので、「LIVA Q3 Plus」も国内で発売される可能性は高いです。
古いアーキテクチャではありますが、これはこれで一度使ってみたいと思わせる一台です。
関連リンク
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